『かみしほろ地域食堂うれしか』の想い
『かみしほろ地域食堂うれしか』が2022年4月23日(土)12時より、ふれあいプラザにてオープンします!
うれしか立ち上げに動き出したのは、以前ハレタでベトナム食堂を開催してくださった鈴木香さんです。地域の新しいコミュニティをつくるため、日々意欲的に活動されている鈴木さんに『かみしほろ地域食堂うれしか』(以下、うれしか)オープンにあたっての想いをお聞きしました。
INTERVIEWER
岩部 栄美
2021年10月より上士幌地町地域おこし協力隊としてまちづくり会社㈱生涯活躍のまち かみしほろで活動中。北海道清水町出身。これまでのいろいろな経験を活かし、まちの魅力を伝えるライターに挑戦。
INTERVIEWER /WRITER
渥美 緑
2022年1月より静岡県から上士幌町へ移住し、地域おこし協力隊としてまちづくり会社 ㈱生涯活躍のまち かみしほろ で活動中。静岡県裾野市出身。上士幌町で出会う人、ものは基本すべて“初めまして”です。その”初めまして”の瞬間を言葉にして発信できたらいいなと思います。
地域食堂とは?『うれしか』はどんな場所?
鈴木さんにとって地域食堂とはどんな場所ですか。その中でもうれしかはどんな場所を目指していらっしゃるのかお聞かせください。
地域食堂とは一般的に一人で食事をとる子どもや食事の提供を必要としている方へ、食事はもちろん、その場をフリースペースとして提供しているボランティア活動です。
『うれしか』は町の皆さんにとって、第二の実家とまではいかないけれど、何も考えずにふらっとお茶を飲みに行けるような『地域みんなの居場所』となることを目指しています。
素敵な考えをたくさんお話ししてくれた鈴木香さん
現代の子供たちは、私が子供の時と比べると、親戚の人や近所の人といった身近な大人と食事をする機会が少なくなってきて、家庭内で人と食事をする時のマナーや日本の文化とかを知る機会も減ってきていると感じています。家庭内でそういう機会が持てなくなってきているのであれば、地域でそういう役割を果たせればいいんじゃないかと思いました。
それから、もしかしたらこの町にも、今、何か生きづらさを感じている人がいるかもしれない。そういう人にとって、何も考えずにふらっと行けるところがひとつでも多くあれば、「ここがダメでもこっちに行けばいいんだ」ってなるんじゃないかなと思って。もちろん、そういう場所があっても悩んでいる問題そのものが解決するかは分からない。でも、とにかく皆が居心地よく過ごせる場所、そういう場所のひとつにしていきたいと思っています。
地域食堂を立ち上げようと思ったきっかけ
鈴木さんご自身、そういうコミュニティの場をつくりたいと考えるようになったきっかけがあったのでしょうか。
私は結婚を機に15年前に上士幌に来たんですけど 、元々は帯広でケアマネージャーをやっていて介護の世界に長くいたんです。その時に訪問した方の中に、独居の方もいて、そういう方は人とコミュニケーションをとる機会もなくて、日頃一体どうやって過ごしているんだろうってすごく思っていました。 なので最初は高齢者の方に目を向けていたんです。その後、自分が子育てをするようになって高齢者だけでなく、子供にも目を向けるようになりました。
そういった中で上士幌町にみんなの居場所になる場所があったらいいなぁと漠然と思うようになりました。
鈴木さん自身、3人のお子さんがいる
地域みんなの居場所
運営メンバーの中にはフリースクールで働いていた経験のある人もいるので、将来的には遊びに来てくれた子供たちに学習支援をしたり、自分でも何かやってみたいと思ってくれたら、提供する料理の調理とか盛り付けとかを手伝ってもらったりということもできるかなと思っています。
『うれしか』は地域の『食堂』なんですが、食事提供の場というよりも食を通じて、町の人が町の人と触れ合う場にしていきたい。『地域みんなの居場所』として活動をしていきたいです。
食を通じて心地よい居場所をつくる。さらに、来てくれたお客さんとのコミュニケーションや運営メンバーの方一人一人の特技を活かすことで、場所としての可能性もひろがっていく感じがしますね。
運営メンバーの方は他にどんな方がいらっしゃるんでしょうか。
主に活動に参加してくれている運営メンバーは20代から70代までの13人です。私個人が一緒に働きやすいなと思う人と私だけで作り上げたものが、必ずしも来てくれるお客さんにとっても心地よいとは限らないと思っていて、立場も仕事もあえてバラバラの運営メンバーにしています。
運営メンバーの中にも様々な人がいて、料理の得意不得意もあったり、子育て経験の有無とかも違うし、だからこそ、それぞれの視点からうれしかについて考えられること、お互いの得意を持ち寄って進めていけることが、『うれしか』の強みになっていると思います。
運営メンバーの打合せの様子
(画像提供:うれしかインスタグラム)
運営メンバーの皆さんの年代の広さをお聞きしただけで、様々な立場の人がいらっしゃるのが想像できますね。
私は今40代で、中学生2人と2歳の子供がいますが、私の周りだけで人を集めてしまうと、私と同じような人以外、来にくくなっちゃうのかなと思っていて。
なので、運営メンバーを集める時も私が積極的に声をかけたわけじゃないんです。
『うれしか』ができるまで…
そうすると、鈴木さんはいつ頃から地域食堂をオープンすることを考えていて、運営メンバーはどうやって集まっていったのでしょうか。
社会福祉協議会で生活支援コーディネーターをしている小泉さんと一緒に、2年前から『まちなか農園』という地域の方と共同で畑作物を作る活動をしています。そこで知り合った方に、こんなことをやってみたいんですよねって軽く言ったんですよ。 そしたら、「大したことは出来ないけれどご飯作るぐらいなら手伝うわ」って言ってくれて。それから趣旨に賛同してくれた人がさらにお友達を連れてきてくれたりして、徐々に人が集まってきてくれて、うれしかが形になっていったという感じです。
2年前から、鈴木さんの中で『うれしか』の構想はあったということなんですね。
そういう場所があったらいいな、という想いは大体3年前から思っていました。当時は私一人でできるわけないし、そういう活動を誰かがやってくれたらいいなぁ、そしたら私はメンバーとして入りたいなぁというスタンスでいました。その後にまちなか農園の活動をしていく中で、小泉さんも同じような考えを持っているということが分かって、一人ではできないけれど他にも人がいればできるかもしれないと考え始めました。
それとまちなか農園で収穫の時に、ちょうど新型コロナウィルスの影響で収穫祭ができなくなってしまって…。自分たちで収穫して食べるのではなく、認定こども園等の町内の施設に作物を使っていただくことになりました。そうすると、ただお渡しするだけの形になって、せっかく作った作物なのに、ちょっと寂しいなと思って。
その時に「そうだ地域食堂やりたかったんだ!」って思い出して。食堂を運営したら、そういう時の受け皿にもなり得るし、農園で作った作物を地域の人に直接食べてもらえたり、農園に参加している方も自分で作った作物を自分で食べることができてっていう、なんとなく地域内での循環ができるんじゃないかと思って徐々に活動を始めました。
地域の皆さんにむけて…
家庭で果たせなくなった役割を地域で果たしていく、地域みんなの居場所をつくっていく…どれも素敵な考えですね。その考えをどんどん行動にうつしていかれるのが鈴木さんのすごいところだと思いました。
最後に地域の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
地域のみなさん、はじめまして!『かみしほろ地域食堂うれしか』です。私たちは「地域みんなの居場所」を目指して活動を開始しました。コロナ禍の状況がもう少し落ち着いたら、みんなでご飯を調理したり食べたりすることを通して、色々な世代の人と関わることができる場所、お子さんが一人でも来ることができる安全な居場所を作っていきたいと思っています。
食事の提供だけではなく、安心する空間や笑顔あふれる時間をみなさんと作り上げていきたいと思っています。「第三土曜日はうれしかの日」と覚えてもらえたら嬉しいです。
みなさんが来てくれることを運営メンバー全員楽しみにしています!
第1回目の詳細
(画像提供:うれしかインスタグラム)
第三土曜日は第二の実家にふらっと行ける日、まだ知らない町の人と出会えるかもしれない日、町の人が作った野菜を食べれるかもしれない日。うれしかの日は手帳に書いておきたい楽しみな日になりそうです。
初回は新型コロナウィルスの感染状況を考慮して、お弁当の配布となるそうです。お弁当は限定30食!鈴木さんと運営メンバーの想いが詰まったお弁当、ぜひ召し上がってみてはいかがでしょうか。
\うれしかインスタグラム/
かみしほろ地域食堂うれしか
・場所
https://www.instagram.com/ureska.kamishihoro/
ふれあいプラザ調理室 (お弁当配布は機能訓練室)
・開催日時
毎月第三土曜日 12時~(予約不可)※初回のみ4月23日の第四土曜日
・料金
高校生(18歳)以下無料
大人は活動応援として100円程度のお気持ちをいただけると幸いです
※コロナ禍の状況を鑑みて、当分はお弁当配布の予定
(初回は30食限定・予約不可・なくなり次第終了)
※告知はインスタグラムのほかチラシ・ポスターにて掲示予定
食材提供やご寄付など皆さんからの応援でうれしかの活動が続けられます。うれしかの活動へのご協力、心から感謝申し上げます。