小学1年生の勉強のお手伝いをしてみました!
2020年12月に私たちJICA訓練生は「町内の方々の困りごとを、訓練生が人材センターの会員として自分たちの得意分野を活かして解決します」という企画を行いました。私たちが8月に来町してからお世話になった人たちに向けて、「何かお手伝いできませんか」と声掛けをしたところ、勉強のお手伝いの依頼をいただくことができました。
WRITER
田中 亮 (たなか りょう)
JICA訓練生。1982年生まれ。茨城県出身。自然が好きで、土や水の分析をしてきました。自然豊かな上士幌町に「個性」を感じています。もっともっとこの町の「個性」を発掘していきたいです。
今回、勉強のお手伝いをするのは、小学校1年生の千葉空(そら)ちゃんです。お父さんの学さんとお母さんの礼子さんからは「勉強の面白さを教えてほしい」と要望をもらいました。今回、教えるのは国語。今、授業では、ひらがな、カタカナ、漢字をやっているそうです。空ちゃんは、もともと絵を描いたり、折り紙を折ったりするのが大好きなのだそうですす。
テキスト作成
勉強の面白さを知ってもらうため、絵を描くことが好きな空ちゃんには塗り絵と組み合わせれば、楽しく学習できるのではないかと考えました。そこで漢字の成り立ちを絵にして、塗り絵をしてもらうという勉強方法を編み出しました。
1年生で習う80字の漢字から「目」と「口」を選ぶと・・・
ロボットの完成です。足や手を付け加えたりお絵かきすれば楽しめるはずです。
自然系では、山、川、木、田んぼなど。
こう考えると、漢字を考えた当時の人たちの想像力はかなりすごかったことが実感できました。きっと、空ちゃんは、漢字の成り立ちを知ったら驚くだろうなとわくわくしながら準備を終えました。
当日〜漢字の成り立ちを学ぼう〜
今日は、漢字の勉強をしてみよう!
やるー!
まず今日、勉強で使うのはこの絵だよ。
(ロボットのイラストを手に取り)これは、目でしょ。これは口だよ。目はね、目の形をしているから目なんだよ。ほら、横にすると目になるでしょ。
・・・。
当初は、漢字の成り立ちを一緒に考えて、塗り絵をしながら教えるつもりでしたが、すでに空ちゃんは知っていました!
用意した山、川、木、田のイラストも次々とめくりながら、漢字の成り立ちを話してくれます。
こちらの思惑通りにはいきませんでしたが、空ちゃん、面白さをわかってるじゃん!!
漢字の書き取り
すると急遽、お父さんから翌日の漢字テストに向けて対策をしてほしいとリクエストをもらい、漢字の書き取りの特訓を始めました。最初の要望に立ち返って面白さを伝えるため、クイズ形式にしました。
イラストを描いて〇で囲んだ部分を漢字にしてもらおうと考え、女の子を描いていたら
空ちゃんが興味を持ってくれたみたいで
「これ、空じゃん」
といいながら、漢字を書いてくれました。イラストが上手く伝わったみたいで安心しました。
漢字も完璧です!!
耳も右側の部分がきちんと突き抜けていてバッチリです。
調子にのって、あるキャラクターに寄せてイラストを描いてみたら・・・
世代が違いすぎて伝わりませんでした(苦笑)。
しぶしぶ口頭で伝えて漢字を書いてもらうことになりました。
女忍者のくの一から「女」の成り立ちを覚えてもらおうとしましたが、こちらも世代が違いすぎたのか、難しすぎたのか、女忍者が伝わりませんでした・・・。
似ている漢字
次は似ている漢字の書き取りです。
早速、書いてもらいます!
「木」「林」「森」の漢字を書き終えて空ちゃんが一言、
これってポケモンの進化みたいだね。
進化??
後でわかったのですが、ポケモンは3段階に進化するみたいで、それを例えていたようです。ピカチュウもピチュー、ピカチュウ、ライチュウに進化するんだとか。きっと、空ちゃんには林がピカチュウに見えたことだと思います。空ちゃんの感性にますます驚きっぱなしです。
また空ちゃんは漢字の一覧表を見て、
「見、貝、目は似てるね」と、3つの漢字を並べて書いてくれました。
ますます、空ちゃんの着眼点はすごいなということに気が付かされました。 お勉強は、ここで時間がきてしまいました。
空ちゃんからのお礼
今度は空ちゃんからお礼にと折り紙を教えてくれました。
とても丁寧に教えてくれて、四つ葉のクローバーができました。
空ちゃん、ありがとう。
最後に
勉強のお手伝いは、空ちゃんから教わることも多く、有意義な時間を過ごすことができました。
最後に空ちゃんからは「次は、2年生の漢字を教えてもらいたい」との言葉をもらい、今回のことで漢字を少しでも好きになってくれればこれより嬉しいことはないなと思いました。
今回は、かみしほろ人材センターを通して、お世話になっている方々に困りごとを聞いて、出てきた依頼でした。やってみると、当初の目標の「勉強の面白み」を空ちゃんに教えるだけでなく、私も一緒に味わえたような気がしました。今後もこのような世代を超えた交流が進めばいいなと思っています!
※かみしほろ人材センターの事業紹介記事はこちらから