豚丼のタレを作ってみよう!〜タレ作り編〜
大量にいただける食材の活用方法を上士幌町の皆さんから紹介してもらうレシピ企画。次なるレシピを求めてたどり着いたのが、斉藤敦子さん。今回教えていただくことになったのは”豚丼のタレ”作り。以前、違う取材でお話を伺った際に、上士幌町の食材を使ったレシピを教えてください!と相談したところ、斉藤さんのご提案で豚丼のタレ作りを教えていただくことに。前編は、斉藤さんと一緒に楽しく調理させていただきました。後編では、実際に豚丼を食べながら、豚丼の歴史やタレの食べ比べをさせていただいた様子をご紹介いたします。(取材日:2020年11月)
WRITER
宮部 純香
上士幌町で生まれ、高校まで上士幌で過ごした編集サポートメンバー。小さい頃からお世話になった上士幌を新しい視点で見てみたいと取材を進めています。
上士幌町の食材を使った料理を教えてください
本日のタレ作りの材料はこちらです!
〈今回使用した材料(約900ml分)〉
・醤油 900ml
・酒 100ml (先に煮詰めてアルコールを飛ばしておく)
・みりん 250ml
・砂糖 500g
ということで、斉藤さんのご自宅に伺うことになりました。
今日はよろしくお願いします!
よろしくね!タレ作りは時間がかかるので、さっそく始めますね。今日使う材料は、醤油900ml、お酒100ml、みりん250ml、お砂糖500gです。お醤油は何でもいいです。ご自宅にあるお醤油でも大丈夫!お鍋にお醤油を入れたら沸騰させないように、中火でじっくり煮込みます。この量が半分になるまで、煮込むからね。
え、半分ですか!?そこまで煮詰めるんですね。
それで、1時間かかるから(笑)。
1時間もかかるんですか!
そうなの。煮詰めていくと底にザラッとしたえぐみが溜まっていくの。表面には、結晶みたいなものがフワッと出てくるから、それをすくいながら煮詰めます。根性で待ってね(笑)。
火にかけている間は、混ぜなくていいんですね。
お砂糖も何も入っていないときは混ぜなくていいの。あ、ちょっとフツフツきましたね。沸騰しないように火を調節します。
ひたすら見てます!
灰汁(あく)が出てきて嫌だなーと思ったらすくってください。でも、これぐらいならまだ大丈夫かな。
あーいい匂い。チャーシューみたい。
ね、お醤油だけしか入ってないんだけどね。
さっきよりも灰汁が出てきたから、とってもいいですか?
いいよ。でも、もっと表面がバリバリってなるんだよ。
もっとですか?
そうそう。結晶が出てきたら、もういいですよっていう合図かな。
ちなみにこの灰汁は、めちゃくちゃ美味しくないよ。でも、砂糖とか入れた後の灰汁は美味しいの。
― 30分後 ―
そろそろ30分経ったかな?
だいぶ、汁が減ってきてますね。
あ!灰汁の色が変わってきてますね!
だんだん濃くなってトロっとしてきてるよね。
これ、違うでしょ?これぐらい時間が経つと、膜の感じが変わってくるんですよ。
本当だ!膜だ!
さっきの灰汁と全然違うと思うんですよね。白い感じのうすーい膜が張っているのわかります?
わかります!
このパリパリってなっているものをとっていきます。
匂いが変わってますね。
この膜がもうそろそろですよーっていう合図なの。やってみる?
やってみたいって思っていたんです(笑)。
綺麗にとるコツは、振らないで灰汁をすくったら、たらーって垂らすとうまくいきますよ
これって、灰汁が出なくなるときがくるんですか?
それはこないかな。だから、醤油の量が半分になるのを目安にするの。どれくらい減ったか見てみようか。あ、いいところかな?
あと1回灰汁を取ったら終わりでいいですか?
取り終わったら火を消してね。下の方にザラザラしたものが残っているので、この煮詰めたものを、別のお鍋へこしながら移します。
あ、下にたまってますね。
この溜まっているものは入れないように移していきます。
残っている灰汁はとらなくてもいいんですか?
そのぐらい少量であれば大丈夫です。じゃ次の作業やるね。お酒の煮切ったものと、みりんと、お砂糖を入れていきます。
お酒の煮切ったものとは、なんですか?
アルコールを飛ばしたものだよ。じゃ、お酒とみりんとお砂糖を入れていきます。入れる順番はどれからでもいいですよ。全部入れたら、中火にかけてください。お鍋のどこまで入っていたか覚えておいてね。
ここまで!って覚えておきます(笑)。
あとは、自分の好みの濃さになるまで味見していきながら、入れるようを調整してね。
いつも、だいたいどのくらいまで煮詰めてるんですか?
入れてからまた1時間ぐらいかかるので、そのぐらいは煮詰めますね。1時間近くゆっくりとやっていくの。
ずっと混ぜていた方が良いんですか?
お砂糖が溶ければ、混ぜなくていいよ。
ザラーっていうのがなくなればいいので、いい感じ。これも、一辺に沸かさないように気をつけてね。
あー、いい匂い!お腹すきました(笑)。
ご飯は3合炊いたので、たっぷり食べられるよ!これも、沸いてくるまで時間がかかるんだよね。まだこれ、シャバシャバしてるでしょ。ここでね、早くやろうとして火を強くしちゃうと、焦げ臭さみたいなものが出てきてしまうので、焦らないように!
沸いてきたので少し火を弱くしますね。また、灰汁が出てきたから取っていきます。
さっきの灰汁よりもトロッとしていますね。
今回のタレの甘味は、20gぐらい抑えて入れてみたの。
砂糖480gぐらい入っているってことですね。
これで甘味が足りないようだったら、足せばいいだけだからね。火にかけているとわかりにくいけど、冷めるとトロッとするから。
ひたすら待つ!ですもんね(笑)。
まだ、20分経ってないからね。
5ミリ?ぐらい減りましたかね?
それぐらいだね。でも焦らないことだよ。灰汁はお醤油だけのときをとったから、全然出てこないね。
さっきの灰汁の味と比べてみてもいいですか(笑)。
どうぞどうぞ、味見してみてください。全然違う味だと思うよ。
本当だ!美味しい!
とろみがそこまでなくても良い人は、ここで完成にしてしまっても大丈夫。
味も、煮詰めていくとどんどん変わっていきますよね?
そうだね、煮詰める時間によって変わるよ。タレも、50分経ったので、足しますね。古いやつを全部入れちゃいます。
もう、お肉切りますか?
お肉も切っていこう!
この上士幌ポークは、町のスーパー”ルピナ”で購入してきました!
ありがとう!上士幌ポークはルピナでしか手に入らないしね!上士幌で育てた豚だから、今回の企画には打ってつけだね!上士幌ポークは肉厚で旨味もしっかりあって、豚丼には最高なのよ。
お肉は筋を切るの。焼くときに丸まってしまうのを防ぐために。
―10分後―
これが、出来上がりの豚丼のタレだよ。味見してみて!
おいしい!古いものも足したから、また味にコクが出てさっきのと全然違いますね。ちょっと苦い感じもおいしいです!
香ばしくなった感じがします。私これだけで食べられます!
美味しいでしょ!あとは、豚肉を焼いてお皿に移します。
お肉は私が焼きます!
豚肉は一度油で焼いたらお皿に移して、フライパンを空にして、タレを温めます。そしてその温まったタレに豚肉を入れてください!
じゃお肉をタレと合わせていきますね。
絶対美味しい(笑)!!
これで完成!ご飯に、先にちょっとタレをかけます。
美味しい!もう美味しい(笑)!
だいたい6、7枚ありますね。乗せていきます。そしたらもう1回、タレをかけます。
もうお米が見えないくらいお肉で埋め尽くされてますね(笑)。
食べたい!
作るの大変だったでしょ。あとは、食べるのに専念してね(笑)!
タレが完成するまで約2時間かかりました!お醤油を煮詰めているときから、私たちは腹ペコです。お肉とタレが絡まって、よりいっそう美味しい匂いが漂っています。では、さっそく「いただきます!」と言いたいところですが、いただきます編は後編に!
後編では、実際に豚丼を食べながら、豚丼の歴史やタレの食べ比べをさせていただきました。ぜひ、お楽しみに!
本日の豚丼のタレの作り方はこちらです!
〈作り方〉
1.醤油を全て鍋に入れ、沸騰させないように中火でコトコトと煮詰めていく
2.灰汁が出たら適宜すくい、元の量の半分程度になるまで煮詰める
3.底にたまったものを入れないよう、こしながら別鍋へ移す
4.酒、みりん、砂糖をいれたら、灰汁を取りながら煮詰めれば完成!
今回は1時間煮詰めましたが、煮詰める時間によって味に深みが出るのと、トロっと感が変わってくるので、お好みで調節してみてください!