クラフトキッチン「のはらのカフェ」~子どもから大人まで、みんなのあそび場として人々に愛される憩いの空間~
上士幌町でクラフトキッチンというスパイス専門店を営む齋藤肇さん。今回、私たちは肇さんがクラフトキッチンで開催したイベント「のはらのカフェ」にお手伝いとして参加しました。このイベントは肇さんのスパイス販売の拠点であるクラフトキッチンが1日限りのカフェとしてOPENするというもの。カフェでは肇さんのつくるスパイスを使った料理、町内こだわりの作り手さんたちの手づくりお菓子や手づくりパンなどがいただけます。そこにはどんなカフェとも違う、肇さんがつくりだす非常にユニークで楽しい空間が広がっていました。今回はそんな「のはらのカフェ」での1日をレポートしていきます。
WRITER
中山 舞子(なかやま まいこ)
1992年生まれ。千葉県在住。青年海外協力隊としてインドに派遣予定。海外派遣の目途がたたない現在、上士幌町に5ヶ月間滞在中。外からの目線で上士幌の魅力を掘り下げて行きます!
仕込み作業開始!
朝8時に集合すると、すでにクラフトキッチンのスタッフが準備を始めていました。私たちもさっそく調理と設営のお手伝いに取り掛かかります!
まずは野菜を切るお手伝いから。ちょっと味見をさせていただいた、地元の農家さんからもらったというトウモロコシの甘さに衝撃!こんな甘いトウモロコシを食べたのは初めてです。
「とにかく素材が美味しいから同じように調理しても格段に料理が美味しくなるの」
以前そう肇さんが話していたのを思い出します。
肇さんは独自のスパイスを使ってまるで魔法のように次々に鍋の中の具材を変身させていきます。焦げない絶妙なタイミングを見計らって、お鍋をまぜまぜ。
パンの作り手である鎌田香奈さんの作業場にもおじゃましました。
なんと酵母は自家製。近所の方からもらったベリーや木の実、無農薬レモンなどでつくるそうです。発酵はそのときの気候や酵母によってかかる時間が大きく変わるそうなのですが、このときは一次発酵で大体9時間程度。かなり手間がかかっています。
さて、長い時間をかけてじっくり煮込んだお鍋料理が出来上がりました!
特製チリビーンズ。本場メキシコで味わえるかのようなエキゾチックな香りが広がります。
こちらに入っているスパイスは肇さん特製のメキシカンチリミックス。
こちらはクラフトキッチンの定番メニュー。バターチキンカレー。
クローブ・コリアンダー・カイエンヌペッパー・カスリメティなど、本格的なホールスパイスを使ってじっくり煮込んだインドカレーです。さらにこのカレーには「子ども用熟成カレーパウダー」が使われているので、お子さんも食べられるまろやかな優しい味わいです。この子ども用スパイスは、肇さんがママたちから「子どもが食べられる辛くないカレーパウダーがほしい」という悩みがあるのを聞き、独自で開発したものです。
お鍋料理が続々と出来上がってくる頃、鎌田さんのパンの香ばしい匂いが漂ってきました。今回店頭に並ぶのはプレーンのバケットとナッツやベリーが入ったパンの二種類です。
ようやくすべての料理が完成したときにはすでにオープン間近。みんなで協力しながら出来上がった料理を急いで外に並べていきます。
いよいよ「のはらのカフェ」のオープン!
開店と同時にさっそくお客様が来店。見たことのないメニューに戸惑いながらも、スパイス入りミルクのコーヒーと手作り蒸しパンを買って席につき、その独特なスパイスの香りを楽しんでいます。
料理は店の前に設営したテントで来客者に提供します。テントの中では手伝いに来てくれている高校生が、料理を用意しています。メニューは特製バターチキンカレー、チリビーンズ、ジャンバラヤ。その他サイドメニューと、上士幌町内の作り手さんたちの手づくりおやつがあります。
オープンから間もなく、あっという間にお客様でいっぱいになりました。地元の子供からお年寄りまで、はたまた神奈川県から糠平に観光に来たというカップルなど、多種多様な人たちがそれぞれ思い思いにのはらのカフェという空間を楽しんでいます。
のはらのカフェの見どころは手づくりのごはんやおやつだけではありません。お隣のはげあん診療所のお庭がこのときだけ解放されており、その広いお庭で自由にピクニックができるのも魅力の一つ。
はげあん診療所の安藤先生は自給自足の生活をしており、家庭菜園を見るだけで楽しい。さらには、ガチョウ・やぎ・鶏など数多くの動物も暮らしており、触れあうこともできます。この日のお庭ではギタリストである肇さんのご主人・栄さんとトランペットを吹く安藤先生が奏でる音楽が流れ、また庭の一角には移動書店の鈴木書店さんも出店されていました。
午後3時頃になってようやく私たちも一息。心地よい風の吹くお庭で肇さんお手製のバターチキンカレーと自家製ジンジャエールをいただきます。バターチキンカレーは、まろやかな優しい味わいの中にスパイスの香りが絶妙なバランスで合わさっています。美味しい!自家製ジンジャエールは生のショウガがたっぷり入っていて、このピリピリ感がたまりません!
たっぷりの生姜と複数のスパイスが入ったクラフトキッチンオリジナルのジンジャエール。自宅で作れるキットもあります。
トランペットの音、ヤギの鳴き声、子供たちが野原をかけ回る声、さまざまな音色が重なり合います。
「心地良い音楽、おいしい食べ物、自然に囲まれ、本当にいい時間を過ごすことができました」
そう話してくれた来訪者もとっても満足そう。
それぞれの「好き」で人と人とが繋がれる場所、のはらのカフェはそんなところ。肇さんによってつくり出される空間は、まるで彼女が調合したスパイスのようにどこか刺激的で、それでいてアロマのように癒されます。
子どもたちがのびのびと遊べる広いお庭と、完全バリアフリーの高齢者に配慮された店内。のはらのカフェは「こどもも大人もみんなが楽しめてゆっくりできるあそび場をつくりたい」という、肇さんの思いが形となった場所でした。
皆さんもぜひ一度、「肇さんのあそび場」で一息ついてみませんか?そこにはいつだって癒されるスパイスの香りと人々の笑顔が広がっていることでしょう。
【クラフトキッチン】
〒080-1408
北海道河東郡上士幌町上士幌138-4
電話:01564-7-7207
営業日:10:00-16:00(不定休)※営業日は問い合わせください
URL:https://tabi-spice.com/
イベント情報などはSNSから常時発信しています!
Facebook: https://www.facebook.com/kamishihoro.craftkitchen/
Instagram: https://www.instagram.com/craftkitchen_kei