一人ひとりの思いをかたちに―「かみしほろ起業塾」
「かみしほろ起業塾」は、起業・第二創業・新規事業展開の促進と支援を目的に、2018年度から進めている事業です。一人ひとりのやりたいことの実現を通して、地域経済の活性化にもつなげていきます。
初年度は、起業を学ぶためのセミナーや視察、ワークショップを中心に実施しました。2019年度からは「こんなことをやってみたい」というアイデアを持つ方から、起業や新規事業を検討している方までを対象に、実際に事業計画書を作成し、最初の一歩を支援するためのプログラムへと進展させています。
やりたいことを事業計画書で表現する
プログラムでは、専任の講師が一貫して指導やサポートを務めます。参加者は経営の基本や事業計画の必要性について学びながら事業計画書づくりを進め、プログラムの最後では自身が作成した事業計画書を発表します。さらに、受講生に対しては事業着手金の支援制度も設けられています。
2019年度には7名、2020年度は3名が受講し、19年度受講生の一人は実際に上士幌町内での起業を果たしました。
「起業塾に参加したことで、私の中にあった漠然とした思いが徐々に具体的なかたちになっていきました。事業計画をつくるのは大変でしたが、自分と真摯に向き合うことで、自分が本当にやりたいことや大事にしたいことが見えてきた。それを町の皆さんに伝えていったら、たくさんの人が応援してくれて、いつの間にか本当に起業していました」
「かみしほろ起業塾」を経て起業した最初の一人である、齊藤肇さんの言葉です。
一人ひとりの「思いの種」を大切にしたい
「こんな小さな町で起業なんてできるの?」
「もし起業しても、生活していくことは難しいんじゃないか?」
そんなことを思う人も多いかもしれません。でも私たちは、小さな町だからこそ、新しいものを生み出しやすい環境が整っていると考えます。小さな町だからこそ、できるチャレンジがあり、さまざまな人たちがそのチャレンジを応援してくれます。
「挑戦したいことやアイデアがある」
「これまで町になかったものをつくりたい」
「町の事業を継承して、地域のために貢献したい」
そんな一人ひとりの「思いの種」を大切にし、プログラムを通じて育て、実現に向けてかたちにしていく。これが「かみしほろ起業塾」が果たす大きな役割だと思っています。