女性たちが美しく輝くためのサポートがしたい!「さくらフェイス」加藤 康恵さん
上士幌町では、起業・第二創業・新規事業展開の促進と支援を目的として、2018年度から『かみしほろ起業塾』を開催しています。
かみしほろホロロジーでは、かみしほろ起業塾の受講を経て、なりわいを自分で創ることに挑戦している方へのインタビューを行い、ご紹介しています。
今回は、2023年度のかみしほろ起業塾を受講し、2024年6月にエステサロン「さくらフェイス」をオープンした加藤康恵さんにお話を聞きました。
エステサロン「さくらフェイス」
加藤 康恵さん
|かとう・やすえ|上士幌町出身。高校卒業後、旭川市の看護専門学校へ進学し、卒業後は旭川市内のクリニックで看護師として勤務。看護業務に従事する一方で、興味を持っていたエステの技術を学ぶ。2022年の結婚を機に十勝に戻り、エステで開業を考えていたタイミングで起業塾を受講。2024年6月、上士幌町内にエステサロン「さくらフェイス」をオープン。現在は幕別町在住。
「やりたい!」のきっかけは、同僚の笑顔
――「さくらフェイス」オープンおめでとうございます! 上士幌町で初のエステサロンですね。
ありがとうございます。女性たちの心身をサポートしたいという思いで開業しました。忙しい女性たちの癒やしの場になれるよう、また皆さんがいつまでも美しく輝く存在であり続けるためのお手伝いができればと思っています。
「自分史上、最高の笑顔へ」をコンセプトに、店名の「さくらフェイス」には、「女性がサクラのように華やかで美しくなるように」との願いを込めました。
――素敵な思いですね。開業したいと思ったきっかけは何だったのですか?
順を追って話すと、まず私自身が、20代のころから仕事終わりなどにエステに通っていました。エステに行くと、とても癒やされて身も心もリフレッシュするんです。いくつかのお店に通っていたのですが、お店によって施術の仕方や効果も違うんですよね。それで、なぜだろうって徐々に興味がわいてきました。
やがて自分でもやってみたいと思うようになって、講習を受けたりして勉強を始めました。そうしたら当時勤めていたクリニックに、フェイシャルエステマシンがあることを知ったんです。
女性たちが美しくなるためのサポートをします
――エステマシンが?
クリニックの先生の奥様が購入していたものでしたが、あまり使っていなかったそうなんです。それで私がエステの勉強をしていると知っていた同僚から「勉強しているならちょっとやってよ」とお願いされて、仕事終わりにやってあげたんです。そしたらほかの同僚からもお願いされるようになって。顔がすっきりしたり、中には減量につながった同僚もいて、みんなすごく喜んでくれたんですよね。
それが私もうれしくて、女性の美をサポートするエステって楽しいなと思うようになりました。
――なるほど。
その後、結婚して十勝に戻ってきたのですが、仕事をどうしようかと考えているときに、同僚の笑顔を思い出して「エステサロンをやりたい!」と思ったんです。
そんなタイミングで、かみしほろ起業塾を知りました。
「これだ!」と直感して、かみしほろ起業塾を受講
――現在は幕別町在住ですよね。どうして、かみしほろ起業塾の存在を知ったのでしょう?
実家が上士幌町なのですが、あるとき両親に「いつかエステサロンをやってみたい」と話したら「裏にある祖父母の家が空いているから、何かするなら使っていいよ」と言われたんです。
それから時々、掃除をしたり荷物を片付けに来ていました。何年も使っていなかった家なので、これがけっこう大変で。そんなときに「まちジョブハレタ」というサービスがあると聞いて、話を聞きにハレタに行ったんです。
そうしたらたまたま掲示してあった、かみしほろ起業塾のチラシが目に留まって、見た瞬間「これだ!」って直感しました。それでハレタのスタッフさんに「受けたい!」と伝えました。
――ピン! と感じたんですね。
はい。
実は、その日は申し込みの締め切り日を過ぎていたんですけど、「どうしても受けたいんです!」とお願いしたら、すぐに申し込みの書類を書いてほしいと言われて。
その日偶然にハレタに行っていなかったら、かみしほろ起業塾のことは知らずに終わっていました。あとから何かに導かれていたのかもと思ったくらいです(笑)。わがままを聞いてくれたスタッフさんには感謝しています。
――加藤さんの熱意が伝わったのでしょうね。
ありがたいです。
エステをやりたいと思ってから、お店の理念や内装のイメージ、どれくらい売上があればやっていけそうとか、お客様を集めるにはここに広告を出そうとか、考えてまとめていたものがあるんです。
それが頭のなかにあったので、申し込み書類もそれになぞってその場で書きました。
――すごい。ずっとイメージを持っていたのですね。
両親が、家を使うのに家賃はいらないと言ってくれたんです。幕別や帯広でお店をやろうと思ったら家賃がかかるし、それがないなら通いにはなるけど上士幌でやれるかもって思いました。3面が窓で日当たりがよい部屋があって、この部屋を施術スペースにすればお客様もリラックスしてくれると感じて、それから具体的に考えるようになりました。
お客様一人ひとりと向き合い、カウンセリングも行います
――かみしほろ起業塾でその具体的なイメージをさらに事業計画書として形にした、という感じでしょうか?
そうですね。
講座は全部で5回あって、講師の先生から初回に講義を受けた後、基本は自分自身で計画書を完成させるというプログラムだったんですけど…
具体的なイメージがあっても数値として計画書におとしこむのは、結構難しくて。
講師の先生に本当にたくさんの質問をさせていただきました。
――それだけ本気だったということですね。
私は思いを伝えていただけなので、先生は大変だったかもしれません。
あとでスタッフさんから「こんなに先生に質問したのは加藤さんが初めて」と言われましたし(笑)。
1つ1つの質問に丁寧に応えてくださった講師の先生には、今でも感謝が尽きないですね。
最終回では、そうやって完成させた事業計画書を基にプレゼンテーションをしました。
人前で自分が何かを発表するなんて、これまで経験したことがなかったので、めちゃくちゃ緊張したことだけ覚えています。
※加藤さんが受講したかみしほろ起業塾についての記事はコチラからご覧いただけます。
――ちなみに、ご主人は起業に際して何かおっしゃられていましたか?
せっかく十勝に戻ってきたのだから、好きなことをやりなよと言ってくれました。
背中を押してくれて、うれしかったですね。
お客様がきれいになっていくのが喜び
――施術スペースは落ち着ける空間ですね。
白を基調に清潔感のある場所にしたいと思っていました。あとは癒やしのスペースになるので、緑を使いたいなとか、そんなふうに考えてイメージしていました。
施術スペース。日当たりがよくて、とても明るい!
――告知はどのように?
まずはチラシをつくって配布しました。あとは十勝毎日新聞にも取材をしていただきました。新聞は記事が出たらすぐに問い合わせがありましたね。そのほか地域の情報誌などにも掲載していただきました。
――お客様の反応はいかがですか?
むくみがとれたりすると皆さん喜んでくださいます。
お客様は30~40代が多いですが、70代の方もいます。
――ところで、エステの楽しさって何でしょうか?
お客様がきれいになって、喜んでいただけることが何よりうれしいです。施術前と後では結果が目に見えてわかるので、見た目で効果を感じていただけるのもうれしいです。私は施術しながらお客様の変化を感じるんですよ。あごのラインがすっきりしてきたなとか、目元がぱっちりしてきたなとか、変わっていく様子がわかるんです。それも楽しいですね。
ワクワクすることをすれば、うまくいく!
――これからこのサロンをどう育てていきたいですか?
まずは皆さんに気軽に来ていただけるお店にしたいです。お客様が癒やされて、エネルギーを充電していただける場所にしていきたい。
女性が輝くと、仕事や家庭も円満になると思うんです。
そうなれば家族やお子さんも幸せですよね。
その幸せが広がると地域ももっと盛り上がると思います。
生まれ育った上士幌町で開業したからには、まちに対しても貢献できたらと思っています。
――素晴らしいお気持ちです。では、上士幌町で何かにチャレンジしたい人に言葉をいただけるなら?
私は直感で動くタイプなんですけど、直感は大事な気がします。自分の気持ちに素直になって、ワクワクすると感じることをすれば結果的にうまくいくと思うんです。自分がワクワクしていないと続かないし、自分の心が満足しないと思います。
これからの事業について楽しそうに語る加藤さん
――ワクワクする。大事なポイントかもしれません。
もし自分が、何に対してワクワクするかわからないという場合は、まずは行動することだと思います。自分が動いてこそ、良い出会いがあると思うんです。どうしても頭で考えすぎてしまう人もいるかもしれませんが、何でもやってみないとわからないし、行動すれば自分が好きなものや心が動くものに出会っていくと思います。
――私も何かやってみたくなりました。今日はありがとうございました。
皆さんにも充実した人生を歩んでいただきたいです。私自身も、後悔のないように生きていきたいと思います。これから頑張ります!
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バイタリティあふれる加藤さんは、人を元気にする力を持っている方だと思いました。質問に対して一つひとつの言葉をうれしそうに語る加藤さんから、たくさんのエネルギーをもらったように思います。
好きなことをとことん勉強し、地域の皆さんのお役に立ちたいという思いを持ち、店舗経営にチャレンジする加藤さん。
その大きな挑戦を、これからも応援していきたいと思います。
【エステサロン「さくらフェイス」】
河東郡上士幌町字上士幌東3線239番地(ホシ山崎薬局裏)
営業時間9時〜17時(土曜PM・日曜定休)
エステサロン「さくらフェイス」は、この看板が目印です!
TEXT:コジマノリユキ
2018年4月より上士幌町在住のライター。1976年生まれ、新潟県出身。普段は社内報の制作ディレクターとしてリモートワークをしています。写真も撮ります。マイブームはけん玉。モットーは「シンプルに生きる」。