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スマホロ通信第31号(2025年2月発行)

スマホロ通信第31号ではアットインフォカナルのリニューアルについて掲載しています。

裏面では「かみしほろスマートパス」を紹介しています。

クラフトビールを通じて町に文化をつくりたい!「CAMPANILE」粟田誠士さん

上士幌町では、起業・第二創業・新規事業展開の促進と支援を目的として、2018年度から「かみしほろ起業塾」を開催しています。

上士幌ホロロジーでは、かみしほろ起業塾の受講を経て、なりわいを自分で創ることに挑戦している方へのインタビューを行い、紹介しています。

今回は、2023年度のかみしほろ起業塾を受講、クラフトビールで第二創業を目指す、CAMPANILE(カンパニーレ)の粟田誠士さんに聞きました。


CAMPANILE

粟田 誠士さん

|あわた・まこと|(ニックネーム:マーク)

兵庫県神戸市出身。大学卒業後、大阪でキャンプなどのアウトドア事業に従事。2021年7月上士幌町に移住。2022年3月、旅とPizzaとお宿「咲色~Sairo~」をオープン。20年近くの間に世界中を旅するなかで、さまざまな国や地域でビール文化と触れ合う。2023年、クラフトビール醸造所を上士幌町の文化につなげたいという思いから、第二創業を目指してかみしほろ起業塾を受講。


海外を旅して触れたビール文化を上士幌町に!

――マークさんは、クラフトビール醸造業での第二創業を目指して「かみしほろ起業塾(以下、起業塾)」を受講したケースになります。
まずは、なぜクラフトビールだったのかをお聞かせください。

旅が好きで、アメリカやヨーロッパ、アジアも含めてこれまでにたくさんの国をめぐってきましたが、滞在先でビールを飲む機会が多かったんです。
例えば、ニュージーランドで訪れたある町にはバーが1軒しかなかったのですが、夜になると町の人たちが集まってきて、みんなでワイワイとお酒を飲むんですよね。

ビールはどの国、どの町に行っても気軽に飲めます。ニュージーランドのその町でも、夜遅くまでみんな楽しく飲んでいて、いいなぁって思っていました。

――確かに、海外ではどの町にもたいていバーやパブがありますよね。ビールが気軽に飲めるというのもわかります。

上士幌町もお酒が好きな方が多いですよね。
居酒屋もにぎわっていますし、夏はビアガーデンをやったりして飲む機会も多い。
僕自身もお酒が好きなので、町の特産品としてビールをつくって、それが良いかたちで町の文化になっていくといいなと思ったんです。

――文化ですか。素敵な発想ですね。

もう一つ、僕は2021年に妻と上士幌町に移住してきました。上士幌町は、2016年ころから移住者が増えていって人口がV字回復したことで知られていますが、僕たちが移住してきたころにはピークから少しずつ減り始めていました。
いろいろな要因があると思うのですが、少しでも注目してもらえるようなことをして町の発展に貢献できたら、という思いもありました。

インタビューに応えるマークさん

――なるほど。

何ができるかわからないけれど、何かをできる自分でありたいと思っているんです。

まず2022年に、宿とピザを提供する「咲色~Sairo~(以下、咲色)」をオープンしました。こちらはおかげさまで少しずつ軌道に乗ってきました。

そんなあるときに、敷地内にホップが自生しているのを見つけたんです。
それで海外でよくビールを飲んでいたことを思い出し、自分でもやってみようと考えました。

――敷地内にホップですか! それもきっかけだったのですね。

もちろん、いきなり「ビールをやろう!」と思ったわけではありません。ただ「ホップを使えばビールができるな」と考えていたときが、ちょうど2023年度の起業塾が始まるタイミングだったんですよね。
それで起業塾に参加すればアドバイスがもらえて、具体化できるきっかけになるかもしれないと思いました。

どう売るかよりも、まずは良いモノづくりを

――それで起業塾への参加を決めたわけですね。

はい。
起業塾のことは以前から知っていたので、募集が始まると同時に申し込みました。そこでハレタかみしほろのスタッフの方に、ビールがつくれないか、さらには町の文化につなげられないかといったお話をさせていただきました。

第二創業というケースで、受講が認められてうれしかったです。

――「咲色」は前年にご自身で開業されていたわけですものね。起業塾を受講していかがでしたか?

改めてモノを売ることの難しさや、ブランディングの大切さなどを学びました。
「咲色(サイロ)」はピザをメニューの中心にしていますが、なぜピザを選んだかというと十勝でピザはブルーオーシャン(※1)と思ったからです。

(※1)ブルーオーシャン…競争相手が少ない市場を指す言葉

――競合が少ないぞと。

十勝はパンを提供するベーカリーは多いのですが、ピザを専門にやっているお店はそんなに多くないんです。僕たちが移住したときでも数軒だったと思います。しかも北十勝には当時ほとんどなくて、それなら勝負できるかなと。「咲色」はナイタイ高原牧場のふもとにありますから、夏は観光客も多い。十勝には小麦やチーズ、野菜などの食材も豊富にある。それならピザだなと。

「咲色」で提供するピザは、季節によってもさまざま

――そこは戦略もあったのですね。

そうです。
一方でビールはレッドオーシャン(※2)です。お酒のなかでもメジャーですし、クラフトビールも全国各地にあります。そうなるといかに商品を差別化できるかや、PRの仕方などを真剣に考えないといけません。そこは起業塾でもしっかりと考えていきました。

(※2)レッドオーシャン…競争の激しい既存市場のこと

――なるほど。

ただ、どう売るかももちろん大切なのですが、それよりもまずは「いかに良いモノをつくるか」を考えました。
「おいしい」と言っていただけるものでなければ、選んでいただけませんから。

――ビールづくりはどこかで学ばれたのですか?

札幌にある醸造所で勉強しました。そのほか、道内にあるいくつかのブルワリーを見学させていただくなどして、学びました。ビール醸造のための資格も取得しています。ビールはお酒のなかでも製造工程がシンプルなんですよ。

移住のきっかけは十勝晴れの美しさ

――行動力が素晴らしいです。ここからマークさんご自身についても聞かせてください。上士幌町に移住したきっかけは?

大学を出てから、大阪で子ども向けのキャンプや自然体験学習などを企画する仕事をしていました。僕自身キャンプやアウトドアも好きでしたので、仕事は楽しかったし、やりがいもあって充実していました。

それが40歳という年齢が見えるようになって、これまでの仕事を振り返ったときに、やりたいことはほとんどやったな、という思いを持ちました。

――そこでやることはやり切った、と。

そうですね。所属していた法人もだんだん大きくなって、後進も育ってきた。振り返って自分自身は、さらにこの先の人生をどう生きるか、そして何がやりたいのか…。そんなことを考えているうちに、新しいチャレンジがしたい気持ちが芽生えてきたんです。

――そこから移住も選択肢に?

はい。初めに話したように、もともと旅が好きでしたし、結婚してからも妻と二人で国内や海外を旅してきました。北海道も旅行で来ていて「北海道は良かったね」「移住するなら北海道かな」みたいに、最初はとりとめのない会話を二人でしていました。

――よくある会話ですよね。

そしたらふと、高校時代に青春18きっぷを使って北海道を旅したことを思い出して。旅の途中で立ち寄った牧場を手伝わせてもらったことや、そのときに見た景色がよみがえってきて、北海道への思いが強くなっていきました。
それで調べたらいろいろな自治体で移住体験をしていることがわかって、2019年に上士幌町で移住体験をしたんです。

――移住体験もされていたのですね。

たまたまネットで調べたら上士幌町がヒットして、応募内容を見たときになぜか直感で「申し込もう!」と思ったんですよね。そしたらすぐに担当の方から連絡をいただいて、たまたま仕事の休み期間で行けるとわかったので、来ました。それが2019年1月です。

――実際に暮らしてみて、どんなことを思いましたか。

まず冬の十勝の美しさに感動しました。

十勝晴れという言葉もそのときに知りましたが、こんなにもきれいなのかと。

実はその移住体験の間に、ほかのエリアも訪れて移住先として検討していたんです。

ですが、やはり十勝晴れの美しさが心に残り、移住するなら十勝エリアにしようと決意しました。

マークさんが感動した十勝の冬景色。「咲色」の黄色い建物もよく映えます

――そこから上士幌町を選んだ理由は?

これもたまたまなんですけど、移住体験中にアキマサさん(※3)を紹介してもらったことがきっかけです。

紹介していただたあと、こんな土地に住みたい、という僕の希望をアキマサさんにすべてお伝えしたんですよね。
そしたらその年の春頃に「土地が見つかった」と連絡をいただきました。現地を見に行って気に入ったのですが、農地法に引っかかる土地だったようで、結果的には購入できなかったんです。
アキマサさんも何とかしようとしてくださったのですが、どうにもできなかったみたいで。そうしたら、後日わざわざ大阪まで謝りにきてくださったんです。

(※3)株式会社アキマサ。上士幌町で施設建物の維持・補修事業のほか不動産取引業も手掛けている

――そんなことまで?

「このたびは申し訳なかった。必ず希望にかなう土地を探すから」とおっしゃってくださいました。
そこまでしてくださったことにも感激して、アキマサさんになら任せられると思いました。

その半年後くらいにまた連絡があって、そのときに紹介してもらったのが、いま「咲色」を営んでいるこの場所なんです。

――素敵なストーリーです。私が感激しています。

その連絡をいただいたときも、これもたまたま北海道にいたタイミングだったんですよ(笑)。それですぐに見に来て、即決しました。

――たまたまの偶然が続いていて、もう導かれてきたとしか思えませんね(笑)。

僕は「運とタイミングとご縁」だと思っています。
これが上士幌町を選んだ一番の理由かもしれないですね。

上士幌町産クラフトビールを目指して

――話をクラフトビールに戻します。これからの展望などを教えてください。

ビールは、低アルコールビールで行くと決めています。お酒はどうしても飲みすぎると健康への心配が出てきますよね。
みんなが健康に過ごしながら、ワイワイとコミュニケーションを図る文化をつくりたいと考えたときに、低アルコールがいいなと思ったんです。

――いまつくっているのは2種類ですね。

ゴールデンエール(狐空=こくう)とホワイトエール(狐白=こはく)です。どちらもアルコールは1%以下です。
まだ製造量も少ないので「咲色」に来てくださったお客様や、町のイベントなどで少しずつ販売しています。
いずれは町のスーパーや道の駅、ふるさと納税の返礼品など、販路も広げていきたいです。

左が「狐白」、右が「狐空」

――敷地内でホップが自生していたというお話もありましたが、原材料については、どうお考えですか?

はい。なるべく上士幌町産のものを使いたいなと思っています。

上士幌町を好きになって、上士幌町の住民になった人間が、上士幌町産のものを使ってビールをつくる。そのストーリーを知った人が共感して町を訪れてくれたり、移住してくれたりするかもしれないと思えるんです。

今も少しずつトライは重ねていて、原料以外にも、たとえば糠平ダムで熟成させているものがあります。

――糠平ダムで?

年間を通して温度が一定の場所があって、そこで熟成させたらどんな味になるのかと思って、町や管理会社に相談したら協力していただけることになりました。
皆さんが協力してくださることも本当にありがたいと思います。

――うまくいけば、ブランディングにもつながりそうですね。

はい。将来的には醸造所もいつかつくりたいと思っていますし、いずれは売上の一部を寄付する仕組みもつくりたいと考えていますが、まずは細く長くビールづくりを続けていくことが目標ですね。

――今日はありがとうございました。これからの展開を応援していきます!

ありがとうございます! 身近なところでは妻が応援してくれていますから、その気持ちに応えるためにも、頑張っていきます!

一番の応援者である、奥様の美咲(みさき)さんと

=========

「咲色」の開業もそうですが、思い立ったらすぐに動くマークさんの行動力に驚かされました。

まっすぐな情熱と、上士幌町のためになることをしたいという思いが多くの人たちに伝わって、それがかたちになっています。

クラフトビール事業は産声を上げたばかり。どのように成長していくのか、とても楽しみです。

CAMPANILEのクラフトビールは、咲色や町内のイベントなどで購入することができるそうです。
思いの詰まったビールを、ぜひたくさんの人たちに知ってほしいなと思います。

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