教育委員会主催!大学生と一緒に遊んで、学ぶ【上士幌町まなびの広場】
上士幌中学校の冬休みが始まった12月25日から28日、そして1月8日から10日の計7日間、「生涯学習センターわっか」では、上士幌中学校1〜3年生を対象に自学自習のサポートをする【まなびの広場】が開かれていました。
WRITER
苅谷 美紅 (かりや みく)
北海道千歳市出身。テレビ番組ADをしていた東京生活から、青年海外協力隊としてブラジルへ。コロナ帰国後、MY MICHI2期生を経て、取材メンバーとして活動しています。マイブームは朝起きて熱気球を探すこと。
ワークショップ
まなびの広場に行ってみると、ワークショップが行われていました。まずは、「ドローンで学ぶSDGs講座」。
世界ではSDGsの達成に向けて貢献しているドローンがあることを学びながら、世界中の課題を解決するためのドローンのアイディアをみんなで考えました。
また、まなびの広場の開催期間中はドローンが10台用意されており、勉強の合間にドローンを飛ばして息抜きをしていたのが、とても楽しそうでした。
他にも、数学で「遊ぶ」という、数学クイズのワークショップが行われ、クイズ大会をした後は、自分たちで数学を使ったクイズを作りました。中学生が作った数学クイズは、中学校の図書室に掲示される予定だそうです。
このワークショップでは、1人1台タブレット端末が用意され、中学校で配布されたチラシのURLを使って、自宅からも受講することができました。オンライン中継での授業を初めて体験したそうですが、チャットを利用して質問に答えたり、マイクを使って講師の方と会話をしながら、数学クイズ作りに励んでいました。
自習室開放
先に紹介したワークショップはまなびの広場の一部。まなびの広場では主に、自習室の開放を行なっています。
自習室では、学校の宿題や自分で持っているテキスト・問題集はもちろん、タブレットの貸し出しで学習アプリを使って勉強することもできます。中学生が、好きな時間に来ては自主的に学び、好きな時間に帰るという場所の提供をしているのだそうです。
中に入ってみると、大学生のお兄さん・お姉さんが勉強のサポートをしています。
学生スタッフの服部さんに、質問をしてみました。
中学校の頃の勉強って忘れちゃってないですか?私は全然教えられる気がしなくて…。
もちろん私たちスタッフもそれぞれ得意・不得意があります。なので、教えてあげるのではなく、一緒に考えよう!という姿勢で取り組んでいます。あくまで、子どもたちが自分で考えられるようにしたいんですよね。
学生スタッフの皆さんは、教えるのではなく二人三脚でサポートしてあげることを大切にしているのだそうです。中には、学生スタッフが手作りの問題やテストを作成してくれたおかげで、毎日このまなびの広場に通い、大嫌いだった勉強を頑張るようになったという中学生もいました。
学生スタッフのほかにも、普段は上士幌高校にいる社会教育推進員の明石さんや、上士幌中学校にいる学校魅力化推進員の中津さん、ICT推進教諭の深川さんといった、上士幌の学校現場で活動する方々も運営に携わっていました。
まなびの広場の始まり
まなびの広場は今回で4回目。まちづくり会社が教育委員会から委託を受け、【NPO法人いきたす】が企画運営をしています。NPO法人いきたすは、現役の大学生たちが、中学生・高校生と一緒に進路や将来の夢、悩みなどについて語り合う『カタリバ』という出前講座を行っている団体です。まなびの広場では、その団体で経験を積んだ大学生たちがスタッフとして中学生の勉強をサポートしてくれます。
NPO法人いきたす代表の江口さんに、このまなびの広場が始まった経緯をお伺いしました。
今は、学校教育を教室での枠にはまりきった勉強の仕組みから、例えば、学校の外に出たり、外の人を学校内に取り込んだり、といったような学びのスタイルの変化が全国的に起こり広がりをみせています。
教室で黒板があって、クラスの全員が一斉に同じ授業を受けるという画一的な仕組みから、個別にわいわいがやがやしながら学びを得るといったイメージへの変化ですよね。そんな中、それまでやっていた上士幌町公営塾から、学校授業の延長のような勉強要素を残しつつ、学びのスタイルに変化を作りたいという相談を受けてまなびの広場が始まりました。
自主的に勉強をする自習室の開放、ワークショップの開催など、学校とは違う切り口で学びの提供が行われているのは、まなびの広場が「学びのスタイルに変化を作りたい」という思いで始まったものだったからなのですね。
最後に
学校のない休み期間ですが、まなびの広場で友達と会ったり、大学生のお兄さん・お姉さんと一緒に勉強したりするのが楽しいという中学生たち。学生スタッフとの交流、帰り際の「また明日ね!」、そんなやり取りが、とても微笑ましく感じました。
まなびの広場の皆さん、ありがとうございました!