【上士幌町】トマル、だからススメル「MYMICHIプロジェクト」2022年の軌跡
トマルことによって気がつくことがある。
だからこそ、ススムためにトマル。
MY MICHIプロジェクトはそんな”トマル”時間と新しい出会いを提供し、全国の若者に上士幌町を舞台に自分の可能性を発見してもらうプロジェクトです。
プロジェクト参加者は、上士幌町のシェアハウスで1カ月間の共同生活を送りながら「遊ぶ・学ぶ・働く」の3つのプログラムを体験し、新しい環境や人と出会います。
その出会いを通して自分と向き合い、自分の可能性に気がついたり、そして、それを言葉にして人に伝えたり…
上士幌町でのすべての経験が、自分のこれからの道(MY MICHI)につながっていきます。
トマル、だからススメル。
今回の記事は、2022年度のかみしほろMY MICHIプロジェクトについてレポートをします。
WRITER
高野安弥(たかのあみ)
2022年2月から上士幌で行われるMYMICHIプロジェクトに携わる。九州の大分県出身。人が自身の在り方に気づける社会、そして全ての人が「自分の人生を生きる」未来を作りたいと思い活動中。
PHOTOGRAPHER
土門 史幸
フリーカメラマン。2021年6月から上士幌町で地域おこし協力隊としてまちづくり会社で活動中。苫小牧市出身。写真や動画で地域の魅力を伝えたい。空・水中ドローンも扱えます。
プロジェクトの背景
人や環境との出会いによって、人生が大きく変わることがあります。
冒頭にあるように、そんな「出会い」を若者に提供し、若者が上士幌町に来町することで町の人にも「出会い」が提供される、今までにない関係人口構築の仕組みがつくれたら…と発足したのが、本プロジェクトです。
MY MICHIプロジェクトを運営する㈱マイミチ代表取締役である西村剛氏自身が上士幌町に移住したことをきっかけに、自分らしく暮らすこと、働くこと、生きることに挑戦するに至った経験を活かして、一人ひとりに良い「出会い」を提供することを意識したプログラムを構築してきました。
※2022年度は㈱マイミチとまちづくり会社が連携して事業を推進しています
トマル、だからススメル 「MY MICHIプロジェクト」2022年度の参加者たち
2022年度は5月から11月にかけて4期のプロジェクトが実施され、総勢20名の参加者が上士幌町でそれぞれの1ヶ月を過ごしました。
参加者は、就職活動をきっかけに「これから自分が歩んでいく道についてもっとじっくり考えたい」と感じた大学生や、社会人としての生活を送る中で迷いや生きづらさを感じている若者が多かったそうです。
やりたいことを見つけたい
新しい土地に行きたい
今の自分を変えたい
スキルを活かして新しい何か挑戦したい
自分に何ができるのかを探したい
参加者の年代、人生のフェーズは様々ですが、共通しているのは、人生の転機に「自分自身が何者なのか?」「これからどう生きたいか?」ということについて、歩みをとめて、自分と向き合う時間がほしいと思い上士幌町にやって来たということです。
「遊ぶ」「学ぶ」「働く」プログラム
そんな参加者に、出会いとそこからの気づきのきっかけを提供するのが「遊ぶ・学ぶ・働く」の3つのプログラムです。
「遊ぶ」では、ネイチャートレイルやサイクリングなど、上士幌町の広大な自然を満喫する体験をします。
大自然の中で「遊ぶ」、心が開放される瞬間を感じる
「学ぶ」では、上士幌町に住む人たちから、地域での暮らし方やその中での取り組みについて話をうかがいます。
町の人の生き方や考え方に触れることで、自分の生き方を見つめ直すきっかけや新たな気づきを得るようです。
町の人の生き方に「学ぶ」
「働く」では、地域のちょっとした困りごとを解決するためのお手伝いをします。その中で地域住民との交流が多く生まれます。
人材センターの枝木処分で「働く」
上士幌という場所
プログラムを通して、参加者が得たものはたくさんあります。
町の産業である農業や畜産業に真摯に向き合う町の人の姿に「かっこいい!」と感銘を受け、自分たちが植え付けを体験した畑の収穫の時期にまた上士幌町に手伝いに帰ってきた若者たち。
働くプログラムで依頼者のお宅にお伺いして、窓ふきや草取りなどのお手伝いをしたあと、その方と話が弾みすぎてなかなか帰ってこない若者もいました。
シェアハウスで仲間たちと過ごした日々は「人生で一番楽しい時間だった」と涙しながら離町していく参加者の姿もありました。
それぞれの1カ月を経た後、「もう少し自分の可能性に挑戦したい」、「町のなりわいにもっと深く触れたい」、「まちづくりを学びたい」と上士幌町での滞在の延長を希望する参加者も少なくありませんでした。
参加者にとって上士幌町はたんなる観光地ではなく、自分自身を見つめ、新たな気づきを得た場所として、しっかり心に刻まれたようです。
▼心に刻まれたものが笑顔として表れる ー 滞在最終日近くの参加者たち ―
▲5期の参加メンバー
▲ 6期の参加メンバー
▲ 7期の参加メンバー
▲ 8期の参加メンバー
つながるMY MICHI
MY MICHI参加者との出会いは、町の人にとっても大きな実りをもたらしています。
プロジェクトにかかわってくださった町民の方々から、
「参加者は自らこの地に来ることを選択する勇気がある。一生懸命にプログラムに取り組む姿を見ることが自分たち自身の人生の刺激になっている」
と感想を頂戴しました。
参加者を受け入れる側の町民も、上士幌という場所の魅力を再発見したり、プロジェクトを通して町民同士の新たなつながりができたり…
参加者の心の成長が、町の人の心も動かしているようです。
笑顔が連鎖していく
出会いが循環する
自分を見つめなおすための”トマル”時間を経て、上士幌町での自然や町民の方々との優しい出会いで心が”ススム”方向に動き出した若者たち。
彼らにとっては、プロジェクトの終了がMY MICHIのはじまり。
その道をこれからどんな風にススムのか。
遠くからではありますが、見守っていきたいと思います。
2023年度のMY MICHIプロジェクトは4月下旬より開始する予定です。
これからもたくさんの道(MY MICHI)がこことつながり、上士幌町が出会いの循環の場となるよう、事業を推進していきたいと考えています。