酪農を知ろう!サンクローバー牧場見学【後編】〜削蹄師の仕事を間近で見学〜
育成牛舎、乾乳舎、そしてローターリーパーラー。牧場のいろいろなところを案内していただいたサンクローバー牧場見学【前編】。今回の【後編】では、間近で見させていただいた牛の削蹄の様子をお伝えします。
WRITER
苅谷 美紅 (かりや みく)
MY MICHI2期生。東京でのテレビの仕事に疲れた元AD。8ヶ月住んだブラジルの赤褐色の夕日に気付かされた、故郷 北海道の美しさ。当たり前な風景が特別であると気づけるよう、北海道色豊かな上士幌町の魅力をお伝えします。
【前編】はこちら!酪農を知ろう!サンクローバー牧場見学【前編】!
皆さんは、削蹄師というお仕事を知っていますか?
牛舎の中で飼育される牛は運動量が少なく、蹄が伸び過ぎるので、定期的に蹄を切ったり、整える必要があります。人間と同じく、爪を切る必要があるということですね。それを担うのが削蹄師です。
待っていてくれたのは、サンクローバーに勤務する削蹄師の本村直詞さん。本村さんは、爪を切るだけではなく、足の病気や怪我についても対応しています。
通常は年に2~3回、削蹄の会社が牧場に来て爪を切るので、削蹄師が常駐する牧場はごく稀なのだそうです。
この緑の装置、牛を持ち上げ、足を固定する削蹄枠。はっきりと値段は言えませんが、ウルトラ! スーパー! ハイグレード!! 世界の中でもトップクラスに高価なものの一つのようです。
この装置があるおかげで、かなり仕事が楽になりました。
なんと、昔はそのまま足を持ち上げて爪を切っていたところもあったそうで、蹴り飛ばされないのでしょうか、驚きです。
牛の爪切りは丸ノコに似たこんな道具を使って行われます。丸い金属部分に2枚の歯がついており、回転することで牛の蹄を削っていくのです。
こうして爪切りが完了。
爪切り前と後を、後ろ足で比較してみるとこんな感じです。
左足が爪切り後、右足は爪切り前。
牛舎で飼育されている牛は、このような爪切りが必要になりますが、放牧の場合は自然と地面に擦れて爪が削れていくのだそうです。
ここで、爪を切られる牛の表情を見てみましょう。
こちらの目線に気づいた様子。爪を切られながら何を考えていたのでしょうか。
突然ですが、ここで問題です!
サンクローバーの牛たちの足についているこれ、何の役割を果たしているかわかりますか?
サンクローバーでは、どの牛であるのかの番号、どれだけ搾乳したか、歩数などをこのデバイスを使って管理しています。牛は発情期になると歩数が増えるそうで、それを見て種付けの時期を調整したりしているそうですよ。
ちなみに、上士幌では「上士幌町健康ポイント事業」として、TANITAの活動量計を町民に貸し出しており、町内4カ所の計測スポットで体組成などの総合判定ができます。
体に身につけて持ち歩く、牛も人間も、なんだか似ていますね。
本村さん、そして、爪を切られる様子を見せてくれた牛さん、
貴重な経験をありがとうございました。
今回、ロータリーパーラーを持つ牧場(株)サンクローバーさんの見学をさせていただきましたが、家族経営、機械化、上士幌にはさまざまな酪農の形があります。これを機に、いろいろな酪農の形、牧場の形を見てみたいと思いました。見学に来てもいいよ! という牧場さん、いらっしゃいましたら、ぜひ、kamishihoro.horology@gmail.comまでご連絡をお願いいたします。
代表の菅原さん、そしてサンクローバーの皆さん、ありがとうございました!