切って切ってまだ切って、薬草選別作業
2020年11月から開始された「MY MICHIプロジェクト」では、5名の20代の男女が十勝外から集まり、1カ月間を上士幌で過ごしています。滞在プログラムの中には上士幌の暮らしや仕事を見学、体験するものが含まれており、上士幌町の基幹産業である「農業」の現場を実際に見させていただくことに。この秋の時期は薬草の仕分け作業が最盛期。愛知県出身の僕は農作業自体もあまり経験したことがなく、ワクワクしながら選果場に向かいました。
WRITER
澤田 遼
MYMICHI2期生。愛知県出身。十勝晴れによって照らされる広大な山々とその麓に広がる自然豊かなこの上士幌の景色に心を奪われてしまいました。移住もありかなと考えるようになった今日この頃です。好きな言葉は「今日が1番若い」。
収穫作物は漢方薬!?
11月上旬、本日取り扱ったのは「オウギ」と呼ばれる漢方薬の成分のもとになる薬草の仕分け作業でした。オウギは漢字では「黄耆」と書くそうで、実際になんだか黄色い感じがしますね。
これは収穫されたオウギがたくさん集まったもので一本だけを取り出してみると…
ここ上士幌町では、オウギの栽培を30〜40年前から行っており、なおかつ日本の中でも相当収穫量が多い地域です。漢方薬に使われている薬草は勝手なイメージで、全て中国で生産しているのかと思っていましたが、日本でも多くの生産がされているとわかり、なんだか嬉しかったです。
オウギはマメ科の作物でナイモウオウギであったり、キバナオウギといった種類に分かれています。そして漢方薬はさまざまな成分が重なり合うことで初めてその効果を発揮します。
一つひとつの作物にこういった効果があるといった話ではないそうなのですが、一般的にオウギには強壮や止汗、利水等の効能があるといわれています。そしてその中でも一番は胃腸系を強めて気を補い、体全体の強壮を図る補気強壮薬といての効用を期待されてその成分が用いられることが多いようです。
農作業
当日はまず朝9時にビニールハウスに集合し、今日の作業内容の説明を受けました。
今日はよろしくお願いします!! 作業は2人1組、3人1組で行います。
今日の作業は収穫されたオウギを根の部分と芽・茎の部分に分けていく作業でした。漢方薬に使われるのは根の部分だけなので、芽の部分と根の部分を切り離します。
この中央のぴょこっと出てる白いのが芽です!
芽が見つからないときは、根と茎の境目を見つけます。根と茎の境目はくびれている部分を探します。
くびれているところの太い方(根側)を切ります!
根だけを集めたのがこの写真です。
ふぅー! やっとコンテナいっぱいになるまで切り終わった…!
手がパンパンだー! 次のコンテナがくるまでちょっとひと休みっ!
と思うとすぐさま重機に乗った従業員の方がやってきては素早くそのコンテナを重機で掬い上げ、洗い場まで持っていきます。その素早いこと素早いこと…。そしてすぐに空のコンテナが運ばれてきます…(全然休めない!!笑)。
一方洗い場に持っていかれたコンテナはというと、、、
コンテナが重機によってひっくり返り、
ザバーンっと次々に入っていきます。その場所は毎回寸分の狂いもなく吸い込まれるように洗浄機へと入っていきます。
洗浄機の入口をアップで撮るとこんな感じ。
砂を落としながらレールを通っていき
この機械で洗われていきます!
洗われたオウギは階段を登りながら水を落とし、こうしてコンテナに収められていきます。ちなみにこの場所の担当の方は上から次から次へと落ちてくるオウギをコンテナに均等に乗るようにしていかないといけないので濡れてしまうことも。。。
土が落ちて色が明るくなりました!
その後この巨大な扇風機によって5日ほど乾燥させてその後5日〜1週間ほど燻した後、10キログラムずつ段ボールに詰めて夕張ツムラに出荷します。
乾燥と燻によってパリパリに!
そしてそれを段ボールへと詰めていきます。
昨年まではそれぞれの農家さんが個々に収穫から出荷までを行っていましたが、今年からは農家さん全体でこの出荷に向けた作業をしようということで、大きなビニールハウスを建てて作業をしていくことにしたそうです。
休憩時間には農家さんとお話することもできました。
今日この仕分けをしている薬草は生山さんの畑から収穫されたものよ!
そうなんですね、奥さんの薬草はこれからですか?
私の畑の薬草はもう収穫は完了して、乾燥させているところなの!
生産された皆さんの顔を見ると、一生懸命育ててここまでになったものなのだから、大切に作業しなきゃといった意識が自然と芽生えます。
あら嬉しい! これからも頑張らないとね。今日の作業は楽だったでしょ?
え、、、
ビニールハウスの中で座りながらの作業だから、農作業の工程としては最も楽な作業だよ!
ほんとですか、、、もうお箸とか持てません、、腕も手も筋肉痛です。。
普段やってないとそうなるのかしら。私たちはもう慣れてるからね!
今日切ってるこの薬草ってどんな商品になるんですか?
なんか…栄養剤だっけ? あんまり詳しくはわからないんだよね(笑)。
言ってたかもしれないけどもう覚えてないや! 調べてわかったら私たちに教えてよ!
わかりました!
作業再開後、横を見ると疲れた表情など全く見せずにどんどん切っていく農家の方々の姿が…。お姉様方恐るべし。。
17時に今日のお仕事が終わり、今回マイミチメンバーの参加を快く受け入れてくださり当日の対応をしてくださった猪狩さんとの記念撮影タイム。
猪狩さん、ありがとうございました。
普段何気なく飲んでいた栄養ドリンクなどはこういった地道な作業の積み重ねによって飲めるようになっていたことを改めて痛感しました。この切る作業は全然楽じゃないし、むしろ次の日に物が握れなくなるくらい手が痛くなりました。この作業が誰かが漢方を飲む際の一助になったらなと思います。
幻の橋「タウシュベツ川橋梁」早朝ツアーに参加
北海道上士幌町にある人工ダム湖・糠平湖。この地で冬から夏までの間のみ姿を現すのが「タウシュベツ川橋梁」です。見える時期が限られることで「幻の橋」とも呼ばれるこの橋を一目見ようと、ひがし大雪自然ガイドセンター主催の早朝タウシュベツ橋ツアーに参加しました!
WRITER
瀬谷 友啓
JICA訓練生。栃木県出身。自然溢れる北の大地で景色を楽しみ、人と話し、美味しいものを食べる。様々な機会に触れて、町の魅力を感じて自分の言葉で伝えることができたらいいなと思っています。
INFO
タウシュベツ川橋梁
1939年(昭和14年)に、JRの前身である国鉄時代に士幌路線の開通(帯広・十勝三股)にあわせて作られた鉄道橋で、1937年(昭和12年)に完成したコンクリート製のアーチ型の橋梁。長さ130メートル、11 連のアーチが湖面に映る優美な姿から“めがね橋”の愛称で知られています。ダムの水位が上がる6月ごろから湖に沈み始め、10 月ごろには水没。結氷後、12~1月ごろに再び姿を見せ始めるため、「幻の橋」とも呼ばれます。1959 年(昭和34年)、北海道総合計画で糠平ダムが建設され、清水谷~幌加間の路線位置が変更。そのため旧糠平駅、旧糠平小学校などとともに旧路線部分も糠平湖に沈むことになり「タウシュベツ川橋梁」が生まれました。
ツアースタート!
朝6時15分開始の早朝ツアーに参加するため、朝5時に目を覚ましました。10月初め、上士幌町の最低気温は1度。滅多にマイナスにならない場所に住んでいる私の感覚だと、最低気温1度はもっとも寒い真冬と同じ気温です。
辺りは暗く、布団から出るのも億劫な日々が続いています。でも、今日はタウシュベツ川橋梁を観ることができる楽しみで、すぐに目を覚ますことができました。
上士幌町内から車で20分。集合場所のひがし大雪自然ガイドセンターに到着し、長靴に履き替えツアーの準備が完了しました。
準備を終え車に乗ってタウシュベツ川橋梁を目指しました。向かう道中でシカに遭遇。糠平では当たり前のように人の住む世界と同じ所にシカがいます。夜になると頻繁に町中に現われ、人よりもシカを多く見かけることもあるそうです。
ツアーではタウシュベツ展望台からさらに山奥の方まで入り、橋の真下にまでいくことができます。駐車場から少し歩みを進めていくと、辺りは色づいており、湖に生える植物も秋色に変わっていました。
ここは秋になると、一面が湖となる場所。今年は雪や雨が少なかった影響でまだまだ湖面に水が溜まっていないそうです。
また湖底の地で目についたのは、無数に残る切り株の姿でした。ダムを造る際に切り倒され、何十年と自然の猛威にさらされているにも関わらず、その姿は切り倒された当時のまま。時の流れを感じさせず、その地にとどまっていたのです。
「コンクリート橋の見るも無惨な姿を嘲笑っているようだった」
同じツアーに参加した訓練生メンバーの一人は、切り株を見てそんな言葉を残していました。
切り株に目を奪われながらも、歩き進めてまもなくタウシュベツ川橋梁に到着。このタウシュベツ川橋梁は当時、鉄道橋として使われていましたが、糠平ダムの完成と共に放棄され、65年の月日が経過しているのです。
タウシュベツ川橋梁が古代ローマの建築物のように劣化が進んでいるのには理由があります。それはこのタウシュベツ川橋梁が湖面に沈むこと。
毎年、秋頃には湖面に沈み、約半年ほどを水の中で過ごすのです。さらに、この地は真冬にもなるとマイナス20℃〜30℃にもなる寒冷地。糠平湖は完全結氷し、橋は厚さ 7cm の氷を被った湖に覆われるそう。
冬には発電に伴う放水で日に20cmほど放水されるのですが、水位が下がると同時に湖面を覆う氷が橋とぶつかり橋の表面を削り取りながら下がっていきます。
また、コンクリートに浸み込んだ水は内部で凍てつき膨張し、橋は内と外の両方から凍結 の害にさらされます。これらの要因が、橋の劣化の進行を通常の建造物より早くさせるのです。
同じ時間が経過しているにも関わらず、どんどん劣化していくタウシュベツ川橋梁姿と変わらない切り株。なんだか考えさせられる時間を過ごすことになりました。
ツアーに参加して
タウシュベツ川橋梁が建設当時の姿のアーチ橋として、形をとどめていられる時間はあとどれくらい残されているのでしょうか。
北海道といえば大自然をイメージしていました。ここタウシュベツ川橋梁がある大雪山国立公園はまさにその大自然が感じられる地です。しかし、白と黒が反対色であるように、ここには雄大な自然と人々の生活という交わりがたい二色が混在する不思議な場所があり、それがこの糠平であると実感しました。
林業とそれらや物資の運搬などで人々の生活を支えたタウシュベツ川橋梁。1年、あるいは10年先に朽ち果ててしまうのかは誰にも分かりません。
私は、写真では伝わらないタウシュベツ川橋梁の表情を見ることによって、自然と人間の営みの関係性について考えを正されることになりました。
自然の力は雄大です。硬く崩れないであろうと思っていたコンクリートと、簡単に朽ち果ててしまいそうな切り株の存在。対極に近い存在と思っていたものが自然の力の前ではその概念が意味を成さないこともあるのだということを目の前で見せつけられました。
ある一つのコンクリートが人間の限りある命と照らし合わされ、結末の見える姿に向かって行く不思議な橋の様子が、どこか自分事のように感じられたのでした。
三国峠を自転車で下ると人生のヒントが見えてきた
上士幌町の中でも広大な平野の中心地とは対照的に、町北部の緑の山々に囲まれた山間部にある三国峠。北海道の国道の中で一番標高の高い峠(標高1,139m)であり、日本の国立公園の中で最も広い、歴史ある大雪山国立公園にあります。JICA訓練生として上士幌町にやってきた僕たちは、その三国峠でいきなり驚きのアクティビティを体験することに。さてどうなるのでしょうか!?
WRITER
瀬谷友啓
JICA訓練生。栃木県出身。自然溢れる北の大地で景色を楽しみ、人と話し、美味しいものを食べる。様々な機会に触れて、町の魅力を感じて自分の言葉で伝えることができたらいいなと思っています。
三国峠に出発
眠い。太陽が昇りきっていない。それもそのはず、この日の出時時刻は早朝5時31分。普段ならまだ布団の中で夢を見ています。眠気が覚めきらず頭がボーとしているため、窓越しに流れて行く風景が理解できないまま車に揺られていました。
しかし、出発をしてから、数十分。窓越しのその先に見える景色は「壮大」の一言に尽きる絶景だったのです!
コンビニにもなく、民家もなく、信号も見当たりません。
北海道と聞けば、多くの方が大自然を思い浮かべると思います。そのどれにも及ばない圧倒的な光景とあまりのスケールの大きさに、それを現実として受け止め、頭で理解することが難しいほどでした。
糠平のホテルから車を走らせること30分、自転車で下り始めるスタート地点「三国峠展望台」に到着しました。ここから見える景色は絶景で、山々の間に雲がかかっている光景を見ることができました。
展望台には「ヒグマ出没に注意」の看板もありました。熊の住む場所にいて、自分が自然の中にいるのだなと改めて感じます。
そして、軽トラックから自転車を降ろし、準備完了です。来た道を自転車で下ると考えると少し興奮すら覚えてきました。
ハンドルを握ると
自転車に乗り、坂を下り始めます。どんどんスピードが上がっていき、スピードを出してより風を切って行きたいという気持ちと、ゆっくりと景色を楽しみたい気持ち。それとほんのちょっとの恐怖心が入り混じり、ブレーキをかけるか迷いながら乗っていました。
「まるで僕の人生みたいだな」
目の前に流れていく景色を見て進みながら、そんなことを考えました。
とにかく前に進むしかないし、リスクを犯してでも全速力で駆け抜ける。自転車の場合は、事故や橋から落ちて命の危険がありますが、自分のチャレンジしたいことは命の危険まであることはほとんどない。その時はとにかく心が高鳴る方に全速力で漕いで行けばいい。そんなことを思いながらハンドルを握っていました。
景色も雄大で、三国峠展望台から下るとすぐに松見大橋があります。
その道はまるでマリオカートに登場するレインボーロードのようで、道の端っこに行くと落ちてしまいそうになるアドベンチャー感のある道でした。
下り終えて
絶景を横目にただ自転車で風を切ると、ようやく自分がこの自然の中にいることが実感できました。
ホテルを出たときは、東京と変わらないくらいの暑さでしたが、峠に着くと霧がでてきて、季節が逆戻りしたような肌寒さを感じて、まるで違う世界に来たような感覚になりました。
風の心地よさに全身を委ねてみると、何もかもがきれいに洗い流されたような気持ちになり、ぼんやりと心にかかっていたモヤモヤが晴れ、これから先の未来に少しばかり勇気と期待が湧いたような気がしました。
下っている時間はあっという間に過ぎ去っていきましたが、この一瞬を一生忘れることはない。それくらい新しい感覚に出会うことができました。
眠い目をこすりながら朝5時から始まった今日という1日。まっすぐな風を受けるたびに、三国峠を下ったときに感じたスッキリとした気持ちを思い出すような気がします。三国峠はそんな不思議な出来事が起こる場所でした。
スポーツゴミ拾いに参加!ゴミ拾いが楽しい!
10月11日の日曜日、上士幌町でスポーツゴミ拾いが開催されました。このスポーツゴミ拾いは、あらゆるスポーツの例に漏れず心技体が重要となっていて、指定された時間中ゴミを拾い続ける体力、目を凝らし落ちているゴミを見つける技術、そして勝利のために家庭ゴミを持ち込んだりしない強い心が必要となる非常にシビアなスポーツです。スポーツマンシップに則り正々堂々楽しみましょう。
WRITER
渡邉 史也
JICA訓練生。1997年生まれ。茨城県出身。上士幌町のあらゆる人、場所、生業に広く目を向け、自分の琴線に触れるものをどんどん紹介していきたいです。
スポーツゴミ拾いとは?
スポーツゴミ拾いは、ここ上士幌町では教育委員会が主催し、今回で5回目の開催となります。参加者は4人一組で1チームとなっており、先着9チームまでの参加となっていましたが、しっかり9チーム参加しており、このイベントの人気度合いがうかがえました。
私たちはチーム「うれしほろ」として参加、目指すは優勝のみ!朝の9時から受付が始まり、30分にはルール説明が行われました。
ルールは、90分の制限時間内に、集合場所である交通公園を中心とした半径約1キロに落ちているゴミを拾います。燃えるゴミは100gで2ポイント、燃えないゴミは100gで1ポイントとなっていて、ポイントの一番高かったチームが優勝。今回から新たなルールとして、チェックポイントでチームの写真を撮ってこないとポイントが半分になってしまうルールが追加されたそうです。そのチェックポイントは「スポーツセンター」「上士幌小学校」「道の駅かみしほろ」のうちどれか一つ。くじによってその場所が決められるので、皆どこになるのか分からないドキドキの瞬間です。
「うれしほろ」のチェックポイントは…
道の駅! 周辺にはお店も複数ありゴミも落ちているのでは? と期待しながらのスタートとなりました。
競技スタート
交通公園から道の駅を目指して南へ。上士幌はポイ捨てがあまりないように感じていましたが、探してみると案外見つかるもので、たばこの吸い殻、ペットボトル、発泡スチロールなどがいたるところに落ちていました。
それらを拾いつつ道の駅を目指していると、道沿いの林で大量のゴミを発見。これはいい収穫になったのではと思いつつ、我々のチェックポイントである道の駅に到着。そこではなんと、上士幌名物の熱気球が上がっていました。
ずっと体験してみたかったのですが、残念なことに体験搭乗はこの日が最後らしく、体験することなく終わってしまいました。心残りとなってしまったので、今度は何とか…。しかし今はゴミ拾い! 心を鬼にして道の駅の写真を撮り、ゴミ拾いを再開。その後も見慣れた町の少し奥に目をやりつつ、散策を続けること数十分。燃えないゴミの袋がいっぱいになりました。
もうそろそろ帰ろうかとなり、再び集合場所に集まると、既にほとんどのチームが集まって、集めたゴミを前に写真を撮ったりしていました。
結果発表
そして全チームが集まり、結果発表の時間に。さて、チーム「うれしほろ」は一体何位に…?
8位!!! え!!!?? 結構集めたのに!!??!?
そう思いつつも総重量を見てみると、「うれしほろ」は4.3kg、一位のチームはなんと23kgでした。格が違う。
予想よりもかなり低い順位となり不完全燃焼となる一同でしたが、全チームが景品をもらえる様子。何がもらえるのかと思いつつ中を開けてみると…?
ありがとうございます!!!
具体的に何がもらえたのかは敢えて伏せておきますが、非常にいいものでした。上士幌のゴミ拾いはどうりで参加者全員かなり本気なわけだ(そこではない)。
ちなみに、全チーム合わせて85.9kgのゴミを拾いました。すごい量!!
しかし8位は悔しい! 次こそは優勝を!!!
ということで、イベントに参加してみての感想は、普段あまりゴミが落ちていることに気づいてないんだなということでした。
このイベントに参加してからというもの、ゴミが目につくようになり、普段から一人でゴミ拾いをする習慣が身についたように思います(笑)。
ゴミ拾いイベントというと少し堅苦しく参加しづらいイメージもあるかもしれませんが、スポーツゴミ拾いイベントには、ゴミを拾うことをチームで競ったりチームで取り組むのでコミュニケーションが取れたり、景品がもらえたりと、楽しい要素が散りばめられていました。「まだ参加したことがない」という方も、ぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか?
『健康ウォーキング』で体も心もポカポカに
10月上旬、雲ひとつない真っ青な空が広がり、肌寒さを感じはじめる秋晴れの朝。この日は『健康ウォーキング』という上士幌町で行われるイベントに参加をしました。初めて参加するイベントに少し緊張を覚えながらも、町で知り合った人たちとの再会ができる喜びを持って目が覚めました。
WRITER
中山 舞子
1992年生まれ。千葉県在住。青年海外協力隊としてインドに派遣予定。海外派遣の目途がたたない現在、上士幌町に5ヶ月間滞在中。外からの目線で上士幌の魅力を掘り下げて行きます!
イベントの日の朝
目が覚めて、出発の準備をし始めたのですが、晴天とウォーキング大会ということで、身体が温まることを想定し、気合いを入れて半袖で出発することに。しかし、、、上士幌の気温は10度台前半。快晴とはいえやはり寒い…。肌を摩りながら、集合場所の「生涯学習センターわっか」へ向かいます。
集合場所へ到着するとすでに町の多くの方が受付に続々と集まってきています。集合場所は大盛り上がりで町民同士、みんなそれぞれが話に花が咲いている様子。しかし、9:30から開始と聞いていたイベントは、約1時間も遅れてスタートしました。このゆるさがまた北海道らしくすきなところです。
『健康ウォーキング』は上士幌町の教育委員会が定期的に主催しているイベントで、町の職員さんたちがイベントを盛り上げてくれます。内容はその名の通り「ウォーキングをして健康になろう」というものです。そして上士幌には、歩くだけでさらに特典がある楽しい仕組みがあるそうで、それが町民のモチベーションにもつながっているとのこと。
詳しく聞くと、町が行っている健康ポイント事業の一環で活動量計の歩数が健康ポイントとして還元できる仕組みがあり、歩いて貯めたポイントで商品券と交換できたりするそうです。素敵な取り組みですね。本日のイベントでも多くの参加者が町から配布された活動量計を持参していました。
イベント開始
まずはしっかり準備運動。今回初めての参加者は私たちのみ。他の町民の皆さんは常連さんのようで、慣れた動きで体を温めていきます。
今回のルートはわっかから航空公園まで、約1.6kmの道のりです。航空公園までの道は真正面にナイタイ高原が臨める絶景ルート。まさに十勝晴れと言える快晴で、歩いているだけでも最高に気持ち良かったです。
歩いていると、さまざまな景色が見ることができます。本州では見ることがほとんどなかったバラ科の落葉高木であるナナカマドが紅葉で綺麗に色づいていました。
美味しそうだなーと見ていると「ナナカマドの実は渋くとても食べられるような代物ではないよ」と参加者の方が教えてくれました。それどころか、果実には毒性のある「シアン化合物」が含まれているため、無暗に食べるのは危険とのこと。ベリーが大好きな私は危うく口に入れるところでした・・・。教えてくださってありがとう!
健康ウォーキングで一番楽しかったのは参加者同士の交流でした。歩きながら私たちにもフランクに話しかけてくれます。
「JICAから来たの?」
私の話を聞いてすぐに興味を示してくれた80代くらいの笑顔の素敵なおじいちゃん。
「実は俺も昔青年海外協力隊、行きたかったんだよね。でも長男だから親に反対されて役場に就職したよ。もう既に退職して20年たったな」
健康ウォーキングには毎回参加しているといいます。
「管に繋がれて死ぬよりは元気に死にたいから」
「ピンピンころりですか?」
「ワッハッハハ!そんなところだな」
「息子には上士幌に残ってほしいと言ったことは一度もないけど、でも一人はこっちで暮らしているよ。俺は台湾とベトナムに旅行するのが今の目標なんだ」
かつて同じ志をもった人。長男としての役目を全うし、前を向いて足取り軽く進む様子からは上士幌という土地で生きてきたことへの後悔は全く感じられません。私も頑張らなくちゃ、そう背中を押された気がします。
上士幌出身の佐藤さんはこの町についてこう語ってくれました
「車でちょっと行けばなんでもそろうし、生活に不便はないよ」
「気球にはのった?私は大雪山に沈む夕日が上士幌の景色で一番好きなんだよね」
みんなそれぞれ歩みを進めながら、これまでの人生のこと、趣味のこと、上士幌町のことを語ってくれました。
皆さんの前向きで明るい表情からはここ上士幌町への愛情がひしひしと伝わってきます。
会話に花を咲かせながらふと目を横にやると、子どもたちがまちなか農園で大根堀り体験をしていました。幼稚園児の野菜収穫体験でも、立派な大根が次々に抜ける。それもここ上士幌町の魅力のひとつ。
町民の方とお話をしながら楽しく歩いていると、あっという間にゴール地点に到着。歩き始めに感じた寒さもすっかりどこかに行き、そよ風が気持ちよく汗を乾かします。参加者の皆さんはさすが、歩き慣れているようでまだまだ元気が有り余っている様子。私たちもちゃっかり記念品として東京オリンピックのバッチをいただきました。
イベントはここにて終了
ご褒美
帰り道にはご褒美と決めていたこれを!
上士幌の名物。ドリームドルチェのジェラート。来た道中に通りかかったときから、絶対に帰りに立ち寄ると決めていました。ウォーキング後に青空の下で食べるアイスクリーム、最高です。歩いたカロリーは全て飛んでいった気もしますが(笑)。
ドリームドルチェのジェラートは種類がありすぎて、何度も来て新しい味を試したくなります。
すっかり上士幌ならではのウォーキングを満喫してしまった私たち。健康ウォーキング、そこで出会ったのは上士幌という町に誇りをもつ心も体も健康な町民の方々。本当にこの町に来てよかったな、そう思えるひと時でした。
ぬかびらで拾った「くるみ」を「晩酌ナッツ」にできるか挑戦してみた
皆さん普段くるみって食べますか? 私は無類のナッツ好き。家での晩酌のお供はミックスナッツと決まっています。ただ栄養価も高いけど、お値段もなかなか張るのがナッツの痛いところ。どうやら秋の上士幌の糠平(ぬかびら)では野生のくるみが簡単に手に入ると聞いて、このたび実際にとってきて食べてみることに。
WRITER
中山 舞子(なかやま まいこ)
1992年生まれ。千葉県在住。青年海外協力隊としてインドに派遣予定。海外派遣の目途がたたない現在、上士幌町に5ヶ月間滞在中。外からの目線で上士幌の魅力を掘り下げて行きます!
私たちとくるみの出会いは10月8日、紅葉ピークの糠平です。タウシュベツ橋梁の早朝ツアーに参加するべくやってきたのがきっかけです。
糠平に来るのはちょうど1カ月ぶり。一面すっかり色づいて前回来たときとはまるで別世界でした。ツアーが終わり、赤く光り輝く紅葉に目を奪われながら散策していると、何やら固いものを踏む感覚が。
もみじの絨毯を掻きわけてみると、黒い物体を発見!手に取ってみるとゴルフボールサイズくらいの果実のような木の実のような…。
そう、これが本日の題材となるオニグルミなんです!
確かに上を見上げると大きなくるみの木が生えていて、ます。辺りに視線をやると枝の先には黒い実がたくさんついています。
木になっているときは緑色をしていますが、黒く腐ると実を落とします。皮に包まれた黒い実は、正直まったく美味しそうには見えませんが、家で処理すれば普通に食べられるんだとか。
そこでということで、「拾って食べてみよう!」という話になり、ぬかびら野営場(キャンプ場)から糠平湖方面に歩きながら次々に拾っていき、約30分程度で袋いっぱいのくるみを採集できました。ついでに綺麗なもみじの落ち葉や松ぼっくりも工作用にお持ち帰り。
調理開始
さて、たくさん採集したのは良いものの、食べるまでの下ごしらえがなかなか大変なのがくるみのやっかいなところ…。
まずは水につけて少し放置します。そうすると、やわらかい外皮がトゥルんと簡単に剥けるようになるのです。
外皮を剥がすと中から硬い殻に入った状態のくるみが出てきます。かなり分厚い外皮の中にさらに硬い殻まで、とにかく守りが固い。それでも野生動物に綺麗に中身だけ食べられた跡がたくさんあるので、動物って本当に器用。
皮を剥いた実を今度は軍手とタワシを使って綺麗に汚れを取っていきます。
汚れが殻にこびり付いていてなかなか骨の折れる作業です。
このようにようやく綺麗になりました。綺麗になったくるみはさっそくフライパン中火で乾煎りしていきます。すぐに香ばしい良い香りが立ち込めてきます。煎ること約5分して、くるみの殻が少しずつ開いてきます。
貝と同じように、息苦しくなって口をパカっと開ける様子がなんだか生きているみたいで可愛い。口がから開いたものから順に取り出し、いよいよ殻を割っていきます。
切れ目から真っ二つに割ると
くるみの実がようやく顔を出してくれました。
中は瑞々しくておいしそう!あとは身を取り出して食べるだけか?と思いきやここからが一番の大仕事。まだまだ、くるみwithビールにはありつけません…。
実はこの実、殻にへばり付いていて簡単には剥がれないんです。一つずつ、つまようじでほじくり出していきます。
ひたすらくるみと格闘すること約2時間、ようやくすべての実を取り出せました!
私たちが普段食べている胡桃とは品種が違うため、あのような綺麗な形にはなりませんが、味は紛れもないくるみです。
外皮や殻の部分がほとんどなので実にしてしまうとあれだけあったくるみもかなり少なく見えます。塩を少しまぶしておつまみにするのも、ケーキなどに入れてスイーツにするのもよし。やはり味は市販のものには負けますが、普段ビールを飲みながら何気なくむさぼっていたナッツの出どころがわかり、とても良い経験になりました。
手がかかって作ったくるみをおつまみに楽しむ晩酌はいつもより一層美味しく感じること間違いなし!北海道で紅葉を見るときはぜひ上だけでなく足元にも目を向けてみてはいかがでしょうか。