けん玉のつなぐ可能性、上士幌に溢れる可能性【後編】
前編では上士幌けん玉キッズクラブで指導者をしておられる二人から、ただの遊びとしてのけん玉ではない、人と人とをつなげるツールとしてのけん玉という考え方を伺いました。後編では、厚真町と紅白出場のつながりの話から始まり、お二人の想いについてさらに伺っていきます。
WRITER
西村 奈々子
大阪出身。父が上士幌に移住。大学卒業まで、父が愛した上士幌に来ている大学生。私もこの町を愛したい。好きな場所は、サンクロスのステンドグラスの下。
厚真町のつながりから紅白へ
これで結構あれだよね、実はこれ(紅白出場)も多分そこがきっかけにあるよね。
あーまあそうだね。
これもそもそもだけど、厚真の復興みたいな部分も含めて紅白に呼んでくれたところがあるから。で、北海道からも何人かって言って俺ら行った感じだったから。実はそこも俺ら関係はしてるの。
めちゃくちゃつながりますね。
そう本当に。
つながりすぎるよ。
なんか密度濃かったね。
あの1年間ねえ。
そうあの1年間、すげえギュッとなってた。社交性っていうのをなんか3年分くらい使った気がする。
だから、最後は紅白で締めようと思ったけど、選抜に落ちちゃって映れないで終わるっていう(笑)。
そうそうそう。交通費の無駄みたいな。なんのための4、5万やってなって(笑)。
そうね。志いただいた方には申し訳ない。
そう、本当に申し訳ない。最終的にけん玉を買って返したっていう。やったやったあれ、すっげえ濃かったもんあの1年。本当に自由にやってたなって。 いやでもね、この話は一生出てこないだろうね。
自分からしても微妙だしね。
うん、そうそうそう。なんか、酒飲んだときに楽しかったくらいだね、俺らの内輪でね。それくらいしか出てこないよね。
いやでも今の話は突き刺さりますね。
うーん、あんまりなんかこれ出されるの嫌だな。
うん、なんかさらっとでいい。
なんかあのお馬鹿な二人でいたい(笑)。
そうなんですね。いやーでもめちゃめちゃ書きたいです(笑)。
自然体がカッコいい
いやでも。なんだろうね、あの、今いくつくらいなのみんな?
22歳です。
それぐらいの子たちに突き刺さるって嬉しくない? これくらいの子たちじゃん。もっともっと盛り上げてくれっていうか。次に来てくれって代ってここじゃん。だからここに突き刺さるってちょっとなんか嬉しいなとは思うね。
そうだね。
うん。だったらいくらでもなんかするよ。ちょっとなんかいやらしい話(笑)。
いやらしい話(笑)。
嬉しいです(笑)!
いくらでもするよ、そこ刺さってくれるなら。
で、ちゃんとやってほしいね、共有のあとにね。
そうそうそう。別になんかこれをやれとか思わんし。でも、思ったことって大体合ってるから。直感の方があってんじゃん大体。
うんうん、本当にそう。
なんかセンター試験とかでもさ、選択肢であーここ違うかなって直した方が間違ってるでしょ。だから直感が働いたときって、それをもっと大切にできる20代の子であってほしいなあとは思うけどね。
なるほど、そうですね。
あ、けん玉だあ! って思ってくれたんなら、じゃあけん玉って何なんだろうって人から聞くのもあるんだけど、自分で追求してほしいと思ってる。何がこんなに楽しいんだろう。なんでこんなに面白い、みたいなのをもっと追求してくれてもいいかなと思うしさ。
そして、俺らがどうこうの話じゃなくて、克磨からもっと馬鹿な二人でいたいなあって言葉が出てくるのかっていうのも、もっと追求してほしいなあって思うしさ。
うん、確かに。
俺らが真面目なことやったら、なんか引くだろみんな。
は? ってなるだろうね(笑)。
でもなんか私はほんっとにその空気が嫌だっていうか。大人がカッコつけれる世の中がいいじゃないですか。
うん、カッコつけたいもんね。
さすがにね。
でも私たちって、周りに合わせろってされていく年代じゃないですか。
うん、同調圧力だからね。
でも、そこに飲まれてほしくないし、私自身絶対飲まれたくないし。
その気持ちが大事だと思う(笑)。
あれ? 反町隆史? ポイズン? 言いたいことも言えないこの世の中? そうだよ、ポイズンだよ。かなりね(笑)。
そういうことだよ。
でもかなり、この記事は自由にやらせてもらえると思うんで、そこで私たち若者が声をあげるっていうとこはやってみてもいいのかなあって思います。
いいんじゃない? なんか、好きに書いたらいいと思う。
捏造とかじゃない限りは全然好きに書いてくれたらいいと思うよ(笑)。
いやあ、楽しいです。書いてみたい。
いいと思う。カッコつけれる世の中を作ってくださいよ。
頑張って作りたいです。
お二人は最高にカッコいい大人でした。
お二人のように「カッコいいじゃん! 最高じゃん!」と真っ直ぐに認めてくれる人たちがいてくれれば、子どもも大人も楽しいことを、やりたいことを、躊躇うことなくカッコつけてできる世の中が連鎖していくのではないでしょうか。
上士幌だからこそ、自由にチャレンジできること。
小さい町だからこそ、カッコつけることを応援し合うことができること。この規模だからこそ、みんなのやりたいことを認め合い実現できること。
上士幌の溢れる可能性を感じさせてもらいました。