より良い人生を送るために心をサポート「〇まる」田岡弘子さん
上士幌町では、起業・第二創業・新規事業展開の促進と支援を目的として、2018年度から「かみしほろ起業塾」を開催しています。
かみしほろホロロジーでは、かみしほろ起業塾の受講を経て、なりわいを自分で創ることに挑戦している方へのインタビューを行い、紹介しています。
今回は、2023年度のかみしほろ起業塾を受講し、2024年9月にメンタルヘルスサポートサロン「〇まる」を開業した、田岡弘子さんにお話を伺いしました。

メンタルヘルスサポートサロン「〇まる」
田岡 弘子さん
|たおか・ひろこ|帯広市生まれ。南富良野町で育ち、小学校6年生のときに上士幌町に転居。高校卒業後は看護師の道に進む。患者さんへの心のケアを大切にし、定年まで看護の仕事に従事。2019年に取得したメンタルトレーナー資格を活かし、多くの人の心をサポートしたいという思いから、上士幌町に2024年9月メンタルヘルスサポートサロン「〇まる」を開業。
メンタルトレーナーは、心の健康を保つサポーター
――「〇まる」の開業、おめでとうございます。田岡さんはメンタルトレーナーとして起業されましたが、そもそもメンタルトレーナーとはどんなお仕事ですか?
個人がかかえるさまざまな心の課題を解決し、夢や目標を実現するためのサポートを行う仕事です。心のありようが人生や仕事に与える影響は大きいものです。メンタルトレーナーは、心の健康を保つためのサポーター役でもありますね。
――カウンセラーとも少し違う感じでしょうか。
カウンセラーは、心に悩みや課題を抱えている人に対して、悩みを解消したり心の健康を回復させる仕事です。
メンタルトレーナーは、カウンセリングと重なる部分もありますが、トレーニングで思考を変えていったり、パフォーマンス向上にもつなげていくところが大きな違いでしょうか。
最近は、プロスポーツ選手などにもメンタルトレーナーが付くことが多いです。例えばメジャーリーグで活躍する大谷選手も、トレーナーが付いていると思います。
――主に精神面をサポートしていくんですね。
そうですね。
例えば、親が心配症だと子どももその影響を受けて心配症に育つことがあります。それによって対人関係がうまくいかなかったり、生きづらさを感じることもありますが、トレーニングでこれを変えていくことができます。
筋肉をつけるためにトレーニングするように、心もトレーニングで変えることができるんです。
――心を軽くするだけでなく、思考をポジティブにもするのですね。
田岡さんはメンタルトレーナーの資格も持っていらっしゃるんですよね。
「北海道メンタルトレーナー協会(EMA)」のトレーナー資格を持っています。
EMAでは「自己責任」「自己肯定」「感謝」という3つの人間力を大切にしていて、これを軸に多くの人たちに役立つトレーニング方法をお伝えしています。

EMAメンタルトレーナーの資格認定証書
心のケアと向き合い続けていた看護師時代
――起業の経緯もお聞きしたいのですが、先になぜメンタルトレーナーの勉強をしようと思ったのか、聞かせていただけますか。
私は小さいころから看護師になりたくて、高校を卒業してからずっと帯広市で看護師の仕事をしていました。
長く仕事をさせていただきましたが、2016年に勤務先の病院でメンタルケアに関する研修があって受講したんです。
そこで「自己責任」「自己肯定」「感謝」の3つの人間力の話を聞きました。
――きっかけはその研修だったのですね。
私は母親が似たような話をいつも聞かせてくれていたので、その話と重ねて聞いていたのですが、同僚たちの多くは初めて聞く話だったようで、私はそのことに驚いたんですよね。
そこでこういう仕事もあるんだなと思いました。
その流れで、EMAが開催しているメンタルトレーナー養成講座があることも知ったので、看護の仕事にも活かせると思って入会と受講を決意したんです。
――なるほど。
実際に受講中に学んだことは、患者さんへの接し方や言葉のかけ方などに役立ちました。
私は看護師の仕事で何が楽しかったかというと、患者さんとの会話なんです。
医師の診察をサポートしたり、患者さんの状態を診たりもしますが、患者さんが私と会話をして笑ってくれることが一番の喜びでした。
また、年齢を重ねていくと、患者さんやご家族の方だけでなく、同僚や後輩からも悩みを相談されたり話を聞く機会も増えていきました。
そんなときにもメンタルトレーナーの勉強はすごく役に立ちました。

患者さんの笑顔が喜びとお話する田岡さん
――もともと人の話を聞くことは好きだったのですか?
はい、そうだったんだと思います。
振り返ると、小児科や精神科、ICU(集中治療室)など、いろいろ担当させていただきましたが、特にICUでは重篤患者の方の生死と直面することが多く、そのころから患者さんやご家族の方などの話をよく聞いていました。
当時から会話を通じて患者さんの気持ちが少しでも和らいでくれることがうれしかったですね。
お話を聞くことで役に立ちたいという気持ちから、緩和ケア(病気に伴う心と体の痛みを和らげること)やターミナルケア(終末期医療)をする病院に在籍していたこともありました。
――ずっと患者さんの心のケアと向き合ってこられたのですね。
はい。その経験から、メンタルトレーナーの資格を活かした仕事ができたらと思うようになりました。
かみしほろ起業塾を受講したことで視界がクリアになっていった
――それが起業にもつながっていくのですね。具体的にはどんなきっかけがあったのですか?
2023年4月に看護師を定年退職し、6月に母親の介護もあって上士幌町に戻ってきました。
それでも仕事はしたかったので、資格を活かした仕事を探していたのですが、なかなか見つからなくて。
そんなとき、新聞の折り込みに「かみしほろ起業塾」のチラシを見つけて「これだ!」と思って申し込みました。
――退職の時点で次は起業と考えていたのですか?
いずれ介護が落ち着いたら自分で開業するのもいいかなと思ってはいましたが、まだ先の話だと考えていました。
でもチラシを見たときに、なぜかピン! ときたんです(笑)。
すぐに起業できなくても、話は聞いてみたいと思いました。それですぐにハレタかみしほろに連絡して「起業塾って何をするんですか? 私でも受講できますか?」って。
――その行動力が素晴らしいですね。実際に受講していかがでしたか?
私は起業のやり方を教えてもらえると思っていたのですが、実際にやったのは事業計画書をつくることでした。
そんなのやったことないし、どうすればいいの? と最初は不安に思いましたが、まずはやってみようと思考を切り替えて、一つひとつ項目を埋めていきました。
やってみると案外書けるもので、起業に向けて何をやっていくかの確認にもつながりました。
計画書を書き上げたころには、自分が起業しているイメージがハッキリ持てるようになりましたね。

自宅の一室を改装した「〇まる」のセッションルーム
――ぼんやりしていた視界がハッキリしてくるわけですね。
はい。
参加した最初のころは本当に起業できると思っていませんでしたが、回数を重ねるうちに頭のなかが整理されていって具体化していきました。
起業イメージがクリアになると、介護が落ち着くのを待つ必要はないなと思うようになって、介護をしながらでもできることはあるんじゃないかと、考え方も変わっていきました。
――それが起業の決断につながったと。
実は自宅に戻るタイミングで部屋を一つ改装していたんですが、よく見ると誰かと会話するのに広さもちょうどいいぞと。
もしかして起業するなら今? と思って、もうここでやろうと思いました(笑)。
――まさにタイミングだったのですね(笑)。
私の場合、もともとお金を稼ごうという動機はなくて、ボランティアでもいいから誰かの悩みを聞いたり相談を受けられたらいいなと思っていたので、実際に起業するとなったときにはうれしい気持ちと驚きの両方がありました。
町の皆さんが楽しく幸せな人生を送るために貢献したい
――ところで「〇まる」の由来は何でしょうか?
事業計画書に会社名を書く欄があったのですが、すぐに決められないので、とりあえず「〇〇〇」と入れておいたんです。
でもあるときにふと「あれ?『〇』でいいんじゃない?」ってピン! ときて。
――ここでもピン! と。
「〇」って覚えやすいし、いろんな意味がありますよね。
ご縁(円)だったり、つながる輪(円)だったり。優しさや柔らかさも感じますし、ありのままの自分でもいいんだよ(〇)というメッセージにもなると思ったんです。

この看板が目印です
――私は「小さくても大きくても〇」という意味もあるのがいいな、と思いました。
EMAの考え方に「良いも悪いもない」というのもあって。その価値観も「〇」に込められるとも思いました。
また、メンタルヘルスというと、まだまだ重かったりネガティブなイメージがあると思いますが、私はもっと気軽に話したいことを話せる場所をつくりたいんです。欧米などはすごく進んでいて、メンタルヘルスやカウンセリングは生活の身近なところにあるんですよね。
――確かに、欧米に比べると日本ではこの分野は遅れているイメージがあります。
人生を歩んでいると、いろんな悩みと対面します。子育て世代には子育て世代の、介護世代には介護世代の悩みがありますし、職場の人間関係だったり進路の悩みもあるでしょう。
生きていれば思いがけないことが突然起きたりもしますし、それで気持ちや感情が乱れることもあります。
でも、どんなときでも思考をポジティブにできれば乗り越えられると思いますし、幸せな人生につながると思います。
――素晴らしい思いですね。ぜひこれから頑張ってください。
ありがとうございます。軌道に乗るには時間がかかると思いますが、上士幌町の皆さんが楽しく幸せな人生を送るために、小さなことでも「〇まる」に話してもらえるような存在になりたいと思っています。
周りで起きる出来事やかかわる人たちへの感謝を忘れずに、これから活動していきたいと思います。

イキイキとした笑顔が印象的でした
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看護師時代に積み重ねてきた経験も含めて、今につながっていたのではないかと思えるほど、田岡さんは一貫して人の心と向き合ってきました。
田岡さんは「どんな出来事も心の成長につながる」と考えています。その信念があるからこそ、多くの人に寄り添い、支え続けてきたのだと思います。
これからはその力と経験を、上士幌町で役立てていくことでしょう。田岡さんの新たなチャレンジを応援します。
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スマホロ通信第27号(2024年10月 発行)
スマホロ通信第27号ではスマートウォッチについて説明をしています。

裏面ではスマホ教室のレポートを掲載しています。

おいしいもので、つくり手と食べ手をつなぎたい「teto teto」渥美俊介さん
上士幌町では、起業・第二創業・新規事業展開の促進と支援を目的として、2018年度から「かみしほろ起業塾」を開催しています。
かみしほろホロロジーでは、かみしほろ起業塾の受講を経て、なりわいを自分で創ることに挑戦している方へのインタビューを行い、紹介しています。
今回は、2022年度のかみしほろ起業塾を受講し、「teto teto(テトテト)」の屋号で活動している渥美俊介さんにお話を聞きました。

teto teto(テトテト)
渥美 俊介さん
|あつみ・しゅんすけ|静岡県浜松市出身。家族の影響で食に関心を持ち、小学生のころからお菓子づくりをはじめる。2022年2月上士幌町に移住。町民と触れ合うなかで好きなことを仕事にしたいと思い、「かみしほろ起業塾」を受講。イベント出店を中心にお菓子や惣菜を提供している。
「好きなことが仕事にできたらいいな」
――まずは「teto teto」について教えてください。
現在は、上士幌町内や十勝管内を中心に、イベントなどでお菓子やお惣菜の販売を行っています。
初めて出品したのは2022年6月で、ハレタかみしほろ(まちづくり会社が運営する施設。以下、ハレタ)で開催した「手づくりおやつカフェ」でした。それからハレタのイベントには定期的に出品するようになって、2023年には士幌町や帯広市、上川町など町外にも出品する機会が増えました。
上士幌町内では、主にハレタでほぼ月1~2回のペースでおやつカフェへのお菓子の出品とお惣菜ランチのイベントを実施しています。
――もともと食がお好きだったのですか?
小学生のころから家でお菓子をつくっていました。3歳上に姉がいるのですが、姉がよくお菓子をつくっていたんです。その姿を見て自分もやってみたいと思って始めたんですよね。
母だけでなく父も料理をする人でしたし、家族みんな食べることが好きだったんです。そんな環境で育ったことも影響していると思います。

町の皆さんとの触れ合いがteto tetoを始めるきっかけとなったとお話される渥美さん
――では「teto teto」を始めようと思ったきっかけは?
町の皆さんとの触れ合いが一つのきっかけになりました。
私は、2022年2月に静岡県浜松市から上士幌町に移住してきました。妻が地域おこし協力隊としてまちづくり会社で働き始めたので、ハレタのイベントにもよく来ていたんです。
そこでたくさんの町民の方たちが、自分の好きなことや得意なことを活かしていろんな活動をしている皆さんの姿を見ていて「自分も好きなことが仕事にできたらいいな」と考えるようになりました。
――町の皆さんの活動に刺激を受けたのですね。
はい。もう一つは生活をしているなかで、スーパーが閉店すると食の選択肢が少なくなると感じたこともあります。
都会のように遅い時間までスーパーが開いていないので、例えばお仕事帰りの一人暮らしの人たちなどは、夜が遅くなるとコンビニか外食しか選択肢がない。
もしもここに自分が提供するお惣菜という選択肢を増やしたら、町の皆さんも喜んでくださるんじゃないかと思いました。
「かみしほろ起業塾」を受講したことで起業へのステップが可視化できた
――なるほど。具体的に考え始めたのはいつごろですか?
2022年10月に「かみしほろ起業塾」を受講したことが、大きなきっかけになりました。
移住前に上士幌町のオンライン移住セミナーに参加していて、そこでかみしほろ起業塾を経て起業した方の話を聞いていたんです。それで起業塾のことは知っていました。
ただこのときは「起業したい」という強い意志を持っていたわけではありません。
――そうなのですね。
もともと食べることや料理は好きでしたが、それを仕事にしようとは思っていませんでした。それが町の人たちと触れ合っているうちに、もしかしたらできるんじゃないかと思うようになった。ただ、具体的に何をすればいいかわからない。それでハレタのスタッフさんにも相談したら「起業塾に参加することで、直接起業に結びつかなくても、渥美さんが考えていることが少しでも整理できたり具体化できるかもしれない」と言われて、それならやってみようかなと思いました。
――前に進むきっかけになると思ったんですね。
起業塾と名前がついているから、志の高い人が集まっているんじゃないかと躊躇していたのですが、その言葉で気持ちが楽になりました。

人気の濃厚チーズタルト
――実際に受講してみていかがでしたか?
その気になれば起業できる、という自信が得られました。
かみしほろ起業塾では事業計画書を書き上げていくのですが、その過程で商品やサービスの内容を見直したり、売上・原価について学んだりします。また融資の話なども入ってきて、起業に向けてのステップを一つずつ踏んでいくという感じなんです。
年間の事業計画を立てて、どんな手順を踏めば進んでいくかが可視化できるので、次はこうすればいいということがわかってきました。
――やるべきことが可視化されていくのはいいですね。
はい。それを一つひとつ進めていくことで、起業に対する不安もなくなっていきましたね。間違いなく「teto teto」をスタートさせる起点になりました。
かみしほろ起業塾の先輩にクラフトキッチンを開業した齊藤肇さんがいらっしゃったことも大きかったです。齊藤さんの講演を聞く機会もあったのですが、同じ食というカテゴリーで起業されて夢を語られる姿に刺激を受けました。
――先輩がいらっしゃるのは心強いですよね。ところで「teto teto」には、どんな意味が込められているのですか?
「おいしいものでつくり手と食べ手をつなぐ」という思いを込めています。
僕は尖ったものをつくって提供しようという気持ちは全くなくて、丁寧につくったものを届けたいんです。それで食べる人の気持ちが和らいだり、笑顔になったりすれば嬉しいですね。おいしいもので作り手の僕と食べ手がつながる瞬間ですね。
お菓子のパッケージに貼っているロゴは、実際に自分がつくったお菓子やお惣菜を食べてくれた知り合いのアーティストに製作をお願いしました。
最低限の要望しか伝えていなかったのに、こちらの思いとイメージがすごく合っていて、とても嬉しく思いました。
――優しさや愛情を感じる、素敵なロゴですね。
ありがとうございます。

つくり手の優しさと温かさを感じる「teto teto」のロゴ2種類
十勝の景観に衝撃!移住するならここと決断
――ここで少し渥美さんについても伺いたいのですが、そもそも上士幌町に移住しようと思ったきっかけは何だったのですか?
もともとは旅行が好きで、訪れた土地の景色や食べ物を楽しんでいました。生まれも育ちも静岡県で、山や海が近くて自然に触れ合うことも好きでした。
2016年に結婚して浜松に住んでいたのですが、妻も食べることや自然が好きで、二人で旅行に出かけた際に「いつか移住してみたいね」という話をよくしていました。浜松もよい土地なのですが、住んでいたのは街中だったので、もっと自然に囲まれた土地で暮らしたいと思っていました。
――なるほど。
そしてもし本当に移住するなら静岡県と全く違うところにしようと思っていました。となると本州ではなく、北海道かなとなって。
旅行では札幌や旭川などの、どちらかというと観光地と言われるところにしか行ったことがなかったので、居住地として北海道内で、どこか良いところがないかと調べました。
そこで、十勝というエリアがおもしろそうだねという話になって、まずは行ってみようと思って旅行に来ました。それが2021年8月です。
そしたら衝撃を受けてしまって。
――それは、どんな?
「日本にこんな場所があるのか!」と感動したんです。どこまでも続く平野、高くて青い空、来る前に見ていた写真や映像のままの景色が広がっていて、とにかくすごい! とずっと興奮していました(笑)。

帯広市で開催される「十勝ファーマーズマーケット」にも出店
――私も初めて十勝に来たときは同じことを思いました。
まだコロナ過だったので制限もあったのですが、宿泊先のホテルで従業員の方が気さくに話しかけてくれたり、出会う人たちがみんな優しくて、十勝っていいところだなってすぐに好きになりました。
――優しい人が多いですよね。
それで移住するなら十勝がいいなって思うようになって。
そのなかで上士幌町の移住セミナーにも参加して、まちづくり会社の仕事があると知ったんです。
妻がその仕事に興味を持って応募したら採用されて、それであれよあれよという間に気がついたら上士幌町で暮らしていました(笑)。
――夏に初めて十勝を訪れて半年後には上士幌町にいたと(笑)。
そうです。勢いもありましたね(笑)。
僕は浜松では建設会社で設計の仕事をしていたのですが、移住を機に生活を変えたくて、半年間くらいは何もせずにのんびりしようと決めていました。
生活を始めてから町の人たちと出会って、触れ合っているうちに自分が好きだった食で何かできるんじゃないかと思って、かみしほろ起業塾を受講した…そんな経緯ですね。
――いろいろつながりました。ありがとうございます。
おいしいもので人がつながる場所をつくりたい
――では今後の目標をお聞かせください。
おいしいものを多くの皆さんに提供したいのはもちろんですが、その先にある食のコミュニティをつくりたいと思っています。おいしいもので人がつながる場所をつくりたいですね。
それはつくり手と食べ手をつなぐ「teto teto」の理念にもつながるものです。
――食のコミュニティ、いいですね。
おいしいものは人を笑顔にしますよね。
先ほど料理好きの家族の存在が食に興味を持ったきっかけだったとお話をしましたが、実家の家族で外食をしたことがほとんどないんです。
父も母も料理をする人で、おいしいものは自分たちでつくることが当たり前という環境でした。
それで自分も料理をつくって家族にふるまうと喜んでくれた、そのうれしさが原体験にあると思います。
妻の家族にも料理やお菓子をつくりますし、それで喜んでもらえることが本当にうれしいんです。
その輪を広げてきたいと思っています。

一つひとつの作業に思いを込めています
――素晴らしいです。
今、やっと肩の力が抜けてきたんです。
「teto teto」を始めたころは仕込みをしただけでグッタリしてしまって。今だから言えますが、最初の頃は余裕がなくて、お客様の顔がちゃんと見えていませんでした。
それが最近はお客様の顔をしっかり見て会話もできるようになりました。
お客様の「おいしかったよ」という声や、リピーターの方が増えていることが、何よりも僕の力にもなっています。
――やはりお客様の声が一番うれしいですよね。
本当にありがたいです。
あとは、いずれは店舗を持ちたいとも思います。今はイベント中心ですが、実際にやってみることで売上と原価の関係や、お客様の反応などもわかってきました。
まずは食品加工センターで菓子製造業許可の申請を行い、製造の資格を取りました。飲食店営業許可も取れば店舗で食べてもらうこともできます。
かみしほろ起業塾で学んだことが少しずつ具現化してきていると思いますので、一歩ずつ、一歩ずつ、できることを広げていきたいと考えています。
――ありがとうございました。これからも応援しています。
ありがとうございます。急がず、慌てず、自分のペースで進んでいきたいと思います。
渥美さんからは、食に対する思いと誠実なお人柄が伝わってきました。そんな渥美さんは、食の宝庫である十勝に導かれてきたのかもしれません。
食は、「人を良くする」と書きます。おいしいものを食べると誰もが笑顔になり、心が豊かになります。渥美さんのつくったもので、そんな輪が大きく広がっていくといいなと思いました。
「teto teto」はインスタグラムや公式ラインで情報を発信しています。出店情報や詳細メニューも発信中です。フォロー、お友達登録をお願いいたします!
\ teto teto /
スマホロ通信第26号(2024年9月 発行)
スマホロ通信第26号ではスマートフォンを長く使うためのポイントについて説明をしています。

裏面ではスマホロに職場体験をしに来た高校生の1日の活動を掲載しています。

スマホロ通信第25号(2024年8月 発行)
スマホロ通信第25号ではLINEで受信した写真の保存方法について説明をしています。

裏面では7月に開催した「SDGsポイント説明会」のレポートを掲載しています。

女性たちが美しく輝くためのサポートがしたい!「さくらフェイス」加藤 康恵さん
上士幌町では、起業・第二創業・新規事業展開の促進と支援を目的として、2018年度から『かみしほろ起業塾』を開催しています。
かみしほろホロロジーでは、かみしほろ起業塾の受講を経て、なりわいを自分で創ることに挑戦している方へのインタビューを行い、ご紹介しています。
今回は、2023年度のかみしほろ起業塾を受講し、2024年6月にエステサロン「さくらフェイス」をオープンした加藤康恵さんにお話を聞きました。

エステサロン「さくらフェイス」
加藤 康恵さん
|かとう・やすえ|上士幌町出身。高校卒業後、旭川市の看護専門学校へ進学し、卒業後は旭川市内のクリニックで看護師として勤務。看護業務に従事する一方で、興味を持っていたエステの技術を学ぶ。2022年の結婚を機に十勝に戻り、エステで開業を考えていたタイミングで起業塾を受講。2024年6月、上士幌町内にエステサロン「さくらフェイス」をオープン。現在は幕別町在住。
「やりたい!」のきっかけは、同僚の笑顔
――「さくらフェイス」オープンおめでとうございます! 上士幌町で初のエステサロンですね。
ありがとうございます。女性たちの心身をサポートしたいという思いで開業しました。忙しい女性たちの癒やしの場になれるよう、また皆さんがいつまでも美しく輝く存在であり続けるためのお手伝いができればと思っています。
「自分史上、最高の笑顔へ」をコンセプトに、店名の「さくらフェイス」には、「女性がサクラのように華やかで美しくなるように」との願いを込めました。
――素敵な思いですね。開業したいと思ったきっかけは何だったのですか?
順を追って話すと、まず私自身が、20代のころから仕事終わりなどにエステに通っていました。エステに行くと、とても癒やされて身も心もリフレッシュするんです。いくつかのお店に通っていたのですが、お店によって施術の仕方や効果も違うんですよね。それで、なぜだろうって徐々に興味がわいてきました。
やがて自分でもやってみたいと思うようになって、講習を受けたりして勉強を始めました。そうしたら当時勤めていたクリニックに、フェイシャルエステマシンがあることを知ったんです。

女性たちが美しくなるためのサポートをします
――エステマシンが?
クリニックの先生の奥様が購入していたものでしたが、あまり使っていなかったそうなんです。それで私がエステの勉強をしていると知っていた同僚から「勉強しているならちょっとやってよ」とお願いされて、仕事終わりにやってあげたんです。そしたらほかの同僚からもお願いされるようになって。顔がすっきりしたり、中には減量につながった同僚もいて、みんなすごく喜んでくれたんですよね。
それが私もうれしくて、女性の美をサポートするエステって楽しいなと思うようになりました。
――なるほど。
その後、結婚して十勝に戻ってきたのですが、仕事をどうしようかと考えているときに、同僚の笑顔を思い出して「エステサロンをやりたい!」と思ったんです。
そんなタイミングで、かみしほろ起業塾を知りました。
「これだ!」と直感して、かみしほろ起業塾を受講
――現在は幕別町在住ですよね。どうして、かみしほろ起業塾の存在を知ったのでしょう?
実家が上士幌町なのですが、あるとき両親に「いつかエステサロンをやってみたい」と話したら「裏にある祖父母の家が空いているから、何かするなら使っていいよ」と言われたんです。
それから時々、掃除をしたり荷物を片付けに来ていました。何年も使っていなかった家なので、これがけっこう大変で。そんなときに「まちジョブハレタ」というサービスがあると聞いて、話を聞きにハレタに行ったんです。
そうしたらたまたま掲示してあった、かみしほろ起業塾のチラシが目に留まって、見た瞬間「これだ!」って直感しました。それでハレタのスタッフさんに「受けたい!」と伝えました。
――ピン! と感じたんですね。
はい。
実は、その日は申し込みの締め切り日を過ぎていたんですけど、「どうしても受けたいんです!」とお願いしたら、すぐに申し込みの書類を書いてほしいと言われて。
その日偶然にハレタに行っていなかったら、かみしほろ起業塾のことは知らずに終わっていました。あとから何かに導かれていたのかもと思ったくらいです(笑)。わがままを聞いてくれたスタッフさんには感謝しています。
――加藤さんの熱意が伝わったのでしょうね。
ありがたいです。
エステをやりたいと思ってから、お店の理念や内装のイメージ、どれくらい売上があればやっていけそうとか、お客様を集めるにはここに広告を出そうとか、考えてまとめていたものがあるんです。
それが頭のなかにあったので、申し込み書類もそれになぞってその場で書きました。
――すごい。ずっとイメージを持っていたのですね。
両親が、家を使うのに家賃はいらないと言ってくれたんです。幕別や帯広でお店をやろうと思ったら家賃がかかるし、それがないなら通いにはなるけど上士幌でやれるかもって思いました。3面が窓で日当たりがよい部屋があって、この部屋を施術スペースにすればお客様もリラックスしてくれると感じて、それから具体的に考えるようになりました。

お客様一人ひとりと向き合い、カウンセリングも行います
――かみしほろ起業塾でその具体的なイメージをさらに事業計画書として形にした、という感じでしょうか?
そうですね。
講座は全部で5回あって、講師の先生から初回に講義を受けた後、基本は自分自身で計画書を完成させるというプログラムだったんですけど…
具体的なイメージがあっても数値として計画書におとしこむのは、結構難しくて。
講師の先生に本当にたくさんの質問をさせていただきました。
――それだけ本気だったということですね。
私は思いを伝えていただけなので、先生は大変だったかもしれません。
あとでスタッフさんから「こんなに先生に質問したのは加藤さんが初めて」と言われましたし(笑)。
1つ1つの質問に丁寧に応えてくださった講師の先生には、今でも感謝が尽きないですね。
最終回では、そうやって完成させた事業計画書を基にプレゼンテーションをしました。
人前で自分が何かを発表するなんて、これまで経験したことがなかったので、めちゃくちゃ緊張したことだけ覚えています。
※加藤さんが受講したかみしほろ起業塾についての記事はコチラからご覧いただけます。
――ちなみに、ご主人は起業に際して何かおっしゃられていましたか?
せっかく十勝に戻ってきたのだから、好きなことをやりなよと言ってくれました。
背中を押してくれて、うれしかったですね。
お客様がきれいになっていくのが喜び
――施術スペースは落ち着ける空間ですね。
白を基調に清潔感のある場所にしたいと思っていました。あとは癒やしのスペースになるので、緑を使いたいなとか、そんなふうに考えてイメージしていました。

施術スペース。日当たりがよくて、とても明るい!
――告知はどのように?
まずはチラシをつくって配布しました。あとは十勝毎日新聞にも取材をしていただきました。新聞は記事が出たらすぐに問い合わせがありましたね。そのほか地域の情報誌などにも掲載していただきました。
――お客様の反応はいかがですか?
むくみがとれたりすると皆さん喜んでくださいます。
お客様は30~40代が多いですが、70代の方もいます。
――ところで、エステの楽しさって何でしょうか?
お客様がきれいになって、喜んでいただけることが何よりうれしいです。施術前と後では結果が目に見えてわかるので、見た目で効果を感じていただけるのもうれしいです。私は施術しながらお客様の変化を感じるんですよ。あごのラインがすっきりしてきたなとか、目元がぱっちりしてきたなとか、変わっていく様子がわかるんです。それも楽しいですね。
ワクワクすることをすれば、うまくいく!
――これからこのサロンをどう育てていきたいですか?
まずは皆さんに気軽に来ていただけるお店にしたいです。お客様が癒やされて、エネルギーを充電していただける場所にしていきたい。
女性が輝くと、仕事や家庭も円満になると思うんです。
そうなれば家族やお子さんも幸せですよね。
その幸せが広がると地域ももっと盛り上がると思います。
生まれ育った上士幌町で開業したからには、まちに対しても貢献できたらと思っています。
――素晴らしいお気持ちです。では、上士幌町で何かにチャレンジしたい人に言葉をいただけるなら?
私は直感で動くタイプなんですけど、直感は大事な気がします。自分の気持ちに素直になって、ワクワクすると感じることをすれば結果的にうまくいくと思うんです。自分がワクワクしていないと続かないし、自分の心が満足しないと思います。

これからの事業について楽しそうに語る加藤さん
――ワクワクする。大事なポイントかもしれません。
もし自分が、何に対してワクワクするかわからないという場合は、まずは行動することだと思います。自分が動いてこそ、良い出会いがあると思うんです。どうしても頭で考えすぎてしまう人もいるかもしれませんが、何でもやってみないとわからないし、行動すれば自分が好きなものや心が動くものに出会っていくと思います。
――私も何かやってみたくなりました。今日はありがとうございました。
皆さんにも充実した人生を歩んでいただきたいです。私自身も、後悔のないように生きていきたいと思います。これから頑張ります!
=============
バイタリティあふれる加藤さんは、人を元気にする力を持っている方だと思いました。質問に対して一つひとつの言葉をうれしそうに語る加藤さんから、たくさんのエネルギーをもらったように思います。
好きなことをとことん勉強し、地域の皆さんのお役に立ちたいという思いを持ち、店舗経営にチャレンジする加藤さん。
その大きな挑戦を、これからも応援していきたいと思います。
【エステサロン「さくらフェイス」】
河東郡上士幌町字上士幌東3線239番地(ホシ山崎薬局裏)
営業時間9時〜17時(土曜PM・日曜定休)

エステサロン「さくらフェイス」は、この看板が目印です!
TEXT:コジマノリユキ
2018年4月より上士幌町在住のライター。1976年生まれ、新潟県出身。普段は社内報の制作ディレクターとしてリモートワークをしています。写真も撮ります。マイブームはけん玉。モットーは「シンプルに生きる」。
「ハレたね企画」インタビューVol.1「和菓子てるる堂」佐々木あすかさん
ハレタかみしほろ(以下、ハレタ)では、町民の皆さんの趣味や特技を活かしたチャレンジを応援する「ハレたね企画」を実施しています。
中でも人気が高いのが、町民の手づくりおやつを提供する「ハレタ手づくりおやつカフェ」。
今回はこのイベントに和菓子を出品し、またそれ以外でもチャリティーカフェにチャレンジする「和菓子てるる堂」の佐々木あすかさんを紹介します。

和菓子てるる堂
佐々木 あすかさん
|ささき・あすか|東京都出身。2016年に家族とともに上士幌町に移住。和菓子が好きで、子育てをしながら本格的に和菓子づくりを勉強。「ハレタ手づくりおやつカフェ」などのイベントに出品している。また「チャリティーカフェ&お話し会」を開催するなど「ハレたね企画」にチャレンジしている。2児の母。
講座で学び、ハレたね企画にチャレンジ!
――「ハレたね企画」にチャレンジしようと思ったきっかけを教えてください。
ハレタのイベントに参加したときに、スタッフの方から声をかけられたんです。抹茶を楽しめるイベントで、そこで出されていた和菓子が私の知っている銘柄だったんですよね。
それで「どうして知っているんですか?」と聞かれて、実は和菓子に興味があって勉強していますと話したら、「いつか出品してくれるとうれしい」と言われて、それが最初のきっかけでした。
――すぐにやってみようと思ったのですか?
いえ、そのときは第二子の出産を控えていた時期でしたので、実際にチャレンジしたのは出産後です。
もともと趣味で和菓子はつくっていたのですが、やってみようと思えるまでには時間がかかりました。
でもせっかく声をかけていただいたので、やるならしっかりやりたいと思って、出産して育休に入ったタイミングで通信教育講座を受講しました。半年間で和菓子を学べるコースがあったんです。
――趣味から一歩進んで学ばれたのですね。すごいですね。
趣味でやっていただけなので、誰かに提供するには自信がなかったこともあります。これも良い機会ととらえて、学ぶなら今しかない! と思いました。

インタビューに応える佐々木さん
――和菓子はもともと好きだったのですか?
子どものころはそうでもなかったのですが、大人になってから、あるときお饅頭を食べたらおいしいなって思って(笑)。実はバターがちょっと苦手で、それで和菓子に惹かれていったのかもしれません。
――和菓子づくりはいつごろから?
上士幌町に来てからです。
出産や育休で、家で過ごす時間が増えたこともあって、やってみようかなと。あと十勝は和菓子屋さんが少ないなと思っていたので、それも自分でつくってみようと思ったきっかけですね。
あんこを炊いて、自分の好きな甘さにしてつくったのが始まりでした。
不安と緊張の中、 初出品でどら焼き100個完売‼
――初めての出品はいつですか?
2021年11月に開催した鈴木書店さん(※)のブックカフェです。
どら焼きを100個提供しました。
※ハレたね企画チャレンジャー。詳細は以下のリンクからご覧ください。
――100個! 実際につくるのは大変ですよね?
すごく大変でした。あんこを炊いて皮を焼いて包んで……確か2日かけてつくりました。あんこを炊く日と皮を作って包む日とに分けて……
とにかく疲れた記憶しかありません(笑)。
――丁寧に準備されたのですね。当日は接客もしたのですか?
やりました。これも初体験で、本当に売れるのかな? 食べていただけるのかな? と、不安と緊張でいっぱいでした。
スタッフさんは「絶対に売れる!」と言ってくれていたんですけど、やっぱりずっと半信半疑で。でも皆さんが買ってくださって、完売したんです。信じられないくらいうれしかったです。
――それはうれしいですね。
食べてくださった皆さんが「おいしい」と言ってくださったことで、達成感も感じました。

どら焼き製作中
――ちなみに、なぜどら焼きにしたのですか?
通信教育講座でもつくったことと、誰もが知っていて馴染みのあるお菓子なので、最初につくるにはよいかなと思いました。
――ほかに大変だったことはありますか?
価格設定ですね。
売れる自信がなかったので、買っていただけるなら1個100円でいいと思っていたんです。でもそれでは駄目とハレタのスタッフさんに怒られまして。材料原価もそうですが、イベントの人件費やお菓子をつくる施設の使用経費なども含めてきちんと利益が出るように設定してくださいと。
最終的にはスタッフさんと相談して決めましたが、最後まで厳しかったです(笑)。
夏はあんみつ、秋はカボチャあんのどら焼き
――それからは定期的に出品していったのですか?
そうですね。2022年1月が2回目で、このときはぜんざいを提供しました。そのあともヨモギ団子や水ようかん、6月には水無月を出したり、秋にカボチャあんこのどら焼きをつくるなど、季節によっても変えて、新しいものにもチャレンジしてきました。

夏越(なごし)の祓(はらえ)として残り半年の無病息災を祈願して6月に食べる水無月(みなづき)
――提供する和菓子はどのように決めているのですか?
基本的には自分が食べたいと思うものをつくっているんです。例えば夏ならあんみつが食べたいな、とか。それで試作をして「いやこれは難しすぎる…!」と、現実を知ることもあります(笑)。
でもかたちになるとレシピが増えていくので、それは自分にとってもうれしいですね。
――新しいことに挑戦されている姿勢は素晴らしいです。
ありがとうございます。
でも新しいものに挑戦するたびに難しさを感じています。
提供できるレベルにすることもそうですが、販売するとなると個数も必要になります。毎回必ず試作はするのですけど、事前に3回は試作しています。販売個数や、つくってから提供するまでの時間も考えたりするので、いろいろとバランスを探るのが難しいですね。
――難しいと言いながら、その難しさを楽しんでいらっしゃる様子がありますよ。
そうですか(笑)。
――向上心がありますよね。
単純に和菓子が好きなんでしょうね。
例えば、全国を見ればいろいろな和菓子がありますよね。でも食べてみたいけど買いに行けないしな、じゃあ自分でつくってみるか、みたいな。
あとは毎回のように買ってくださる方もいらっしゃって、うれしい気持ちがありますし、「おいしかった」という言葉は継続するモチベーションにもなっていると思います。
チャリティーイベントも開催
――もう一つ聞きたいのが、チャリティーカフェについてです。これはどんなきっかけで始まったのですか?
もともとは、おやつカフェの利益を犬猫の保護団体に寄付していたんです。そうしていたら、自分でチャリティーのイベントをやってみてもいいかなと思いはじめて。そんなときにたまたま、動物病院の方もイベントを考えているということをハレタのスタッフさんから聞いて。
じゃあ一緒に何かやってみようというところから始まりました。
――どんなイベントなのですか?
動物病院の方が犬猫の飼育や介護など、毎回テーマを設けてお話し会をされるんです。
私はその時間内でカフェを開いて和菓子とドリンクを提供しています。イベントには募金箱を設置していて、カフェの利益と募金していただいた分をまとめて団体に寄付しています。
これまでに6回開催しました。

チャリティーイベントのチラシも佐々木さんがつくったのだそう
――犬猫の保護にも興味があるのですか?
はい、自宅でも犬猫を飼っているので何かできればと思って。東京から一緒に連れてきた雌のフレンチ・ブルドッグもいて、「和菓子てるる堂」は彼女の名前「てるる」からとっているんです。
――このイベントは今後も継続的にチャレンジしていくのですか?
ひとまず6回でひと区切りにはなったんですけど、私としてはこのイベントに限らず、お菓子の販売利益はこれからも寄付していこうと思っているので、もしかしたらかたちを変えて何かするかもしれないです。とはいえ、まだ何も決めてはいないのですが。
不安はあっても、まずはやってみよう!
――ところで、和菓子の魅力って何でしょう?
一つは季節感ですかね。コンビニで売っている和菓子スイーツをみても、季節を感じますよね。洋菓子でも季節を意識したものがありますが、和菓子はそれがより分かりやすいと思います。
あと、例えばあんこをとっても、豆を変えるとあんこの味が変わりますし、炊き方を変えてもできたものに違いが出ます。
そういうところもおもしろいと思います。
――これからチャレンジしたいことはありますか?
いつか自分で菓子製造業許可資格を取って、出品の機会や場を増やしていきたいと思っています。
ただ、費用面など検討しなければならないこともたくさんあるので、長い目で考えていきたいと思います。
――最後に、自分も何かやってみたいと思っている町民の皆さんに一言いただけますか。
私が何か言うのもおこがましいのですが、まずはやってみるのがよいと思います。やることで気づくことや得るものはたくさんあります。
私も最初は不安しかありませんでしたが、ハレタのスタッフさんがちゃんと助けてくれますよ!

インタビュー中、何度も笑顔がこぼれていました
「最初は不安しかなかった」と言いながらも、毎回新しいことにチャレンジしている佐々木さん。その向上心と学ぶ姿勢には頭が下がる思いです。
そのお話しから「和菓子が好き」という思いとともに、「多くの皆さんに喜んでほしい」という気持ちが伝わってきました。最近は道の駅や帯広市のイベントにも挑戦し、活動の幅が広がっているそうです。
「和菓子てるる堂」は、インスタグラムで情報を発信しています。気になった方はぜひ、フォローをお願いします!
\ 和菓子てるる堂 /
「ハレたね企画」では、自分の趣味や特技を活かしてイベントにチャレンジしたい! という方を募集しています。興味のある方はこちらまでお問い合わせください。
【お問い合わせ先】
㈱生涯活躍のまちかみしほろ(ハレタかみしほろ内)
TEL:01564-7-7630
E-mail:info@kamishihoro-town.com
担当:渥美(あつみ)
TEXT:コジマノリユキ
2018年4月より上士幌町在住のライター。1976年生まれ、新潟県出身。普段は社内報の制作ディレクターとしてリモートワークをしています。写真も撮ります。マイブームはけん玉。モットーは「シンプルに生きる」。
スマホロ通信第24号(2024年7月 発行)
スマホロ通信第24号では検索機能の使い方について説明をしていま
す。

裏面では6月に開催した「グループLINE教室」のレポートを掲載し
ています。

スマホロ通信第23号(2024年6月 発行)
スマホロ通信第23号ではバルーンスタンプアプリの紹介をしています。

裏面では5月に開催した「グループLINE教室」のレポートを掲載しています。

スマホロ通信第22号(2024年5月 発行)
スマホロ通信第22号ではスマホの料金の仕組みについて簡単に説明しています。

裏面では4月に開催した「春のフォトウォーク」のレポートを掲載しています。

スマホロ通信第21号(2024年4月 発行)
スマホロ通信第21号ではグループ向け出張窓口のご案内をしています。

裏面では2月に開催した「防犯教室」のレポートを掲載しています。

可能性の種が育つ土壌-2023年度ハレタかみしほろ活用状況-
自分だけの趣味や特技を周りの人に向けて表現し、それが誰かの喜びにつながることで、チャレンジした町民の皆さんが持っている「可能性の種」が育つハレたね企画。
まちづくり会社では、町民の皆さんが持つ種が育つ土壌として、ハレタかみしほろを活用した様々な事業を推進しています。
2023年度、ハレタかみしほろでどんな種が蒔かれ、どんな場ができたのか、1年を振り返ります。
▷ハレたね企画担当者インタビューはこちらから
アクティブシニアの皆さんが野菜を通じて集う場
「あー笑った笑った」「年ばっかとってどうしようもないねぇ(笑)」「この間○○さんがもってきてくれたお土産が美味しくてさ…」
2023年度の火曜日は、ハレタかみしほろにたくさんのおしゃべりと笑い声が響いている日が多かったと思います。
町内のシニア女性がグループで自家栽培のお野菜を販売する「かあちゃんばあちゃん野菜市」が開催されていたからです。

かあちゃんばあちゃん野菜市
野菜を販売する。購入する。
そのやりとりの中で、野菜の保存方法やレシピ、最近の身体の具合、共通の知り合いの話など、たくさんのコミュニケーションが交わされます。お客さんも老若男女、さまざまな方が来場されます。
常連のお客さんである3歳になる女の子からメンバーの皆さんに、似顔絵付きのお手紙が届けられたこともありました。

かわいいイラスト付きの手紙に笑みがこぼれる
美味しくて新鮮な野菜が購入できるからという理由だけでなく、「かあちゃんばあちゃん野菜市のメンバーとお話していると元気が出る」そんな気持ちで来場してくださる方が多くいらっしゃったようです。いつの間にか小さな多世代交流が少しずつ生まれる場になっていました。
これからの自分の道を模索する若者たちが町民の皆さんとコミュニケーションをとる場
まちづくり会社では、日本全国の若者が上士幌町に1ヵ月間滞在して、遊ぶ、学ぶ、働く体験をするマイミチプロジェクトも行っています。
▷マイミチプロジェクトについてはこちらから
2023年度も2期にわたって合計10人の若者たちが、上士幌町で過ごしました。
その1ヵ月の中で働くプログラムの一環として、ハレタかみしほろで開催されるのがIBASYOバーです。

IBASYOバー
また、上士幌町でJICA海外協力隊のグローカルプログラム※が実施され、その参加メンバーもIBASYOバーを開催してくれました。
※JICAグローカルプログラムとは…JICA海外協力隊が海外に派遣される前に、地域活性化に取組むプログラム
プログラム中に出会った町民から、その方のお知り合いの方などが多数来場されて、つながりが少しづつひろがり、上士幌町民と若者たちとの結びつきが深くなっていく。
一日限りの開催でも参加者と、町民の皆さんにとって貴重なコミュニケーションの場となったようでした。

町民の方と自然に会話がはずむ
「皆で目指したい社会」に向かって啓蒙を行う場
ハレタでイベントの開催にチャレンジした町民の中には、自分の趣味や特技が周りの人の喜びにつながるという体験のその先に、自分が実現したいと思う社会への想いを描いている方もいらっしゃいます。
2022年度よりチャリティカフェ&お話会を主催している方は、犬猫の保護活動を以前より応援されており、その趣旨に賛同した町内の動物病院のスタッフのメンバーの方々は、動物を飼う前に飼い主になる方に、知っておいてほしいことを伝えたいという想いをお持ちでした。
そんな想いと想いが結びつき、「人間にとっても身近な動物にとっても暮らしやすい社会」を目指して、2023年度も合計3回チャリティカフェ&お話会を開催されました。

チャリティカフェ&お話会
主催の方が得意とする和菓子をつくり、カフェを運営することでその利益を運営費用とし、余った利益は寄付を行う仕組みです。
動物病院の方は、カフェの開催時間に犬や猫をペットとして飼うときに知っておいてほしいことなどをスライドにまとめてお話されました。
現在ペットを飼っている方だけでなく、これからペットを飼いたいと思っている方にも参考になるお話がたくさんあり、「人間にとっても身近な動物にとっても暮らしやすい社会」について想いをはせる機会となっていました。
同じように、町内の方々に酪農業についてもっと知ってほしい、牛乳の消費を拡大したいという啓蒙の想いから、牛乳に関するイベントを開催された方もいました。
▷詳細は過去の記事にてご紹介しています。
アートを楽しむ場
上士幌町はスポーツが盛んな町ですが、アートにも触れてほしいという想いから写真展&演奏会やギャラリー展示販売を行った方たちもいました。

写真展&演奏会 / 紅茶とお菓子の販売も行われた
イベント開催の日には、ピアノ演奏に耳を傾けたり、写真の展示を眺めながらティータイムを楽しむ町民でハレタかみしほろが満席となりました。
町の中でアートを楽しむという文化醸成の一助になったのではないかと想います。
チャレンジの花が咲く町
2023年度、ハレタかみしほろでは、今回ご紹介したほかにも、80人近くのチャレンジャーの方による100件以上のイベントが開催され、累計6000人を超える方にご来場いただきました。
たくさんの方が、想いをもって挑戦されたことが、数字としての結果につながりました。
イベント開催以外にも、スマホロや健康ポイント事業、まちジョブ事業などまちづくり会社の事業をとおして、たくさんの町民の皆さんにご来場いただき、様々なつながりが生まれたことを実感しています。

チャレンジの花が咲く町に
2024年度以降も、ハレタかみしほろが町民の皆さんの可能性の種が育つ土壌となり、上士幌町全体がたくさんのチャレンジの花が咲く町となるよう事業を推進していきたいと思います。
スマホロ通信第20号(2024年3月 発行)
スマホロ通信第20号ではスマホロ利用者の方へのインタビュー記事
を掲載しています。

裏面ではスマホロ通信のバックナンバーと上士幌町高齢者向けタブ
レットの紹介をしています。

スマホロ通信第19号(2024年2月 発行)
スマホロ通信第19号ではストレートネック(スマホ首)解消ストレッ
チを紹介しています。

裏面ではブルーライトについて説明しています。

【上士幌町】チャレンジshop ハレたな屋インタビューVol.4 CHIPPI佐近千皓さん
まちづくり会社では、上士幌町民の方々が趣味や特技を活かして作ったハンドメイド作品を棚貸しで販売する、チャレンジshop「ハレたな屋」を運営しており、2024年1月現在、23名の作り手さんが出店をしてくださっています。
第4回目となる今回は、刺繍のブローチとアクセサリーを販売しているCHIPPI(チッピ)の「佐近千皓(さこんちひろ)」さんをご紹介いたします。
第3回目のインタビューはこちらから

WRITER/PHOTOGRAPHER
土門 史幸
フリーカメラマン。2021年6月から上士幌町で地域おこし協力隊としてまちづくり会社で活動中。苫小牧市出身。写真や動画で地域の魅力を伝えたい。空・水中ドローンも扱えます。

佐近千皓さん。左胸のブローチはご自身の作品
―佐近さんのハンドメイド作品について教えてください。
刺繍のブローチやイヤリングなどのアクセサリーを作っています。
―ハンドメイドを始めたきっかけは何かあったのでしょうか?
上士幌町に移住する前は、神奈川県で専業主婦をしていたのですが、そのときに何かやってみたいなと思って、2020年から趣味として始めました。
ただ始めるときから、いつかは販売しようと思っていたので、同じ年からネット販売も開始しました。
―なぜ刺繍を選んだのですか?
小さい頃から絵を描くことが好きで、自分の描いた絵を作品として形にしやすかったので刺繍を選びました。
―デザインもご自身でされているのですね。
そうです。

佐近さんの制作した刺繍のブローチ
―制作時間は1つ作るのにどのくらいかかりますか?
サイズにもよりますが、6〜10時間くらいかかります。
初めて作るものや大きいものは時間がかかるので、ドラマが1クール全て見終わっちゃうくらいの時間ですね(笑)。
それによく指に針を刺しています(笑)。
ドラマを見ながらやっているからでしょうけど・・・。
―デザインも細やかなので、相当な時間がかかるのだろうなと予想はしていました。佐近さんは、1つの作品を1日で作り上げるタイプですか?
毎日コツコツ作るタイプです
なかなか一気に作ることができないのが悔しいところですが・・・。
作り方としては、絵を紙に描いてからクリアーホルダーにトレース(写し描き)して切り取ります。
そして土台となるフェルトに切り取った絵を当てて、形を成形していきます。
そのあとに、ビーズやスパンコールを刺繍糸で縫い付けていきます。
―同じブローチでも、たとえばこのウミウシは尻尾のような部分(※)がビーズで立体的になっていますよね。(※二次鰓(にじえら)と呼ばれる部位)
はい。
ビーズ用の糸で4つくらいのビーズをまとめて1つにして、立体になる縫い方で縫っています。
ウミウシもたくさんの種類がいるので、全種類作品として作っていきたいです。

佐近さんが制作したウミウシのブローチ
写真提供:佐近千皓さん
―話は変わりますが、佐近さんは、どのようなきっかけで上士幌町に移住されたのですか?
上士幌町には、2022年に移住してきました。
きっかけは、こども園の幼児教育支援コーディネーターが地域おこし協力隊として募集されていて、その仕事に興味を持ったからです。
―ハレタのチャレンジshopはどうやって知りましたか?
幼児教育支援コーディーネーターの同僚から教えてもらいました。
すでにネット販売もしていましたし、出品できるならやってみようと思って出店しました。
―棚貸しではありますが、店頭販売とネット販売での違いは感じましたか?
上士幌町は神奈川県と比べて当然人口規模が小さいので、店頭で並べても、お客さんに見てもらえないのでは?と思っていましたが、思っていた以上に手に取って見てくれる方が多く、自分の作品で喜んでもらえることを実感しました!
それとチャレンジshopに出店してから、初めて対面販売もやりました。
―初めての対面販売はどうでしたか?
作品を褒めてくれる方が多くて、すごくびっくりしました。
前向きなお言葉をたくさんいただけるので、それがモチベーションになっています。
私は仕事をしながら刺繍を続ける自信がなかったため、刺繍作家としての活動もいつ終わってもおかしくないなと自分では思っています。
なので今続けられているのは、対面販売でお客さんと直接コミュニケーションをとれているからだと思います。
―前向きなお言葉とありましたが、印象に残っている言葉はありますか?
「ひとつひとつすごく丁寧で、刺繍だけじゃなくて、きっと他のことも大事にするんだね」と言っていただけたときはすごく嬉しかったです。
―作品を通して、お客さんとあたたかいコミュニケーションをとっていらっしゃるのを感じます。海の生物をよくモチーフにされていますが、なにか理由はありますか?
そうですね。
海の生き物が好きで、小さい頃から絵を描いていました。
海の生き物以外の動物は、犬のブローチなども作りますが、オーダーでお受けして制作のきっかけとなることが多いです。
―今後やりたいことはありますか?
海の生き物をモチーフにした作品を集めて、水族館のような個展を開きたいので、作品を作りためていきたいと思っています。
―水族館ぜひ見たいです。開催予定は具体的に決めていらっしゃいますか?
今年の上士幌町町民文化祭で披露したいと思っています。

今後の意気込みを語る佐近さん
毎年11月に開催される町民文化祭では、書道・写真・文芸・陶芸・手芸・児童作品など、子どもからシニア世代まで町民の力作が勢揃いします。
今年は佐近さんの水族館が見られるかもしれないと思うと、今から町民文化祭が楽しみです。
ハレタかみしほろでは、現在チャレンジshopハレたな屋の出店希望者を募集しております。手作りは好きだけど販売なんて・・・と思っている方。
一歩踏み出して、新しいチャレンジを始めてみませんか?
出店を希望される方は、ぜひお問い合わせください。
お問合せ先
生涯活躍のまちかみしほろ(ハレタかみしほろ内)
連絡先 01564-7-7630
メール info@kamishihoro-town.com
LINE https://lin.ee/NFlKbt0
担当 小川
スマホロ通信第18号(2024年1月 発行)
スマホロ通信第18号ではオンラインギフトについて説明しています。

裏面ではLINEギフトついて説明しています。

モ~ッとのもう!モーモーフェスが開催されました!
皆さんは、1日にどのくらい牛乳を飲みますか?
そして『酪農業』について、どのくらいの知識をもっていらっしゃいますか?
『牛乳消費拡大』というワードが全国的に聞かれるようになった昨今、上士幌町内でもあるきっかけから、1人の女性が、町内での牛乳消費拡大を推進したい、町の基幹産業である酪農業について広く知ってもらいたいという想いを持つようになりました。
町内で新聞販売店を営む吉田恵さんです。
そしてその想いから、イベント開催を企画し、令和5年10月22日ハレタかみしほろにて「モ~ッとのもう!モーモーフェス」を実施しました。
本記事では吉田さんの想いと、イベントの当日の様子について紹介していきます。

PHOTOGRAPHER
土門 史幸
フリーカメラマン。2021年6月から上士幌町で地域おこし協力隊としてまちづくり会社で活動中。苫小牧市出身。写真や動画で地域の魅力を伝えたい。空・水中ドローンも扱えます。

WRITER
渥美 緑(あつみ みどり)
2022年1月より静岡県から上士幌町へ移住。地域おこし協力隊としてまちづくり会社で活動中。コミュニティづくりに携わる中で出会った上士幌の人・もの・ことを、言葉をとおして伝えていきます。
上士幌町にいるのに、意外と酪農のこと知らないな…
上士幌町は日本一広い公共牧場であるナイタイ高原牧場を有し、人口約5000人に対し、47,000頭以上の牛が飼養されています。
当然、基幹産業の1つである酪農業にも多くの方が従事されています。
とはいえ、仕事として酪農業に携わらない町民の方々が、日々の暮らしの中で酪農のことを知る機会はなかなかないのが実情です。
吉田さんが酪農家の方のお話を聞いたのも、本当に偶然だったそうです。
モ~ッとのもう!モーモーフェスを主催した吉田恵さん
「今年の春頃、もともとの知り合いの酪農家の方と雑談していた中で、『絞れば絞るほど赤字で..牛乳をもっと飲んで欲しいんだよね』というお話を聞いてとても驚きました。
大変だとは聞いていたけれど、そこまで大変だとは思っていなかったんです。
コロナの時には「牛乳消費」という言葉もたくさん聞いたし、イベントもやっていたように思います。
でも最近はそういったイベントも、頻度や規模として縮小しているイメージだったので、そもそもの牛乳を消費しなきゃいけない状態というのもおさまってきていて、酪農家の方たちの状況も回復してきているのかなと勝手に思い込んでいました。」
バター不足から講じた国の増頭対策の効果発現時期が、ちょうど新型コロナウィルス感染症で給食がなくなった時期と重なり、全国的にも牛乳消費拡大について話題になっていました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の位置づけが2類から5類に変更されるようになった頃から、牛乳消費についても大きく話題になることは減ったように感じます。
「そんなに大変なんだという衝撃とともに、町内に居ながら、酪農業について何も知らなかったんだな、ということに気づかされたんですよね。
そこから、ほかの酪農家さんのお話も聞いてみたい、できることがあるんだったら協力したいと思うようになりました。」
有言実行の吉田さん、そこから町内の酪農家のお宅を何軒か訪ね、実際にお話を伺いにいったそうです。
「お話を聞かせていただいた酪農家の皆さんは、やはり牛乳をもっと飲んでほしいという想いをお持ちでした。
話を聞いているうちに、私だけじゃなくて、町内のたくさんの皆さんに酪農業を応援してもらいたい、牛乳を飲んで欲しいという想いが強くなりました。
酪農家の方の中には、家庭での継続的な牛乳消費につながるような、意識向上イベントをやりたいと考えている方もいらして、でも酪農家の方は本業で忙しいから出来ないし…
それなら、まずは私がやろう!と思ったんです。それでまちづくり会社に相談に行きました。」
そこからモーモーフェスの開催に向けて、走り出した吉田さん。
アイディアが豊富で、たくさんのイベントコンテンツ案が議論されましたが、イベントの時だけで終わるものではなく、家庭での継続的な牛乳消費につながること、そして来てくれた方に酪農業のことを少しでも知ってもらうことをコンセプトに、屋内でできるコンテンツから実施することとなりました。
第1回モ~ッとのもう!モーモーフェス
そうして第1回目のイベント内容が、
・牛乳のアレンジドリンクを楽しめる「ミルク&スープバー」
・牛をテーマにしたミニ工作体験コーナー
・酪農業に関するパネル展示
・来場者へのアンケート実施
に決定されました。
開催にあたっては、JA上士幌や上士幌町役場農林課にも開催趣旨を説明に伺って協力をお願いし、牛乳や上士幌の特産品の寄付と開催へのアドバイスをいただきました。

JA上士幌より提供いただいた牛乳でミルク&スープバーを実施
ミルク&スープバーでは寄付いただいたゆであずきと牛乳を組み合わせたあずきミルクや、上士幌町産のかぼちゃを使用して作ったかぼちゃスープを販売しました。

ミルク&スープバーでは6種類のミルクレシピを提供
また、家庭での消費を促すため、ミルク&スープバーで提供したメニューについては、レシピも配布しました。
酪農業に関するパネル展示では、酪農家の一日の流れを紹介しました。

パネル展示の様子、手前の本は酪農家の方が自発的に持参してくださった
今後は知識を増やすだけでなく、酪農家の方の想い、酪農を頑張ってくださっている方へのメッセージが相互に交差するような仕組みも考えていきたいということです。
来場者の方へのアンケートでは、ミルク&スープバーで美味しかった飲み方や、自宅でよく作る牛乳を使った飲み物やスイーツのレシピ、今後モーモーフェスで味わいたいメニューなどの情報を収集したようです。
アンケートでも人気だったスープとドリンクのミルクレシピ、会場でも配布した
吉田さんは「思ったよりも本当にたくさんの方に来ていただいて、喜んでもらえたのが印象的でした。
工作も子どもだけでなく大人も楽しんでくれていたし、ミルクバーでは一杯飲んだ方がいつの間にか三杯目を飲んでいたりと、どんどんお代わりしてくれて…牛乳だけで飲むと消費量としてはそんなに多くないけれど、色んな飲み方、しかもお手軽にできる飲み方を提案することで牛乳を飲んでいただくきっかけになったのではないかなぁと思っています。
レシピを配ることによって、イベント時の瞬間的な消費だけじゃなく、家庭での消費も促せたかなと…」と笑顔でお話してくれました。
第1回目のイベントをとおして、皆で牛乳を飲んで酪農家の方々を応援しようという意識が芽生えたという手ごたえを感じられたようでした。
第2回の開催に向けて
モ~っとのもう!モーモーフェスは今後も開催を継続していきます。
「1回目は小さいことしか出来なかったけれど、色んな方に協力をいただいて考えていたことは実現できたし、良いきっかけづくりになったんじゃないかなと思っています。
気付けば、私自身も牛乳を買う頻度が増えたし、価格だけで牛乳を選ぶのではなく、できるだけ十勝の牛乳を選ぶようになったんです。
意図せず、私自身が変わるきっかけにもなりました。
私自身もそうなら、もしかしたら他にもそういった方もいるかもしれないし、やってみたいアイディアも色々あるので、イベントは今後も継続的に開催していきたいですね。」

1回目のチラシも吉田さんが原案を作成
どんな構想がありますか?とお尋ねしたところ、その場でもたくさんのアイディアがでてきました。
「酪農業についてもっと調べてパネルにしたいし、利きミルクとかも面白そうじゃないですか?
それと、1回目の開催について周知した時に、自分からレシピを教えてくれる方もいて、アンケートでも様々なミルクレシピを教えてもらいましたし、レシピの提供は引き続きやりたいと思っています。
あとは、牛との触れ合いの機会も提供したいですね、餌の実物をおいたりしてみたいと思っています。」
「それと、私の理想としては、酪農家の方も酪農業に携わらない方も、両方の皆さんがいらして、相互にコミュニケーションができるイベントになっていったらいいなと思っています。
私が聞いたり考えたりしたことだけを発信する場になるのではなく、酪農家の方が直接メッセージを発信したり、酪農業に携わらない町民の方が直接応援のメッセージを伝えられたりする場ですね。」

この笑顔と行動力に自然と人が集まってくる
ひとしきりのアイディアやモーモーフェスの今後についてをお話したあと、吉田さんがいつも想っていることを教えてくださいました。
「酪農業に関わらず、私の目標は地域の皆が地域のことを知り、それぞれができることで地域を盛り上げて、皆が住みよく楽しく暮らしていくことなんです。
なので、私自身もできることをちょっとずつやっていきたいなと思っています」
いつも利他的な行動力と明るく元気な笑い声で、周りを照らす吉田さん。吉田さんがスタートさせたモーモーフェスが、これからどんなふうに発展していくのか、今からとても楽しみです。
\モーモーフェスはインスタグラムでも情報発信しています/
【かみしほろ起業塾】参加者インタビュー -まとめ記事-
「かみしほろ起業塾」は、起業・第二創業・新規事業展開の促進と支援を目的に、2018年度から進めている事業です。
-「なりわいを創る前」の若者たちによるコミュニティスペースづくりへのチャレンジ
上士幌ホロロジーでは、かみしほろ業塾に参加し、上士幌町内で活動されている方々にインタビューを行っています。
どんな方が、どんな事業を行なっているのか、ぜひご覧ください!
-糠平温泉を次世代に続く、元気で豊かな温泉集落に~上村 潤也さん~
-書店がない地位行きにも本を届けたい〜「鈴木書店」鈴木司さん〜
-大人も、子どもも「新しい自分が開く場所」をつくりたい〜齋藤肇さん〜
-復活!上士幌の豆腐屋さん〜「まめけん」中村哲郎さんの起業ストーリー〜
-自分も周りもワクワクする人生〜「一般社団法人とかちアドベンチャーサイクル」鈴木宏さんの起業ストーリー〜
スマホロ通信第17号(2023年12月 発行)
スマホロ通信第17号ではスマホ詐欺について説明しています。

裏面ではスマホ詐欺の対処法について説明しています。

チャレンジshop出店者インタビュー -まとめ記事-
まちづくり会社では、上士幌町民の方々が趣味や特技を活かして作ったハンドメイド作品を棚貸しで販売するチャレンジshop「ハレたな屋」を運営しています。
チャレンジshopに出店している出店者さんに想いを聞いたインタビュー記事をまとめてみました。
ぜひご覧ください!
-チャレンジshop「ハレたな屋」インタビューVol.1 HCWS em 坪井恵美子さん
-チャレンジshop 「ハレたな屋」インタビューVol.2 Riosk. 木原理央さん
チャレンジshop ハレたな屋インタビューVol.3 hana上甲由花さん