ぬかびらで拾った「くるみ」を「晩酌ナッツ」にできるか挑戦してみた
皆さん普段くるみって食べますか? 私は無類のナッツ好き。家での晩酌のお供はミックスナッツと決まっています。ただ栄養価も高いけど、お値段もなかなか張るのがナッツの痛いところ。どうやら秋の上士幌の糠平(ぬかびら)では野生のくるみが簡単に手に入ると聞いて、このたび実際にとってきて食べてみることに。
WRITER
中山 舞子(なかやま まいこ)
1992年生まれ。千葉県在住。青年海外協力隊としてインドに派遣予定。海外派遣の目途がたたない現在、上士幌町に5ヶ月間滞在中。外からの目線で上士幌の魅力を掘り下げて行きます!
私たちとくるみの出会いは10月8日、紅葉ピークの糠平です。タウシュベツ橋梁の早朝ツアーに参加するべくやってきたのがきっかけです。
糠平に来るのはちょうど1カ月ぶり。一面すっかり色づいて前回来たときとはまるで別世界でした。ツアーが終わり、赤く光り輝く紅葉に目を奪われながら散策していると、何やら固いものを踏む感覚が。
もみじの絨毯を掻きわけてみると、黒い物体を発見!手に取ってみるとゴルフボールサイズくらいの果実のような木の実のような…。
そう、これが本日の題材となるオニグルミなんです!
確かに上を見上げると大きなくるみの木が生えていて、ます。辺りに視線をやると枝の先には黒い実がたくさんついています。
木になっているときは緑色をしていますが、黒く腐ると実を落とします。皮に包まれた黒い実は、正直まったく美味しそうには見えませんが、家で処理すれば普通に食べられるんだとか。
そこでということで、「拾って食べてみよう!」という話になり、ぬかびら野営場(キャンプ場)から糠平湖方面に歩きながら次々に拾っていき、約30分程度で袋いっぱいのくるみを採集できました。ついでに綺麗なもみじの落ち葉や松ぼっくりも工作用にお持ち帰り。
調理開始
さて、たくさん採集したのは良いものの、食べるまでの下ごしらえがなかなか大変なのがくるみのやっかいなところ…。
まずは水につけて少し放置します。そうすると、やわらかい外皮がトゥルんと簡単に剥けるようになるのです。
外皮を剥がすと中から硬い殻に入った状態のくるみが出てきます。かなり分厚い外皮の中にさらに硬い殻まで、とにかく守りが固い。それでも野生動物に綺麗に中身だけ食べられた跡がたくさんあるので、動物って本当に器用。
皮を剥いた実を今度は軍手とタワシを使って綺麗に汚れを取っていきます。
汚れが殻にこびり付いていてなかなか骨の折れる作業です。
このようにようやく綺麗になりました。綺麗になったくるみはさっそくフライパン中火で乾煎りしていきます。すぐに香ばしい良い香りが立ち込めてきます。煎ること約5分して、くるみの殻が少しずつ開いてきます。
貝と同じように、息苦しくなって口をパカっと開ける様子がなんだか生きているみたいで可愛い。口がから開いたものから順に取り出し、いよいよ殻を割っていきます。
切れ目から真っ二つに割ると
くるみの実がようやく顔を出してくれました。
中は瑞々しくておいしそう!あとは身を取り出して食べるだけか?と思いきやここからが一番の大仕事。まだまだ、くるみwithビールにはありつけません…。
実はこの実、殻にへばり付いていて簡単には剥がれないんです。一つずつ、つまようじでほじくり出していきます。
ひたすらくるみと格闘すること約2時間、ようやくすべての実を取り出せました!
私たちが普段食べている胡桃とは品種が違うため、あのような綺麗な形にはなりませんが、味は紛れもないくるみです。
外皮や殻の部分がほとんどなので実にしてしまうとあれだけあったくるみもかなり少なく見えます。塩を少しまぶしておつまみにするのも、ケーキなどに入れてスイーツにするのもよし。やはり味は市販のものには負けますが、普段ビールを飲みながら何気なくむさぼっていたナッツの出どころがわかり、とても良い経験になりました。
手がかかって作ったくるみをおつまみに楽しむ晩酌はいつもより一層美味しく感じること間違いなし!北海道で紅葉を見るときはぜひ上だけでなく足元にも目を向けてみてはいかがでしょうか。