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かみしほろの文化

勢多小学校の今と、廃校の住人                             

2021.4.19
JICA訓練生レポート勢多小学校

上士幌町では現在までに10校以上の小学校が閉校となっています。僕自身「閉校」という言葉をどこか遠くに感じていましたが、上士幌町で生活する中でその存在が変わるきっかけが、「2020年3月に糠平小学校が閉校した」と聞いたことです。そのとき、「近い将来、自分の通っていた学校もなくなる日が来るのかもしれない」と思いました。同時に「閉校になった学校は今どうなっているのだろう?」という思いも頭をよぎり気になっていたところ、昭和56年(1981年)に閉校となった勢多小学校で暮らしている方がいると聞き、行ってきました。


WRITER

瀬谷 友啓

JICA訓練生。栃木県出身。自然溢れる北の大地で景色を楽しみ、人と話し、美味しいものを食べる。様々な機会に触れて、町の魅力を感じて自分の言葉で伝えることができたらいいなと思っています。


勢多小学校へ

勢多小学校は大正11年(1922年)創立、昭和56年(1981年)に閉校しました。東大雪の麓、雄大な自然の中で勢多の開拓と共に歩み、地域文化の発展に大きな役割を果たしてきた小学校で、58年間で645人の児童が卒業しました。

現在、勢多小学校は、教員住宅に旭川から引っ越してきた小川史生さんご夫婦が住んでいます。今回は特別に校舎内に立ち入ることも承諾してくださいました。早速見て行きましょぅ。

校舎はモダンなつくりで、おしゃれです。

こちらが小川さんご夫妻が住む教員住宅です。

昇降口から校舎へ

校舎の中に入ってみます。

年季の入った木製の下駄箱があります。持ち帰って家具にしたいくらいおしゃれです。

こちらは廊下です。

校舎の中は、当時のまま変わらず残っているようです。初めて訪れましたが「懐かしい」と自然に口から出てしまいます。廊下は校舎の端の体育館まで真っ直ぐ繋がっています。ここに通っていたら、先生がいないときを見計らって友だちと競争をしていたと思います。窓側の方が、人の出入りが少ないので、勝率が高そうです(笑)。

賞状などは当時のままに、そのまま貼られていました。中には昭和45年の町内小学校体育大会の記録証がありました。賞状の様式は今とほとんど変わらないのですね。

窓から見える景色は、当時と変わらないのでしょうか。空が広く感じます。

昇降口から入ってはじめに職員室がありました。「職」が現在の漢字とは違います。教室は職員室の奥にあるため、毎朝子供たちの顔を見ることができる動線がいいですね。しかし、寝坊して遅刻したときには職員室の前を通らないと行けないのでドキドキしそうです。

職員室の黒板には、月行事予定表や児童出欠表がありました。ペンキで書かれたと思われる数字や枠は当時のままで、時の流れを感じさせません。黒板には閉校後に書かれたと思われる文字がそのまま残っていました。

湯呑場です。ここには今ではほとんど見かけなくなった竃と井戸がありました。昭和32年から給食の実施がされていたそうです。

ここからは教室です。

机に座り、当時の小学生の気分を体験してみました。

大自然に囲まれたこの学校では、のびのびと小学校生活を過ごすことができたと思います。羨ましいです。休み時間が一瞬で終わってしまいそうです。開校時は、319名の児童が在籍していたそうです。

音楽の授業で使っていたものと思われるスピーカーも残っています。

当時、授業で児童が製作した作品が残っていました。共同作品「ジャックと豆の木」です。

廊下の一番奥には体育館がありました。ここは閉校後に地域住民がゲートボールなど室内で活動できるようになっていました。

住人の小川さん

最後に、ここで生活する小川さんについてご紹介します。

小川さんが上士幌町に来られたのは15年前。以前は、旭川で家具を作られていたとのことでした。ここに来るきっかけは「林業をしたい」「田舎で暮らしたい」との想いがあったからだそうです。山が好きな小川さんは、林業ができる場所を探しながら、知床や日高が近ければ理想の生活ができるのではないかと考えていたそうです。

そこで出合った土地が上士幌。それから15年間、林業に携わりながら生活しているそうです。

小川さんは上士幌での生活を、「星が綺麗で、熱気球を見ることができる。空に浮かんでいる気球を見ると、違和感を感じる。非現実的。サーカスの国にいるみたい」とおっしゃっていました。また校舎の周りには、野ウサギやテンなどの野生動物がよく足跡を残しているそうです。暮らしはじめて15年が経った今でもワクワクが止まらないんだとか。そんなワクワクした暮らしに僕は憧れてしまいました。

「閉校になって40年が経過し、広い敷地を管理することは難しい。しかし、手入れをせずに廃屋のようになってしまうのはさみしい。草刈り、木の管理など林業の経験を活かせる分野を活かしてここで生活していきたい」と、小川さん。

この風景とこの環境が守られているのは当たり前ではなく、小川さんの生活があるからこそなんだということを理解することができました。

勢多小学校には、多くの子供たちの思い出と、林業に携わり、自然に囲まれた場所で暮らす小川さんご夫婦の生活がありました。閉校になり、学校へ通う子供の姿はそこにはありませんが、思い出は色あせることなく今日まで引き継がれていました。

小川さん、ありがとうございました!

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