豚丼のタレを作ってみよう!〜タレの食べ比べ編〜

前編では、十勝のソウルフード「豚丼」のタレを斉藤敦子さんに教えてもらいながら、一緒に作ってみました。後編では、実際に作った豚丼をいただきながら、タレの活用方法などのお話を伺いました。(取材日:2020年11月)

WRITER
宮部 純香
上士幌町で生まれ、高校まで上士幌で過ごした編集サポートメンバー。小さい頃からお世話になった上士幌を新しい視点で見てみたいと取材を進めています。
いただきます!


美味しい!お肉が美味しいね!

では、私もいただきます!うーん、美味しい!タレめっちゃ美味しいです!少し甘めですね。


じゃあ私も。うーん、美味しい!合いますね!

お肉がたくさん乗っていて贅沢。確かにこのタレは何にでもかけたくなりますね。

上士幌ポークはどう?

柔らかくて美味しいです!

脂が美味しいですよね、上士幌ポーク。

タレで、なんぼでも食べれちゃうんだよね。

この付け合わせは何ですか?

大根の焼酎漬けだよ。


だいぶ、汁が減ってきてますね。手作りですか?

そうだよ。干した大根を、お砂糖と焼酎と塩とお酢で漬けるの。砂糖は「こんなに!?」っていうくらい入れるよ(笑)。

タレもお漬物も手作りなんて、すごいですね。

でも、私の母なんて昔すごい大鍋で作ってたからね。えっ!誰にあげるの?っていうくらい。だから1日がかりで豚丼のタレ作りするの。二升くらい。

昔はどの家庭でも、豚丼のタレは作っていたんですか?

簡単にお醤油とお砂糖とみりんを煮て作ったりはしてたんじゃないかな。ここまではしないと思うけどね。ほんとに軽く煮詰めればオッケーだから。

十勝では家庭料理ですよね。タレを作らない家庭でも、豚肉とタレがあれば、簡単なのにみんなが喜ぶし、お腹もいっぱいになるし、お母さんの味方ですよね。

そうだね。養豚業が盛んだった帯広が「豚丼」発祥の地といわれているもんね。十勝の人はお店で食べるより、家で食べるのが普通だからね。


美味しかったです!

はやい!

ちゃんと筋も切ってあるから柔らかいしね。

切りました(笑)。でもポイントですね。筋切るのって。

切らないと丸まっちゃうからね。

家では切ったことなかったです。でも、全然違いますね。あのひと手間で。お店で食べてるみたい。それぐらい美味しいです。本当に美味しかったです!
ごちそうさまでした!

そういえば、時間が経ったタレと、作ってすぐのタレは全然味が違うのよ。ちょっと食べ比べしてみる?
― 斉藤家にあったタレの試食タイム ―


これは地下(むろ)で保存してあったものなんだけど、食べ比べしてみようか!


あ、ほんとだ!なめてもいいですか?

いいよ!

いただきまーす!

全然違う!深みが。


みたらしみたいな。最初に酸味がきてコクがありますね!お肉とか玉ねぎに合うのがわかります。

これは、いつ作ったものなんですか?


2、3年前かな。作って欲しいって知り合いに言われたときにたくさん作ったタレなの。でも2、3年って言ったけど、私の母のときからの継ぎ足しだから、何十年も経っていると思う。

そんな貴重なものをこんなにたくさん出していただいて。あとで戻しましょう(笑)。

この丼ダレは先ほど教えてくださったアレンジのほかに、どのようにして使っているのですか?

チャーハンの隠し味とか。

チャーハンですか?

そうそう。お醤油とか入れる代わりに、ちょっとだけさらっと入れたり。そしたらコクが出るよ。

美味しそうですね。

あとは、野菜を炒めるときも、いろんな味付けもするけど、タレを最後に入れると一味違うよ。豆板醤を入れてピリ辛にしても。

美味しそう!

豚だけじゃなく鳥でも美味しいから、ぜひ試してみて。

作った豚丼のタレは、上士幌ポークと一緒にお土産として持たせていただきました。

後日、いただいたタレを使って自分でも豚丼を作ってみました。家族にも好評で、タレを使い切ってしまう前に継ぎ足したいと思います。
皆さんもぜひ、ご家庭で本格的な豚丼のタレ作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?