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上士幌町で黒曜石を彫り続ける理由。十勝工芸社・前編

2021.5.12
インタビューものづくり仕事

上士幌市街地から国道273号線を糠平方面に向かって進んでいくと、白樺の木々に囲まれた白い建物が見えてきます。そこは「十勝工芸社」という工房で、黒曜石(十勝地方では十勝石とも呼ばれます)を加工し、石の魅力を引き出す工芸品を製作されています。今回はそんな十勝工芸社の店主 陶守 統一(すえもり とういつ)さんのもとを訪ね、お話を伺ってきました。


WRITER

竹中 勇輔(たけなか ゆうすけ)

1994年生まれ。上士幌町出身。理学療法士。ホロロジーライターというチャンスを生かして会いたい人に会いに行きます。上士幌に帰ってきてけん玉にハマっています。よく聞かれますが町長と親族関係ではありません。


陶守さんと工芸品のお話

まずはお話の中を見ていただく前に、店主の陶守さんと工芸品の紹介を簡単にさせてください。陶守さんは足寄町出身で、高校卒業後は就職を機に神奈川県で23年暮らします。その後、少年時代から持っていた黒曜石への興味、陶守さんのお父様が黒曜石の加工の仕事をされていたことなど、さまざまな要因が重なって、黒曜石の加工を仕事にする決意をし、神奈川での仕事を退職され北海道に戻ってきました。もともとはお父様の工房があった本別町で仕事をされていましたが、上士幌町へ工房を移転します。(詳しいお話はこの後の対談をご覧ください!)

店内にはたくさんの工芸品が並んでいます。陶守さんによると大きく9つのジャンルに分けて製作をしているようです。その中からいくつか紹介をすると、まずは石器・ナイフ。縄文の技術で再現した石器・ナイフは黒曜石の原石をエゾシカの角と小石で剥離して作っています。

次は宇宙シリーズ。黒曜石の漆黒を生かして、宇宙の星々を彫刻しています。「石も人もみんな宇宙のひとかけら」そんな思いをこめて、小さな星の位置も星座図に基づき正確に彫っています。

さて紹介はこのあたりまでにさせていただき、ここからは陶守さんとのお話へ。上士幌にお店を開いた理由、製作のお話、黒曜石との出会いなど、今に至るまでのさまざまな背景を語ってくださいました。

上士幌にお店を開いたわけ

竹中

はじめまして。今日はお話を聞かせていただけるということで、楽しみにしていました。よろしくお願いします。

陶守さん

どうも、陶守です。よろしく。

竹中

まず、陶守さんがこの工房を上士幌町に建てた理由は何だったのですか?

陶守さん

初めは父が工房を持っていた本別町でやっていたんだけど、上士幌町は黒曜石の原産地ということを知ったんです。それで、どうせやるなら原産地でやりたいと思い、退職金を使ってここの土地を買って、工房を建ててやり始めました。

竹中

お父様もこの仕事をされていたんですね。上士幌町の中でも、この場所に工房を建てたのは何か理由があったのですか?

陶守さん

もともと僕は上士幌町のことは詳しくなかったんですよ。足寄から帯広へ行く時には、ちほく高原鉄道というのがあったから、車を使わない限り上士幌は通らなかったんですよね。 学生の頃は車を持っていなかったから、どこへ出かけるにしても、ちほく高原鉄道を使ってたんですよ。

竹中

そうだったんですね。

陶守さん

この上士幌町の壮大な平野を見たのは、就職して免許を取ってからなんですよ。当時住んでいた神奈川からの帰省中にドライブしてるときだったんです。足寄は山に囲まれた土地なので、上士幌町のこの広い平野と山岳が調和した景観を気に入ってしまいました。

竹中

上士幌から足寄までは軽い峠道ですしね。

陶守さん

この土地は、上士幌にいた父の友人にお願いをして見つけてもらったんです。国道沿いで、糠平に行くお客さんが来てくれるし、なにより住んでいて気持ちがいいものです。

納得いくものは3割しか作れない

竹中

製作のことを伺いたいんですが、実は僕もものづくりで陶芸をしているんです。でも失敗も多くて、頭に思い浮かべているものを形にするのはいつも難しいなと思いながらやっています。陶守さんはものづくりをされていて、失敗と成功はどんな割合ですか?

陶守さん

お店には完成品しか並べていないから、お客さんから見ると全部成功しているように見えるかもしれないけど、実際に成功しているものは例えば石器でいうと3割くらいですね。うまくいかないことの方が多いです。何より、自分が納得できないと商品にはできないしね。

竹中

そうなんですね。

陶守さん

例えば石器は機械を使わず、エゾシカの角で石を剥がしていきます。私の仕事道具、ご覧になりますか?

竹中

いいんですか?ぜひ見たいです!

陶守さん

これが石器を作る道具です。エゾシカの角の根元の部分はハンマーとして使っています。右のものは押圧剥離という技法で使う鹿の角の先端。まずは大きな原石からバンッと叩いて、破片を取り出します。

陶守さん

するとこういう状態で剥がれます。ただ黒曜石は必ず湾曲して剥がれるので、例えばナイフを作り出すにはこれを平らにしなければいけないんです。 その工程で石はどんどん小さくなっていくし、加工の工程で割れてしまうこともあります。

竹中

その上で成功が3割ということなんですね。

陶守さん

ものにもよりますがそういうことです。細かく削っていくにはこの鹿の角の先端で圧をかけて剥がしていって、そういう作業の繰り返しで作品を作っています。

竹中

気になることがあるんですが、黒曜石はどんなふうに剥がれていくんですか?

陶守さん

一般的に考えると表面を削っていくように思うでしょ?黒曜石の場合、下の方向へ剥がしていきます。 

竹中

そうすると欠片は下に落ちていくわけですね。

陶守さん

そうです。でもどうして湾曲して剥がれるのか、ここが面白いんです。

(陶守さんが球体を手元にもってくる)

陶守さん

これは球体に作ったものなんですが、頂点に打撃を加えると円錐状に割れていくんです。

竹中

円錐状?波紋のようですね。

陶守さん

そう。石器人は同じような角度で打撃を加えると、このように割れていくことを見つけたんです。

竹中

へぇー、この性質から黒曜石を道具として加工していったんですね。でも思うように剥がすには、力の調節がとても難しそうですね。

陶守さん

それは経験と技術がものをいいますね。あとは石の質が良いか悪いかも関係があります。時々ヒビが入っている石もあるから、間違えてヒビのあたりを叩いちゃうと完成しかけていても割れてしまうんです。そういうのも含めると完成できる石器は3割というところですね。

竹中

長年やられている陶守さんでも、成功率が3割というのには驚きました。

陶守さん

でも、あのイチローだって成功率が3割じゃないですか。彼は「3割で打ち続けられていれば最高だ」なんてインタビューで言っているけど、それを聞いたら自分の3割って大したものなのかもしれないって思えますね。

とても興味深いお話が続きますが、前編はここで終わりです。「中編」では黒曜石との出会い、弟子入り時代のこと、引き継いだ技術の伝達についてのお話をお伺いしました。ぜひ、ご覧ください。

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