温泉だけじゃない!ぬかびら源泉郷満喫ツアー!
北海道上士幌町の山奥にある温泉地、ぬかびら源泉郷。豊かな自然に囲まれたこの土地は、2019年で源泉発見から100周年を迎えました。四季折々によってさまざまな姿を見せてくれ、大自然を感じながらの温泉で多くの人を癒してきた上士幌町きっての観光名所です。しかし糠平の魅力は温泉だけではありません!今回は糠平に存在する魅力的な場所や施設を満喫するために、実際にプログラムを組んで一日を過ごしてみました!
WRITER
渡邉 史也 (わたなべ ふみや)
JICA訓練生。1997年生まれ。茨城県出身。上士幌町のあらゆる人、場所、生業に広く目を向け、自分の琴線に触れるものをどんどん紹介していきたいです。
まずは糠平と言えば有名なのがタウシュベツ川橋梁です。今回は、ひがし大雪自然ガイドセンターのガイドで朝の6時15分から始まる早朝ツアーに参加しました。ひがし大雪自然ガイドセンターに集合し、そこからマイクロバスでタウシュベツ川橋梁を目指します。その道中ではクマが出る可能性もあるそうですが、今回は何事もなく到着!時間はおよそ20分ほどでした。
ちなみに我々が参加した後日、実際にクマの鳴き声がしたとの報告が複数上がったため調べたところ、倒れかけた木が別の木と擦れて出た音が熊の唸り声と酷似していたためそのような報告が上がったそうです。調査した方いわく、「クマはもっと低い唸り声をあげる」とのこと。恐ろしい…
今回はシカが道を横切ってきたくらいで大きなトラブルはありませんでした。糠平でシカに遭遇するのは日常風景です。
車から降りた先を少し進むと、ついに見えてきましたタウシュベツ!
ガイドさんの話を聞きながら周りを散策します。タウシュベツ川橋梁は昭和 14 年に JR の前身である国鉄時代に士幌線の開通にあわせて作られた鉄道橋で、昭和 12 年に完成したコンクリート製のアーチ型の 橋梁です。長さ130メートル、11 連のアーチが湖面に映る優美な姿から“めがね橋”の愛称 で知られています。テレビではしばしば見る機会がありましたが、実際にその目で見てみると、雨や雪によって徐々に崩れている姿に歴史と力強さを感じます。
ところどころに落ちている石ころの中には、十勝石と呼ばれるこの辺特有の石があるそうです。大雪山東の火山活動によって生まれたガラス状の石で、北海道で黒曜石といえばこれなんだとか。そう聞くと子供心がよみがえりちょっとワクワク…
紅葉の地面に映えるタウシュベツを一時間ほど堪能したところで、タウシュベツツアーは終了です!
早朝の糠平はかなり寒かったので、ガイドセンターから歩いて3分程の近くの足湯で暖を取りつつ、次の目的地が開館するのを待ちます。
ここは2018年7月3日からオープンした足湯で、源泉かけ流しの湯を誰でも無料で楽しむことができます。ややぬるめの温度で入りやすく、かすかに硫黄のような匂いがしていつまでもまったりしていられる素敵なスポットとなっています!
30分ほど足の疲れをほぐした後に向かうのは、そこから10分ほど歩いた先にある上士幌町鉄道資料館です。
もともとタウシュベツ川橋梁というのは、旧国鉄士幌線が走っていたコンクリートアーチ橋なので、その歴史を学ぼうと思いやってきました!早速中へ入ってみると、鉄道が走っていた時の資料が壁一面にズラリ。当時の道具も飾ってあります。ここで発見した衝撃の事実。なんと北海道の地名の多くはアイヌ語が語源となっているそうです。
ここ糠平はアイヌ語「ノカ・ビラ」(形・崖)に由来しているそうです。ほかにも士幌町は「シュウウォロー」(広大な土地)から来たものであったり、帯広は「オペレケペレケプ」(川尻がいくつも裂けているところ)から来たものだったりと、ここに来なければ知らずに過ごしていたことでしょう。とても勉強になりました!
博物館横の踏切も紅葉がきれいです。
そうこうしている間にお昼の時間に。今回は鉄道資料館から歩いて15分ほどの「Bistroふうか」に伺いました!
テーブル席が3つとカウンター席が4つあり、非常に落ち着く雰囲気のお店となっています。そんな雰囲気とは裏腹に、メニューは行者ニンニクソースのハンバーグやカレーなど、がっつりと食べたい人向けのメニューとなっています。近くにスキー場があるからこそのメニューなのでしょうか?
ここのハンバーグは肉汁たっぷりボリューミーですごくおいしい!さらにそれをカレーにのっけるという、なんとも贅沢なメニューをいただきました。これはたまりません。
お腹も膨れたところで次の目的地へ。三分ほど歩けば、次はひがし大雪自然館です。
ここには糠平で見られる自然や生き物たちが飾ってあり、北海道では絶滅したエゾオオカミや、ヒグマ、エゾナキウサギなどの生態についてを知ることができるほか、タウシュベツツアーの際に見つけた十勝石の展示も行われています。
十勝石の中には光を当てることで別の色が浮かび上がってくる玲瓏という種類があるそうです。およそ1,000個に1個の確率で見つかるということなので、また今度玲瓏を探すプログラムも組んでみようと固く決心しました。非常にロマンのある話です。
そうこうしている間にだんだんと日が落ち始める時間です。今回は日帰りということなので温泉で締めくくりたいと思います。向かう先は自然館からBistroふうかへ戻るように5分程で到着する「糠平館観光ホテル」です。
こちらは宿泊だけでなく日帰り温泉も受け付けており、紅葉をガラス越しに眺めながら入る温泉は絶景です。
早朝から活動し続けて疲れた体をゆっくりと癒します。やはり旅の締めは温泉です!
こうして今回の糠平1日散策の旅は終了です。タウシュベツ川橋梁を見に行くことが主軸となったので、その歴史などを学ぶことに重きを置いた1日になりましたが、歴史や文化に興味がある方には満足してもらえるプランになったのではないでしょうか?