スマホロ通信第24号(2024年7月 発行)
スマホロ通信第24号では検索機能の使い方について説明をしていま
す。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/07/403193d8fc08a0e39c6c54c280e0a8ba-1180x1669.png)
裏面では6月に開催した「グループLINE教室」のレポートを掲載し
ています。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/07/fc5dfe55d82cd9868681e4e41477edc9-1180x1669.png)
スマホロ通信第23号(2024年6月 発行)
スマホロ通信第23号ではバルーンスタンプアプリの紹介をしています。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/06/884f06086c863ad609d2cdf19d9e2abc-1180x1669.png)
裏面では5月に開催した「グループLINE教室」のレポートを掲載しています。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/06/4fa3f977bde6041607683710a79632d2-1180x1669.png)
スマホロ通信第22号(2024年5月 発行)
スマホロ通信第22号ではスマホの料金の仕組みについて簡単に説明しています。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/05/975a2fe9986b51c23f99c697f04f117f-1180x1669.png)
裏面では4月に開催した「春のフォトウォーク」のレポートを掲載しています。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/05/442eca44ec8e4c316df3ab5fbc5b07c6-1180x1669.png)
スマホロ通信第21号(2024年4月 発行)
スマホロ通信第21号ではグループ向け出張窓口のご案内をしています。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/04/786e9938280ee6d2d35a5d42156ec55c-1180x1669.png)
裏面では2月に開催した「防犯教室」のレポートを掲載しています。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/04/533f2f126760f20966cf49c0e3a8ad74-1180x1669.png)
可能性の種が育つ土壌-2023年度ハレタかみしほろ活用状況-
自分だけの趣味や特技を周りの人に向けて表現し、それが誰かの喜びにつながることで、チャレンジした町民の皆さんが持っている「可能性の種」が育つハレたね企画。
まちづくり会社では、町民の皆さんが持つ種が育つ土壌として、ハレタかみしほろを活用した様々な事業を推進しています。
2023年度、ハレタかみしほろでどんな種が蒔かれ、どんな場ができたのか、1年を振り返ります。
▷ハレたね企画担当者インタビューはこちらから
アクティブシニアの皆さんが野菜を通じて集う場
「あー笑った笑った」「年ばっかとってどうしようもないねぇ(笑)」「この間○○さんがもってきてくれたお土産が美味しくてさ…」
2023年度の火曜日は、ハレタかみしほろにたくさんのおしゃべりと笑い声が響いている日が多かったと思います。
町内のシニア女性がグループで自家栽培のお野菜を販売する「かあちゃんばあちゃん野菜市」が開催されていたからです。
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かあちゃんばあちゃん野菜市
野菜を販売する。購入する。
そのやりとりの中で、野菜の保存方法やレシピ、最近の身体の具合、共通の知り合いの話など、たくさんのコミュニケーションが交わされます。お客さんも老若男女、さまざまな方が来場されます。
常連のお客さんである3歳になる女の子からメンバーの皆さんに、似顔絵付きのお手紙が届けられたこともありました。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/04/image.png)
かわいいイラスト付きの手紙に笑みがこぼれる
美味しくて新鮮な野菜が購入できるからという理由だけでなく、「かあちゃんばあちゃん野菜市のメンバーとお話していると元気が出る」そんな気持ちで来場してくださる方が多くいらっしゃったようです。いつの間にか小さな多世代交流が少しずつ生まれる場になっていました。
これからの自分の道を模索する若者たちが町民の皆さんとコミュニケーションをとる場
まちづくり会社では、日本全国の若者が上士幌町に1ヵ月間滞在して、遊ぶ、学ぶ、働く体験をするマイミチプロジェクトも行っています。
▷マイミチプロジェクトについてはこちらから
2023年度も2期にわたって合計10人の若者たちが、上士幌町で過ごしました。
その1ヵ月の中で働くプログラムの一環として、ハレタかみしほろで開催されるのがIBASYOバーです。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/04/image-1-1180x786.jpeg)
IBASYOバー
また、上士幌町でJICA海外協力隊のグローカルプログラム※が実施され、その参加メンバーもIBASYOバーを開催してくれました。
※JICAグローカルプログラムとは…JICA海外協力隊が海外に派遣される前に、地域活性化に取組むプログラム
プログラム中に出会った町民から、その方のお知り合いの方などが多数来場されて、つながりが少しづつひろがり、上士幌町民と若者たちとの結びつきが深くなっていく。
一日限りの開催でも参加者と、町民の皆さんにとって貴重なコミュニケーションの場となったようでした。
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町民の方と自然に会話がはずむ
「皆で目指したい社会」に向かって啓蒙を行う場
ハレタでイベントの開催にチャレンジした町民の中には、自分の趣味や特技が周りの人の喜びにつながるという体験のその先に、自分が実現したいと思う社会への想いを描いている方もいらっしゃいます。
2022年度よりチャリティカフェ&お話会を主催している方は、犬猫の保護活動を以前より応援されており、その趣旨に賛同した町内の動物病院のスタッフのメンバーの方々は、動物を飼う前に飼い主になる方に、知っておいてほしいことを伝えたいという想いをお持ちでした。
そんな想いと想いが結びつき、「人間にとっても身近な動物にとっても暮らしやすい社会」を目指して、2023年度も合計3回チャリティカフェ&お話会を開催されました。
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チャリティカフェ&お話会
主催の方が得意とする和菓子をつくり、カフェを運営することでその利益を運営費用とし、余った利益は寄付を行う仕組みです。
動物病院の方は、カフェの開催時間に犬や猫をペットとして飼うときに知っておいてほしいことなどをスライドにまとめてお話されました。
現在ペットを飼っている方だけでなく、これからペットを飼いたいと思っている方にも参考になるお話がたくさんあり、「人間にとっても身近な動物にとっても暮らしやすい社会」について想いをはせる機会となっていました。
同じように、町内の方々に酪農業についてもっと知ってほしい、牛乳の消費を拡大したいという啓蒙の想いから、牛乳に関するイベントを開催された方もいました。
▷詳細は過去の記事にてご紹介しています。
アートを楽しむ場
上士幌町はスポーツが盛んな町ですが、アートにも触れてほしいという想いから写真展&演奏会やギャラリー展示販売を行った方たちもいました。
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写真展&演奏会 / 紅茶とお菓子の販売も行われた
イベント開催の日には、ピアノ演奏に耳を傾けたり、写真の展示を眺めながらティータイムを楽しむ町民でハレタかみしほろが満席となりました。
町の中でアートを楽しむという文化醸成の一助になったのではないかと想います。
チャレンジの花が咲く町
2023年度、ハレタかみしほろでは、今回ご紹介したほかにも、80人近くのチャレンジャーの方による100件以上のイベントが開催され、累計6000人を超える方にご来場いただきました。
たくさんの方が、想いをもって挑戦されたことが、数字としての結果につながりました。
イベント開催以外にも、スマホロや健康ポイント事業、まちジョブ事業などまちづくり会社の事業をとおして、たくさんの町民の皆さんにご来場いただき、様々なつながりが生まれたことを実感しています。
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チャレンジの花が咲く町に
2024年度以降も、ハレタかみしほろが町民の皆さんの可能性の種が育つ土壌となり、上士幌町全体がたくさんのチャレンジの花が咲く町となるよう事業を推進していきたいと思います。
スマホロ通信第20号(2024年3月 発行)
スマホロ通信第20号ではスマホロ利用者の方へのインタビュー記事
を掲載しています。
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裏面ではスマホロ通信のバックナンバーと上士幌町高齢者向けタブ
レットの紹介をしています。
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スマホロ通信第19号(2024年2月 発行)
スマホロ通信第19号ではストレートネック(スマホ首)解消ストレッ
チを紹介しています。
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裏面ではブルーライトについて説明しています。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/02/39669e55ab104752d27af0a90bfcb7be-1180x1669.png)
担当者インタビュー「まちジョブハレタ」お互いを支え合う共助の仕組みづくり
町民の困りごとを町民が解決する――「まちジョブハレタ」は、地域に住む人たちがお互いを支え合う仕組みです。2021年10月からこの事業を担当する岩部栄美さんに、事業について、そしてご自身の思いについてお聞きしました。
まちジョブの作業についてまとめた記事もあるので、ぜひこちらもご覧ください。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/02/2bc2e3c7312766f14607cfbd1ec837ef.jpg)
「まちジョブハレタ」担当
岩部栄美さん
北海道清水町生まれ。2021年10月に帯広市から移住。
地域おこし協力隊「生涯活躍のまち推進員」として、(株)生涯活躍のまちかみしほろ(まちづくり会社)に勤務。「まちジョブハレタ」「無料職業紹介所」など、まちの仕事や求人にかかわる事業を担当。
人と人をつなぐ仕事に興味を持った
――まずは岩部さんについて聞かせてください。まちづくり会社で働くことになった経緯は?
岩部:帯広市に住んでいたのですが、夫が隣町の士幌町の会社に転職したことをきっかけに、私もその近辺で仕事を探していたんです。転職サイトを見ていたら上士幌町で地域おこし協力隊を募集しているのを見つけて、応募しました。
――それが現在の仕事だったわけですね。
岩部:そうです。求人には「生涯活躍のまち推進員」とあって、はじめは「何をする仕事なんだろう?」と思っていましたが(笑)。
――なるほど(笑)。
岩部:前職では労務管理の仕事をしていたのですが、会社で雇用した外国人実習生や障がい者の方々を各部署に配置する業務コーディネーターの役割も担っていました。そのときに「人と人をつなぐ仕事っておもしろいな」と感じるようになったんです。この仕事も求人票に「町民同士をつなぐマッチングの仕事」と書かれていたので、経験を活かすことができるのではないかと思いました。それで採用していただけたので、2021年10月に夫婦で上士幌町に移住しました。
――そういう経緯だったのですね。仕事は当初から「まちジョブハレタ」を担当されているのですか?
岩部:はい。「まちジョブハレタ」と「無料職業紹介所」を担当しています。
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岩部栄美さん
「まちジョブハレタ」は「共助の仕組み」
――このインタビューでは主に「まちジョブハレタ」について伺いたいのですが、どんな事業か教えてください。
岩部:ひと言でいうと、町民の困りごとを町民が解決する「共助の仕組み」づくりです。例えば「昨年までは自分で草刈りができていたんだけど、今年は体が動かなくなってきたので誰かできる人にお願いしたい」といった声があったときに、草刈り作業ができる町民の方に依頼して、代行で作業をしてもらいます。ボランティアではなく、お仕事として依頼するので報酬も発生します。そのように、困りごとがある依頼者とそれを解決できる作業者をつなぐ仕組みになります。
――地域の人たちがお互いに助け合う仕組み、というわけですね。
岩部:そうです。仕組みとしては「まちジョブハレタ」というマッチングサイトがあって、そこに依頼したい仕事を掲載したり、手助けをしたい人は自分の特技やスキルを掲載しています。その際、仕事を依頼したい人は「依頼会員」、手助けをしたい人は「作業会員」として登録をしてもらいます。ただ、依頼会員も作業会員も高齢者の方が多いので、実際の受付などのやりとりは電話ですることも多いです。
――現在、どれくらいの会員数なのですか?
岩部:2024年1月時点で依頼会員が約120名。これは個人だけでなくて法人も含まれます。作業会員が約180名です。
――全部で300名。かなりいらっしゃいますね。
岩部:そうですね。私が着任した2021年10月では合わせて約200名でしたので、この2年間でも100名ほど会員が増えています。
――会員はどうやって増やしているのですか?
岩部:作業会員は町の広報や新聞折込みなどで募集しています。でも多いのは町民の方からのご紹介ですね。年代では70歳代以上でまだまだ体を動かしたい、誰かの役に立ちたい、という方が多いです。上士幌町は元気なシニアの方が多いと感じますね。新規のお仕事のご依頼も口コミによるものが多いです。例えば、作業会員さんが依頼を受けたお宅の草刈りをしていると、隣に住んでいる方から「どこに頼んだの?」と聞かれて、その方からご依頼の連絡をいただいたりします。
――どんな依頼が多いですか?
岩部:草刈りや庭木の剪定といった庭仕事ですね。特に夏は草刈りの依頼が増えるので、ほぼ毎日のようにどこかで作業をしていますよ(笑)。草刈りは遠方からの依頼も多いんです。今は本州に住んでいるけれど実家が上士幌町にあるので、実家の草刈りをしてほしいといった依頼が年々増えています。秋になると農家さんから農作物の収穫を手伝ってほしいという依頼が増えます。反面、冬は依頼が少なくなりますね。
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雑草抜きや窓拭きの依頼を受ける作業会員
――年間ではどれくらいの数の稼働がありますか?
岩部:マッチング件数でいえば800件くらいですね。
――800件!? そんなにあるんですか?
岩部:はい。依頼数そのものはもう少し少ないのですが、例えば一つの依頼で作業会員さんが2回稼働すると2マッチングとカウントするので、積み重ねていくとそれくらいの数になります。
――それでもすごい件数ですね。それだけの困りごとを解決しているというのは素晴らしいと思います。
岩部:そうですね。会員の皆さんには本当に感謝しています。
「ありがとう」の言葉が何よりのやりがい
――この事業を担当されていて、やりがいに感じることは何でしょうか?
岩部:それは何といっても会員さんからの「ありがとう」という言葉ですね。依頼会員さんからはもちろん、作業会員さんからも「役に立ててよかった。ありがとう」という声を耳にするたびに、この事業を担当していてよかったなと思います。
――逆に苦労されたり、大変だなと感じることは?
岩部:ルールの徹底の難しさでしょうか。例えば庭木の剪定作業では、高所作業になると危険なので請けていないんです。私たちのルールでは作業に使う脚立のサイズを決めていて、それより高いサイズの脚立を使用する場合は、町の業者さんなどをご紹介するようにしています。以前、「これくらいならできるよ」と、作業会員さんが善意で作業してしまったことがあるんです。事前に説明はしていたのですが、できることはやってあげたくなっちゃったみたいで……。
――上士幌町は優しい方が多いと聞くので、町民性も感じますね(苦笑)。
岩部:そうですね(笑)。でも何かあってからでは遅いので、そういったルールなどは改めて徹底していかないといけないと感じています。
――改善に向けて行っていることはありますか?
岩部:まずは作業会員さんにしっかりルールをお伝えしたり、講習会や勉強会を定期的に行っています。草刈りなどは自己流でやってきた方も多いので、改めて手順を説明したりもします。
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花壇整備や窓拭きの講習を開催
――安全面からも大切なことですね。
岩部:ほかには、花壇整備に関する講習を行いました。花壇整備は上士幌町からの依頼なのですが、今までボランティアで行ってくださっていた方たちが高齢になって難しくなってきたので、主婦の方やお花が好きな作業会員さんにお願いしています。講習では、十勝ヒルズのガーデナーの方に来ていただいて、花の知識や整備について教えていただきました。家の掃除などもニーズが出てきているので、今後はこうした講習会なども増やしていきたいですね。
――岩部さん自身が心がけていることはありますか?
岩部:一番はコミュニケーションですね。作業会員さんが入る現場には必ず顔を出すようにしています。現場に行くと「この作業をするのにこんな道具がほしい」といった声を聞くこともあります。それで次の作業までに用意したり、作業時間が長い現場には飲み物などを差し入れするときもあります。
――確かに、担当としても現場を知ることは大切ですよね。
岩部:はい。現場に行って会員さんたちと会話をする中で、いろいろと気づくことも多いです。それに、私は皆さんのお話を聞くのも好きなので、休憩中に依頼会員さんと作業会員さんが楽しそうに会話している様子などを見るとうれしくなるんです。
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作業会員とコミュニケーションを取る岩部さん
――現場で印象に残っているエピソードなどはありますか?
岩部:そうですね……予定の時間に現場に行ったら、誰もいなくて作業が終わっていたことがありました。聞いたら作業会員さんが時間を勘違いされて、ずいぶん早い時間に来て作業をしていたそうなんです。連絡では電話を使うこともまだ多いことから、そうした行き違いも時々起きるので、改善の仕組みをつくってきたいと思っています。
本当の「共助の仕組み」を目指して
――改善という言葉が出たところで、今後の目標や展望などをお聞かせください。
岩部:作業会員さんが仕事をしやすい環境はもっと整えていきたいですね。年々会員さんも増えているので、講習や作業ごとのルールやマニュアルづくりなどをしっかりやっていきたいなと思っています。
――まだまだ改善の余地はありますか。
岩部:そうですね。まちづくり会社では、スマートフォンの使い方の相談窓口「スマホロ」という事業も行っています。この「スマホロ」と連携して、今までは主に電話で連絡を取り合ってきたシニア世代の作業会員さんとのグループLINEを作ることも考えています。スマートフォンを持っていない方には町から貸与されているタブレットを使っていただいて、少しずつデジタルツールにも慣れていただけるといいなと思っています。
――デジタルツールがうまく活用できれば、さらに便利になりますね。
岩部:はい。ほかには、町の地域包括支援センターなどとも少しずつ連携させていただいています。現場に行ったときに、依頼会員さんの体調や顔色が優れないなと感じたら、すぐに地域包括支援センターに連絡を入れたりしています。担当の方でも全ての町民の方たちの様子を日々把握できているわけではないので、とても助かると喜ばれています。
――見守りのような役割も果たしているんですね。
岩部:そうですね。行政ではカバーできないことを私たちが補っているところもあると感じています。あとは、若い人たちにも、これからもっと地域の困りごと解決のお手伝いをしていただきたいと考えています。会員登録は、高校生からできるんですよ。高校生の作業会員が増えれば、若い世代とシニア世代の交流にもつなげられるんじゃないかと思っています。多世代で支え合えれば「まちジョブハレタ」は、本当の意味での「共助の仕組み」になっていくと思います。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/02/07121952166815071a723db1c0a1196f.jpg)
――多世代が支え合う町、素敵ですね。これからも頑張ってください。今日はありがとうございました。
岩部:ありがとうございました。頑張ります!
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「人と人をつなげていくのが楽しい」と話してくれた岩部さん。人と接することはもちろん、「まちジョブハレタ」の仕組みが少しずつ整っていくことも、岩部さんの大きなモチベーションになっているようです。
「地域の人たちがお互いを支え合い、助け合える町にしていきたい」。岩部さんの思いは、きっと町の人たちに届いていくことと思います。
TEXT:コジマノリユキ
2018年4月より上士幌町在住のライター。1976年生まれ、新潟県出身。普段は社内報の制作ディレクターとしてリモートワークをしています。写真も撮ります。マイブームはけん玉。モットーは「シンプルに生きる」。
【上士幌町】チャレンジshop ハレたな屋インタビューVol.4 CHIPPI佐近千皓さん
まちづくり会社では、上士幌町民の方々が趣味や特技を活かして作ったハンドメイド作品を棚貸しで販売する、チャレンジshop「ハレたな屋」を運営しており、2024年1月現在、23名の作り手さんが出店をしてくださっています。
第4回目となる今回は、刺繍のブローチとアクセサリーを販売しているCHIPPI(チッピ)の「佐近千皓(さこんちひろ)」さんをご紹介いたします。
第3回目のインタビューはこちらから
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2021/09/bfaf6f630c74b468b86659acac8743f8-1.jpg)
WRITER/PHOTOGRAPHER
土門 史幸
フリーカメラマン。2021年6月から上士幌町で地域おこし協力隊としてまちづくり会社で活動中。苫小牧市出身。写真や動画で地域の魅力を伝えたい。空・水中ドローンも扱えます。
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佐近千皓さん。左胸のブローチはご自身の作品
―佐近さんのハンドメイド作品について教えてください。
刺繍のブローチやイヤリングなどのアクセサリーを作っています。
―ハンドメイドを始めたきっかけは何かあったのでしょうか?
上士幌町に移住する前は、神奈川県で専業主婦をしていたのですが、そのときに何かやってみたいなと思って、2020年から趣味として始めました。
ただ始めるときから、いつかは販売しようと思っていたので、同じ年からネット販売も開始しました。
―なぜ刺繍を選んだのですか?
小さい頃から絵を描くことが好きで、自分の描いた絵を作品として形にしやすかったので刺繍を選びました。
―デザインもご自身でされているのですね。
そうです。
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佐近さんの制作した刺繍のブローチ
―制作時間は1つ作るのにどのくらいかかりますか?
サイズにもよりますが、6〜10時間くらいかかります。
初めて作るものや大きいものは時間がかかるので、ドラマが1クール全て見終わっちゃうくらいの時間ですね(笑)。
それによく指に針を刺しています(笑)。
ドラマを見ながらやっているからでしょうけど・・・。
―デザインも細やかなので、相当な時間がかかるのだろうなと予想はしていました。佐近さんは、1つの作品を1日で作り上げるタイプですか?
毎日コツコツ作るタイプです
なかなか一気に作ることができないのが悔しいところですが・・・。
作り方としては、絵を紙に描いてからクリアーホルダーにトレース(写し描き)して切り取ります。
そして土台となるフェルトに切り取った絵を当てて、形を成形していきます。
そのあとに、ビーズやスパンコールを刺繍糸で縫い付けていきます。
―同じブローチでも、たとえばこのウミウシは尻尾のような部分(※)がビーズで立体的になっていますよね。(※二次鰓(にじえら)と呼ばれる部位)
はい。
ビーズ用の糸で4つくらいのビーズをまとめて1つにして、立体になる縫い方で縫っています。
ウミウシもたくさんの種類がいるので、全種類作品として作っていきたいです。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/01/8a0500b782b5212e54718538a8ef850a.jpg)
佐近さんが制作したウミウシのブローチ
写真提供:佐近千皓さん
―話は変わりますが、佐近さんは、どのようなきっかけで上士幌町に移住されたのですか?
上士幌町には、2022年に移住してきました。
きっかけは、こども園の幼児教育支援コーディネーターが地域おこし協力隊として募集されていて、その仕事に興味を持ったからです。
―ハレタのチャレンジshopはどうやって知りましたか?
幼児教育支援コーディーネーターの同僚から教えてもらいました。
すでにネット販売もしていましたし、出品できるならやってみようと思って出店しました。
―棚貸しではありますが、店頭販売とネット販売での違いは感じましたか?
上士幌町は神奈川県と比べて当然人口規模が小さいので、店頭で並べても、お客さんに見てもらえないのでは?と思っていましたが、思っていた以上に手に取って見てくれる方が多く、自分の作品で喜んでもらえることを実感しました!
それとチャレンジshopに出店してから、初めて対面販売もやりました。
―初めての対面販売はどうでしたか?
作品を褒めてくれる方が多くて、すごくびっくりしました。
前向きなお言葉をたくさんいただけるので、それがモチベーションになっています。
私は仕事をしながら刺繍を続ける自信がなかったため、刺繍作家としての活動もいつ終わってもおかしくないなと自分では思っています。
なので今続けられているのは、対面販売でお客さんと直接コミュニケーションをとれているからだと思います。
―前向きなお言葉とありましたが、印象に残っている言葉はありますか?
「ひとつひとつすごく丁寧で、刺繍だけじゃなくて、きっと他のことも大事にするんだね」と言っていただけたときはすごく嬉しかったです。
―作品を通して、お客さんとあたたかいコミュニケーションをとっていらっしゃるのを感じます。海の生物をよくモチーフにされていますが、なにか理由はありますか?
そうですね。
海の生き物が好きで、小さい頃から絵を描いていました。
海の生き物以外の動物は、犬のブローチなども作りますが、オーダーでお受けして制作のきっかけとなることが多いです。
―今後やりたいことはありますか?
海の生き物をモチーフにした作品を集めて、水族館のような個展を開きたいので、作品を作りためていきたいと思っています。
―水族館ぜひ見たいです。開催予定は具体的に決めていらっしゃいますか?
今年の上士幌町町民文化祭で披露したいと思っています。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/01/dc4e2c5d43ef587074a11ce4db86d7e6.jpg)
今後の意気込みを語る佐近さん
毎年11月に開催される町民文化祭では、書道・写真・文芸・陶芸・手芸・児童作品など、子どもからシニア世代まで町民の力作が勢揃いします。
今年は佐近さんの水族館が見られるかもしれないと思うと、今から町民文化祭が楽しみです。
ハレタかみしほろでは、現在チャレンジshopハレたな屋の出店希望者を募集しております。手作りは好きだけど販売なんて・・・と思っている方。
一歩踏み出して、新しいチャレンジを始めてみませんか?
出店を希望される方は、ぜひお問い合わせください。
お問合せ先
生涯活躍のまちかみしほろ(ハレタかみしほろ内)
連絡先 01564-7-7630
メール info@kamishihoro-town.com
LINE https://lin.ee/NFlKbt0
担当 小川
スマホロ通信第18号(2024年1月 発行)
スマホロ通信第18号ではオンラインギフトについて説明しています。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/01/8305601734f588b3c93e9443eca1d018-1180x1669.png)
裏面ではLINEギフトついて説明しています。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2024/01/d2b01c920af26a07cbecc5e3c56be010-1180x1669.png)
モ~ッとのもう!モーモーフェスが開催されました!
皆さんは、1日にどのくらい牛乳を飲みますか?
そして『酪農業』について、どのくらいの知識をもっていらっしゃいますか?
『牛乳消費拡大』というワードが全国的に聞かれるようになった昨今、上士幌町内でもあるきっかけから、1人の女性が、町内での牛乳消費拡大を推進したい、町の基幹産業である酪農業について広く知ってもらいたいという想いを持つようになりました。
町内で新聞販売店を営む吉田恵さんです。
そしてその想いから、イベント開催を企画し、令和5年10月22日ハレタかみしほろにて「モ~ッとのもう!モーモーフェス」を実施しました。
本記事では吉田さんの想いと、イベントの当日の様子について紹介していきます。
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PHOTOGRAPHER
土門 史幸
フリーカメラマン。2021年6月から上士幌町で地域おこし協力隊としてまちづくり会社で活動中。苫小牧市出身。写真や動画で地域の魅力を伝えたい。空・水中ドローンも扱えます。
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WRITER
渥美 緑(あつみ みどり)
2022年1月より静岡県から上士幌町へ移住。地域おこし協力隊としてまちづくり会社で活動中。コミュニティづくりに携わる中で出会った上士幌の人・もの・ことを、言葉をとおして伝えていきます。
上士幌町にいるのに、意外と酪農のこと知らないな…
上士幌町は日本一広い公共牧場であるナイタイ高原牧場を有し、人口約5000人に対し、47,000頭以上の牛が飼養されています。
当然、基幹産業の1つである酪農業にも多くの方が従事されています。
とはいえ、仕事として酪農業に携わらない町民の方々が、日々の暮らしの中で酪農のことを知る機会はなかなかないのが実情です。
吉田さんが酪農家の方のお話を聞いたのも、本当に偶然だったそうです。
モ~ッとのもう!モーモーフェスを主催した吉田恵さん
「今年の春頃、もともとの知り合いの酪農家の方と雑談していた中で、『絞れば絞るほど赤字で..牛乳をもっと飲んで欲しいんだよね』というお話を聞いてとても驚きました。
大変だとは聞いていたけれど、そこまで大変だとは思っていなかったんです。
コロナの時には「牛乳消費」という言葉もたくさん聞いたし、イベントもやっていたように思います。
でも最近はそういったイベントも、頻度や規模として縮小しているイメージだったので、そもそもの牛乳を消費しなきゃいけない状態というのもおさまってきていて、酪農家の方たちの状況も回復してきているのかなと勝手に思い込んでいました。」
バター不足から講じた国の増頭対策の効果発現時期が、ちょうど新型コロナウィルス感染症で給食がなくなった時期と重なり、全国的にも牛乳消費拡大について話題になっていました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の位置づけが2類から5類に変更されるようになった頃から、牛乳消費についても大きく話題になることは減ったように感じます。
「そんなに大変なんだという衝撃とともに、町内に居ながら、酪農業について何も知らなかったんだな、ということに気づかされたんですよね。
そこから、ほかの酪農家さんのお話も聞いてみたい、できることがあるんだったら協力したいと思うようになりました。」
有言実行の吉田さん、そこから町内の酪農家のお宅を何軒か訪ね、実際にお話を伺いにいったそうです。
「お話を聞かせていただいた酪農家の皆さんは、やはり牛乳をもっと飲んでほしいという想いをお持ちでした。
話を聞いているうちに、私だけじゃなくて、町内のたくさんの皆さんに酪農業を応援してもらいたい、牛乳を飲んで欲しいという想いが強くなりました。
酪農家の方の中には、家庭での継続的な牛乳消費につながるような、意識向上イベントをやりたいと考えている方もいらして、でも酪農家の方は本業で忙しいから出来ないし…
それなら、まずは私がやろう!と思ったんです。それでまちづくり会社に相談に行きました。」
そこからモーモーフェスの開催に向けて、走り出した吉田さん。
アイディアが豊富で、たくさんのイベントコンテンツ案が議論されましたが、イベントの時だけで終わるものではなく、家庭での継続的な牛乳消費につながること、そして来てくれた方に酪農業のことを少しでも知ってもらうことをコンセプトに、屋内でできるコンテンツから実施することとなりました。
第1回モ~ッとのもう!モーモーフェス
そうして第1回目のイベント内容が、
・牛乳のアレンジドリンクを楽しめる「ミルク&スープバー」
・牛をテーマにしたミニ工作体験コーナー
・酪農業に関するパネル展示
・来場者へのアンケート実施
に決定されました。
開催にあたっては、JA上士幌や上士幌町役場農林課にも開催趣旨を説明に伺って協力をお願いし、牛乳や上士幌の特産品の寄付と開催へのアドバイスをいただきました。
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JA上士幌より提供いただいた牛乳でミルク&スープバーを実施
ミルク&スープバーでは寄付いただいたゆであずきと牛乳を組み合わせたあずきミルクや、上士幌町産のかぼちゃを使用して作ったかぼちゃスープを販売しました。
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ミルク&スープバーでは6種類のミルクレシピを提供
また、家庭での消費を促すため、ミルク&スープバーで提供したメニューについては、レシピも配布しました。
酪農業に関するパネル展示では、酪農家の一日の流れを紹介しました。
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パネル展示の様子、手前の本は酪農家の方が自発的に持参してくださった
今後は知識を増やすだけでなく、酪農家の方の想い、酪農を頑張ってくださっている方へのメッセージが相互に交差するような仕組みも考えていきたいということです。
来場者の方へのアンケートでは、ミルク&スープバーで美味しかった飲み方や、自宅でよく作る牛乳を使った飲み物やスイーツのレシピ、今後モーモーフェスで味わいたいメニューなどの情報を収集したようです。
アンケートでも人気だったスープとドリンクのミルクレシピ、会場でも配布した
吉田さんは「思ったよりも本当にたくさんの方に来ていただいて、喜んでもらえたのが印象的でした。
工作も子どもだけでなく大人も楽しんでくれていたし、ミルクバーでは一杯飲んだ方がいつの間にか三杯目を飲んでいたりと、どんどんお代わりしてくれて…牛乳だけで飲むと消費量としてはそんなに多くないけれど、色んな飲み方、しかもお手軽にできる飲み方を提案することで牛乳を飲んでいただくきっかけになったのではないかなぁと思っています。
レシピを配ることによって、イベント時の瞬間的な消費だけじゃなく、家庭での消費も促せたかなと…」と笑顔でお話してくれました。
第1回目のイベントをとおして、皆で牛乳を飲んで酪農家の方々を応援しようという意識が芽生えたという手ごたえを感じられたようでした。
第2回の開催に向けて
モ~っとのもう!モーモーフェスは今後も開催を継続していきます。
「1回目は小さいことしか出来なかったけれど、色んな方に協力をいただいて考えていたことは実現できたし、良いきっかけづくりになったんじゃないかなと思っています。
気付けば、私自身も牛乳を買う頻度が増えたし、価格だけで牛乳を選ぶのではなく、できるだけ十勝の牛乳を選ぶようになったんです。
意図せず、私自身が変わるきっかけにもなりました。
私自身もそうなら、もしかしたら他にもそういった方もいるかもしれないし、やってみたいアイディアも色々あるので、イベントは今後も継続的に開催していきたいですね。」
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1回目のチラシも吉田さんが原案を作成
どんな構想がありますか?とお尋ねしたところ、その場でもたくさんのアイディアがでてきました。
「酪農業についてもっと調べてパネルにしたいし、利きミルクとかも面白そうじゃないですか?
それと、1回目の開催について周知した時に、自分からレシピを教えてくれる方もいて、アンケートでも様々なミルクレシピを教えてもらいましたし、レシピの提供は引き続きやりたいと思っています。
あとは、牛との触れ合いの機会も提供したいですね、餌の実物をおいたりしてみたいと思っています。」
「それと、私の理想としては、酪農家の方も酪農業に携わらない方も、両方の皆さんがいらして、相互にコミュニケーションができるイベントになっていったらいいなと思っています。
私が聞いたり考えたりしたことだけを発信する場になるのではなく、酪農家の方が直接メッセージを発信したり、酪農業に携わらない町民の方が直接応援のメッセージを伝えられたりする場ですね。」
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この笑顔と行動力に自然と人が集まってくる
ひとしきりのアイディアやモーモーフェスの今後についてをお話したあと、吉田さんがいつも想っていることを教えてくださいました。
「酪農業に関わらず、私の目標は地域の皆が地域のことを知り、それぞれができることで地域を盛り上げて、皆が住みよく楽しく暮らしていくことなんです。
なので、私自身もできることをちょっとずつやっていきたいなと思っています」
いつも利他的な行動力と明るく元気な笑い声で、周りを照らす吉田さん。吉田さんがスタートさせたモーモーフェスが、これからどんなふうに発展していくのか、今からとても楽しみです。
\モーモーフェスはインスタグラムでも情報発信しています/
【かみしほろ起業塾】参加者インタビュー -まとめ記事-
「かみしほろ起業塾」は、起業・第二創業・新規事業展開の促進と支援を目的に、2018年度から進めている事業です。
-「なりわいを創る前」の若者たちによるコミュニティスペースづくりへのチャレンジ
上士幌ホロロジーでは、かみしほろ業塾に参加し、上士幌町内で活動されている方々にインタビューを行っています。
どんな方が、どんな事業を行なっているのか、ぜひご覧ください!
-糠平温泉を次世代に続く、元気で豊かな温泉集落に~上村 潤也さん~
-書店がない地位行きにも本を届けたい〜「鈴木書店」鈴木司さん〜
-大人も、子どもも「新しい自分が開く場所」をつくりたい〜齋藤肇さん〜
-復活!上士幌の豆腐屋さん〜「まめけん」中村哲郎さんの起業ストーリー〜
-自分も周りもワクワクする人生〜「一般社団法人とかちアドベンチャーサイクル」鈴木宏さんの起業ストーリー〜
スマホロ通信第17号(2023年12月 発行)
スマホロ通信第17号ではスマホ詐欺について説明しています。
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裏面ではスマホ詐欺の対処法について説明しています。
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チャレンジshop出店者インタビュー -まとめ記事-
まちづくり会社では、上士幌町民の方々が趣味や特技を活かして作ったハンドメイド作品を棚貸しで販売するチャレンジshop「ハレたな屋」を運営しています。
チャレンジshopに出店している出店者さんに想いを聞いたインタビュー記事をまとめてみました。
ぜひご覧ください!
-チャレンジshop「ハレたな屋」インタビューVol.1 HCWS em 坪井恵美子さん
-チャレンジshop 「ハレたな屋」インタビューVol.2 Riosk. 木原理央さん
チャレンジshop ハレたな屋インタビューVol.3 hana上甲由花さん
【上士幌町】秋のフォトウォークを開催
まちづくり会社では、上士幌町健康ポイント事業を運営しています。
「健康ポイント事業」は、日々の歩数を記録したり、健康診断やがん検診を受診したり、まちづくり会社が開催する健康増進イベントに参加することで「健康ポイント」が付与され、そのポイントを町内で使える商品券と交換できるという取り組みです。
今回はスマートフォン相談窓口「スマホロ」とのコラボイベントとして、カメラだけでなくスマートフォンでも写真を撮ってみようというテーマで、2023年10月28日に「秋のフォトウォーク」を開催いたしましたので、その様子をお伝えします。
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WRITER/PHOTOGRAPHER
土門 史幸
フリーカメラマン。2021年6月から上士幌町で地域おこし協力隊としてまちづくり会社で活動中。苫小牧市出身。写真や動画で地域の魅力を伝えたい。空・水中ドローンも扱えます。
初の町外開催
5回目となる「フォトウォーク」、これまでは町内で開催してきましたが、今回は初めて町外へ足を延ばして、帯広市の帯廣神社に行ってきました。
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帯廣神社
総勢22名、10代から80代までの幅広い世代の方々が参加され、撮影スポットを探しながら、境内をたっぷり歩かれました。
まちづくり会社の事業の1つであるMY MICHIプロジェクトで、町内に滞在していた都会の若者たちも参加して、十勝の少し早い紅葉を撮影しながら初対面の町民の参加者の皆さんと会話し、自然な多世代交流のひと時にもなっていました。
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多世代の交流が生まれた
【上士幌町】トマル、だからススメル「MYMICHIプロジェクト」2022年の軌跡
今回参加された方からは、「初めて帯廣神社に来て、こんなにキレイな紅葉を見ることができてとてもよかった」「普段行かないところを歩くのは新鮮だった」「七五三の子どもたちといっぱい会えてウォーキングがより楽しめた」の感想をいただきました。
皆さんそれぞれが、お気に入りの写真を撮影できたようでした。
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フォトウォークを楽しむ参加者たち
町民文化祭に展示
上士幌町では11月3日〜5日に町民文化祭が行われ、秋のフォトウォークで参加者の皆さんが撮影した写真作品も展示され、多くの町民の方々にご覧いただけたことと思います。
その後、作品はハレタかみしほろでも展示いたしました。
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町民文化祭で展示した(2023.11.3〜5)
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ハレタで展示中(2023.11.07〜1ヶ月程度)
健康ポイント事業では、今後も町民の皆さんの健康増進のため、イベントをはじめとした様々な取り組みを推進していきます。取り組みの様子はホロロジーの他、ハレタのインスタグラムやFacebookでもお届けしています。
生涯活躍のまちかみしほろ
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スマホロ通信第16号(2023年11月 発行)
スマホロ通信第16号ではスマートフォンのアップデートをすることのメリットについて説明しています。
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裏面ではアップデートしないときのデメリットについて説明しています。
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スマホロ通信第15号(2023年10月 発行)
スマホロ通信第15号では注意すべき怪しいアプリについて説明しています。
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2023/10/92a85833547a033f2bda62a4f429283d-1180x1669.png)
裏面では「スマートフォンの捨て方」について説明をしています。
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ノルディックウォーキング【応用編】を開催しました
まちづくり会社では、2018年度より上士幌町健康ポイント事業を運営しています。
「健康ポイント事業」は、日々の歩数を記録したり、健康診断やがん検診を受診したり、町内で開催される対象イベントに参加することで「健康ポイント」が付与され、そのポイントを町内で使える商品券と交換できるという取り組みです。
今回は健康ポイント事業の一環として、遊方屋(あそぼうや)の鞘野紳量(さやのしんりょう)さんを講師としてお招きし、2023年9月2日にノルディックウォーキング【入門編】、9月9日に【応用編】を開催しましたので、その様子をお伝えします。
また、健康ポイント事業の詳細については、こちらもご覧ください。
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INSTRUCTOR
鞘野紳量
ノルディックウォーキングの指導やレッスンを行うほか、アウトドアガイド事業も行う「十勝ガイドサービス 遊方屋」を2006年に開業。自治体、企業向けのノルディックウォーキング講習会や個人向けのパーソナルレッスンのほか、歩行研究家として歩行に関する相談も受け付けている。
ノルディックウォーキング【応用編】の様子
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出発前の準備運動
前回の入門編では、ノルディックウォーキングの基本を教えていただき、その後に実際に町内を歩いてみるという内容でしたが、今回は応用編ということで、市街地から車で25分ほどのぬかびら源泉郷まで出向き、散策路を歩きました。
数日前から小雨予報で天候が心配されましたが、当日は晴天に恵まれて、最高のノルディックウォーキング日和となりました。
参加者の中には、初めてノルディックウォーキングを体験される方もいらっしゃいましたので、前回の入門編に参加された方の復習も兼ねて、改めて歩き方のポイントやストックの使い方を教えていただきました。
まずはストックを使用した準備運動を行い、鞘野さんからの「楽しく会話をしながら歩きましょう!」の掛け声で出発です。
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バランスを保持しながら慎重に渡ります
入門編では、平坦なアスファルト舗装の歩道を歩きましたが、応用編では、自然あふれる散策路で、坂道やデコボコした場所や大きな石がたくさんある場所などを歩きました。
鞘野さんからは「平坦な道を歩く際は、ストックを後ろに押し出すように使い、石の上などを渡る際には先にストックを前方につき、杖のように支えにしながら渡りましょう。」とアドバイスをいただきました。
参加者の皆さんは、時には会話を止めて川の流れる音や木の葉の揺れる音など、自然そのものの音に耳を傾けながらウォーキングを楽しまれました。
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たっぷり深呼吸をします
散策路の途中の休憩ポイントでは、鞘野さんから「呼吸」についてお話がありました。
「皆さんには食べるものや飲むものに気をつけるだけでなく、呼吸も意識してみてほしいです。空気は体に取り入れるものの中で最も大切なものです。食べ物は1ヶ月、水は1週間取らなくてもなんとか生きることができますが、空気は1分取り入れないだけで体の機能を低下させてしまいます。呼吸はその空気を取り入れるための大切な人間の動きです。親しい仲間と会話をしながら歩くと、笑ったりすることで効果的に呼吸をすることができます。できれば時々自然の中を歩いて、木々が放出する新鮮で質の良い空気を取り入れるとさらに良いと思います。」とお話がありました。
鞘野さんからのお話を聞いた後、参加者の皆さんも実際に肺を広げるように大きく息を吸い、新鮮な空気を体内に取り入れていました。
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登り坂での様子
また、通常のウォーキングとノルディックウォーキングの違いを体感するために、登り坂にさしかかったところでまずはストックを使って歩き、次にストックなしで歩くという試みが行われました。
皆さんからは「ストックを使わないと全身が後ろに引っ張られる感じがする」「ストックが支えになっていたのがよくわかる」などの感想が聞かれました。
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歩いた後の足湯は最高です!
ゆっくりと1時間程歩いたあとは、ぬかびら源泉郷温泉公園で源泉かけ流しの足湯に入りました。
「足裏からジワ~っと全身が温まって気持ちがいい!」、「裸の付き合いならず、裸足の付き合いだね!」と皆さん笑顔でお話されていました。
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足のマッサージをする様子
足湯のあとは裸足のまま芝生の上を歩いたり、足の指で草をつかんでみたり、マッサージをして足全体をほぐしました。
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ウォーキング後のストレッチ
最後に、ストックを使用したストレッチを行いました。鞘野さんから「歩く前は体を動かすことを意識したストレッチ(※1動的ストレッチ)、歩いた後は体を伸ばすことを意識したストレッチ(※2静的ストレッチ)をすると良いですよ」とお話がありました。
※1体を動かして筋肉を刺激しながら関節の可動域を広げて柔軟性を高めるストレッチ。心拍数や体温を上げることができるので、運動前に適している。
※2 反動や弾みをつけずに筋肉をゆっくり伸ばすストレッチ。柔軟性のアップや可動域を広げる効果がある。
今回参加された皆さんからは「紅葉の時期にまた来たい」「自分でもストックを購入して歩いてみたい」などの感想をいただき、ノルディックウォーキングの魅力を感じていただけたようです。
ノルディックウォーキングは、最初は週に1回、慣れたら週に2回から3回と徐々に負荷をかけるのが良いそうです。また、1回ウォーキングを行ったら2日休んでまた行うというようにメリハリをつけて、代謝が落ちる直前にまたウォーキングを行う方がより効果的ということでした。
また、ストックの先端のゴムを取り外すことで冬仕様になるので、季節を問わずにノルディックウォーキングを楽しむことができるそうです。
鞘野さんは「今回の講座を機にノルディックウォーキングを始める方が増えるとうれしいです!」とおしゃっていました。これからストックをお供に町内を歩く方が増えるかもしれませんね!
健康ポイント事業では、今後も町内の皆さんの健康増進のため、イベントをはじめとした様々な取り組みを推進していきます。取り組みの様子はホロロジーの他、ハレタのインスタグラムやFacebookでもお届けしています。
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自分も周りもワクワクする人生~「一般社団法人とかちアドベンチャーサイクル」鈴木宏さんの起業ストーリー~
かみしほろホロロジーでは、なりわいを自分で創ることに挑戦している皆さんへのインタビューを行ない、ご紹介しています。
今回ご紹介するのは「一般社団法人とかちアドベンチャーサイクル」を起業された鈴木宏さんです。
※過去の記事はこちらから↓
![](https://kamishihoro-horology.com/wp/wp-content/uploads/2022/03/IMG_1688.png)
WRITER
渥美 緑(あつみ みどり)
2022年1月より静岡県から上士幌町へ移住。地域おこし協力隊としてまちづくり会社で活動中。上士幌町で出会う人、ものは基本すべて“初めまして”です。その”初めまして”の瞬間を言葉にして発信できたらいいなと思います。
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WRITER/PHOTOGRAPHER
土門 史幸
フリーカメラマン。2021年6月から上士幌町で地域おこし協力隊としてまちづくり会社で活動中。苫小牧市出身。写真や動画で地域の魅力を伝えたい。空・水中ドローンも扱えます。
鈴木さんは、2018年に地域おこし協力隊の商工観光振興推進員として上士幌町に移住され、2021年にかみしほろ起業塾を受講された後、2022年12月に「一般社団法人とかちアドベンチャーサイクル」を起業されました。また、個人事業主として、上士幌ぬかびら源泉郷にあるカフェ「ヒグマ珈琲」の運営もしています。
鈴木さんの起業に至るまでの経緯、現在の想いなどをお伺いするとともに、地域おこしや創業に興味関心のある方へのメッセージをいただきました。
鈴木さんが上士幌町に来るまで
「一般社団法人とかちアドベンチャーサイクル」の鈴木 宏さん
-まずは、鈴木さんが地域おこし協力隊として上士幌町に移住された経緯を教えてください。
はい。上士幌町に移住する前は、ニセコ町の滞在型リゾート施設でアウトドアに関する仕事をしていました。冬はスキー場のパトロール、いわゆる雪山レスキュー隊として、夏はアウトドアガイドとして働いていました。
ニセコ町には20年近くいたのですが、実はその頃からちょくちょく十勝には来ていたんです。新得町にアウトドア関係で働いている仲間がいて、その方からアウトドアガイドの仕事の依頼を受けたりしていました。
-その頃からお友達を訪ねるなどで十勝に足を運んでいらしたんですね。
はい。それと、実はぬかびら源泉郷スキー場が前職の系列施設だったということもあり、上士幌町の存在は知っていました。
ニセコ町で取り組んでいた事業が一段落して、これから生きていく場所を変えてみようかなと思ったタイミングで、ちょうど上士幌町で地域おこし協力隊商工観光振興推進員の募集があることを知ったんです。縁のあった新得町の隣町だし、観光に関れる仕事だし、これはいいかも!と思って応募しました。
実際に来てみたら、隣町といっても新得町と上士幌町は意外と遠くてビックリしましたけど(笑)
-十勝は本当に広いですよね!
本当に…。
-続いて、上士幌町にいらしてから起業に至るまでの経緯を教えてください。
はい。経緯というか、川の流れのように雲の流れのように現在に至った、という方が適切かもしれないのですが…(笑)
まず、上士幌町の地域おこし協力隊商工観光推進員として、この町で観光地域商社の立ち上げに携わり、立ち上げ後は、町内のレンタサイクル事業を担当することになりました。
その中で、町の自転車屋さんである市川さん(サイクルストア市川さん)、坂井さん(坂井自転車商会さん)と関わらせていただくようになりました。ナイタイヒルクライムを始めとする上士幌町での自転車大会にも携わっていたので、上士幌サイクリング協会会長である野村さんと関わらせていただくようになりました。
そこで、皆さんの自転車への熱い想いを聞かせていただいたことをきっかけに、私自身も自転車事業に関心を寄せていくようになったんです。
さらに、その頃から十勝管内がナショナルサイクルルートの指定地域として検討されていて、私も協力隊の業務として、研究会や協議会に参加させていただくようになり、自然と上士幌町でのサイクリング事業というものにのめり込んでいったんです。
その結果、協力隊の時に携わっていたサイクルツーリズム事業について、上士幌町から委託を受けるという形で起業するに至りました。
―そうだったのですね。確かに川の流れのように(笑)、導かれるような経緯ですね。
個人事業主として開業しているヒグマ珈琲の一角を、サイクルオアシスとして整備
アウトドアの危険性を知る自分だからこそ、安全に楽しめる方法を伝えたい!
―鈴木さんは最初からサイクルツーリズム関連で起業するおつもりで上士幌町にいらしたのかと思っていました。
前職でもマウンテンバイクコースの造成などはやっていたのですが、その頃は自転車にのめり込んではいませんでした。
市川さんや坂井さんと出会ったことによって、自分がやるべきことが見えたという感じですね。
―具体的にはどんなことが見えたのでしょうか。
協力隊の時の業務の一環として、夏季だけでなく冬季におけるサイクルツーリズムの推進と、それによる地域経済の活性化を図るというものがありました。
その業務を推進していく中で、市川さんや坂井さんなど自転車関係の方から「結氷した糠平湖に自転車で乗り入れちゃう人がいるんだよ」と聞き、そういった方のほとんどが自然公園法※によって乗り入れが規制されているということさえ知らないのだ、と気がつきました。
※自然公園法(車馬等乗入れ規制制度)により国立公園では自然環境の保全のもと自動車などの乗り入れは規制されている
その時に「このままだと、いつかは重大な事故が起きてしまうな」って思ったんです。
ちょうどその頃、冬の糠平湖でアイスバブルが見られることが話題になったのですが、何の装備も持たずに、たとえばスニーカーで糠平湖に行っちゃうような方もいらっしゃって…
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凍った湖面の氷の中に気泡が閉じ込められてできる「アイスバブル」
なかなかピンとこないかもしれないのですが、前職でも年に一度は雪崩事故で埋まった方を救助したり、冬じゃないですけど自転車事故などの対応をしておりました。アウトドアアクティビティは「まさか、こんなことで……」と思うような、死の危険がたくさんあります。
冬のアクティビティとサイクリング、どっちもやっぱり危険は伴うんですよね。
こういった事例を経験して、怖さを知っている自分だからこそ、「氷上サイクリング」をオフィシャルな形にして、しっかりルールを作って、皆さんに安全に自転車で遊んでいただく方法を広くお伝えしていくべきだと思ったんです。
公にしてルールを明確にお伝えしていく、サイクルツーリズムを推進する者として、そういう責務があるんじゃないかなと…
移住前の話に戻りますが、私の今のなりわいにつながっているのは、ニセコ町で携わっていた「アバランチコントロール(雪崩制御)※による水野の沢・深雪滑走安全教育プログラム」という事業です。
過去に重大事故が起きた場所は、特別管理区域としてゲートが設けられています。そこをアバランチコントロール、つまり人工的に雪崩を起こすことによって、自然に発生する雪崩を制御して安全性を高め、特別管理区域においても滑走ができるように、ゲートを開放できるようにする、というプロジェクトでした。
※アバランチコントロール(雪崩制御)とは、スキー場などの管理された区域での雪崩発生を防ぐために、一般の利用者がいない時間に人為的に小規模の雪崩を発生させ、災害・人災を防ぐ雪崩対策のこと
―前職でやってこられた予防的危機管理がこういう形でつながったんですね。
はい。もちろん「冬の糠平湖を自転車で走ったら気持ちいいだろうなぁ」という思いも動機としてありましたし、氷上サイクリングが事業として確立できたことで、ガイド事業が生まれるという結果にもつながっていきましたが、とにかく最初のきっかけは「冬を楽しむすべての方々の安全と自由のために」ということでした。
-事業を進めるにあたってご苦労されたことはありますか?
大変だったのは氷上サイクリングを行うにあたっての調整でした。糠平湖は国立公園であり、森林であり、河川なので、環境省や林野庁、北海道など関係機関が多岐に渡っていたため、複数の団体と上士幌町とで調整を続けて…
ルールやマナーのもと、安全に走れる環境を民間と行政が協働で推進するのに4年の歳月がかかりました。でも、時間をかけたからこそ小さな第一歩を着実に踏み出すことができたんじゃないかなと思っています。
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4年の調整を経て実施となった糠平湖氷上サイクリング(中央が鈴木さん)
話は戻りますが、調整をすすめるにあたっては、その前段階として、何よりも地元の方に理解していただくということが大事でした。
そのために私が手がけたのが、雪上でサイクリングを楽しむ「ぬかびらスノーバイクパーク」でした。
大抵の方は、冬に自転車に乗るという発想がないだろうなと思って、まずは、ぬかびら源泉郷スキー場の駐車場でお客さまが自転車に乗りに来てくださる様子を地元の方々にも見ていただいて、需要はある程度あるんだということを認識していただきました。
次のシーズンからは、周辺の宿泊事業者の方のご協力を得ることができて、ぬかびら源泉郷温泉公園で3シーズンほど継続して実施させていただきました。温泉公園は人目にも触れやすいので、雪上自転車(ファットバイク)がどういったものなのか、お客さまだけでなく地元の方にもさらにご興味を持っていただけたし、ご理解もいただけたと思います。
※スノーバイクパークについてはこちらの記事からご覧いただけます
一定の手ごたえを感じられたところで、昨年度は、まちなかである道の駅かみしほろの屋外スペースで実施させていただきました。
最初は地元の方にご理解いただくためにやっていたことでしたが、今は冬季のアウトドアアクティビティの充実を図るという目的も持っています。
アウトドアというくくりにおいて、前職のニセコ町では冬場は繁忙期と考えられていたんですが、上士幌町ではどちらかというとまだ閑散期ですよね。なので、こういった事業で冬季のアウトドア分野も活性化できれば、結果的に雇用も生まれていくのかなと思うんです。
遊びから雇用へ!です(笑)
―そうなっていけば素晴らしいですね!氷上サイクリング事業の調整のほかには、ご苦労や思っていたことと違ったと思ったことは何かありましたか?
悩みはなかったですね。
ただ、どうやったら考えていることを実現できるかということに関しては、すごく頭を使いましたし、自分の想いを押し通すだけじゃなくて関係各所の皆さんと歩みをそろえてすすめられるようにしてきたつもりです。
―鈴木さんの場合は、氷上サイクリングの件も当初は協力隊という立場ですすめていらしたので、上士幌町役場でそのままお仕事されるという選択肢もあったと思うのですが、ご自身ではどう考えていらしたのですか?
怖いけれど自分で判断し、責任を負う方がいいなと思って今の道を選びました。
それもあって思っていたことと違うな、というのもなかったのかもしれません。
あとは、応援してくれた妻の存在も大きかったですね。
―奥様は最初から応援してくださっていたのでしょうか。
はい。妻もニセコ町で働いており、色々な面でアドバイスもしてくれました。妻には本当に感謝しています。
かみしほろ起業塾で、やりたいことが明確になった
-続いて、かみしほろ起業塾を受講されたきっかけについてお聞かせください。
思い描いていた事業を実現するために勉強したかったので受講しました。
実は過去にいろいろな起業塾に参加したことがあったのですが、内容があまり具体的ではなくて。自分には上士幌町のかみしほろ起業塾が一番合っていました。
かみしほろ起業塾は「事業計画書を書き上げる」というコースになっていますが、それによって具体的に自分の可能性が自分で判断できるようになるんです。
私自身も最初に思い描いていたのは今の事業とは異なっていて、自転車屋を事業継承するというプランだったんです。
-事業継承の発想もやはり市川さんや坂井さんとの関わりの中で生まれたものだったのですか。
そうです。「市川さん、坂井さんとまだまだ一緒に面白いことをしていきたい」という想いに変わりはありませんが、かみしほろ起業塾を経て、まずは先に自転車文化を上士幌町で広めていく、下地づくりの事業を行なっていくという方針に変わりました。
自転車で遊べるところをまず先につくって、どんどん遊んで自転車を乗り倒してもらう。
上士幌町でそういう下地ができれば、自転車屋さんにも利益が入りやすくなるし、自転車屋さんをやっていきたい、上士幌町ならできる、と思ってくれる人がでてきてくれるかもと思うようになって。
市川さんや坂井さんと、今後も面白いことを一緒にしていきたいとお話される鈴木さん
かみしほろ起業塾に参加して、講師である中小企業診断士の原口先生に相談させていただいたことで、形が見えてきたなと思っています。
できない理由ではなく、できる方法を探していきたい
―起業を果たされた今、一番大切にしていること、今後どうしていきたいかを教えていただけますか。
そうですね。自分のことを自分でちゃんと判断するために、悩むのではなく、必要な答えを探して調べるという姿勢でいたいです。
できない理由ではなく、できる方法を探す方がいいかなと思っています。
それと、私は土曜日の小学生みたいにワクワク生きていきたいんです。
私が子供の頃の小学校は、土曜日は休日ではなくて授業が午前中だけあったんです。当時は月曜から金曜までとはちがって、午後は自由な土曜日が来るのが嬉しくて、「午後からお休みだ、何しよう」って自分だけでなく周りもワクワクしてて…。
-土曜日の小学生、ワクワク感が伝わってきます(笑)
今後、そんな風に自分だけじゃなくてみんながワクワク楽しい気持ちになれるような事業展開をしていきたいなと思っています。
そのためにサイクルツーリズムだけでなく例えば起業を目指す方を集めたコミュニティのようなものも創りたいなと思っています。まだ構想段階ではありますが。
-これからも楽しみですね!最後に、起業を目指す方へのメッセージをお願いします。
まず伝えたいのは「起業は誰でもできます!」ということです。
だから、やってみたいことがあるのなら、かみしほろ起業塾は積極的に受講するべきだと思います。
―「事業計画書を書き上げることで思い描いている先のことが見えてくる」ということを実感された鈴木さんだからこそのメッセージですね。
はい。かみしほろ起業塾を経てこれならいけるかもと思って次のステップに進めたり、逆にやっぱりだめかも、練り直さなきゃと思ったりする人もいるでしょう。
それでやめるという選択肢もありだと思うんです。
極端な話、結果的に起業しなくても、かみしほろ起業塾で得られるものって大きいと思います。ありがたいことに無料で受けられるし、新たな仲間との出会いもありますし。
だからまずやってみたらいいと思います!
鈴木さんが個人事業で行っているヒグマ珈琲
鈴木さんとお話していると、何事もフットワーク軽くチャレンジする方がワクワクするのかも?と楽しくなってきます。
『自分も周りもワクワクする人生』
それを実現するために、できる方法を探して一歩ずつ着実に歩まれている鈴木さんだからこそ醸し出せる雰囲気なのだと思いました。
鈴木さん、どうもありがとうございました。
\ヒグマ珈琲インスタグラム/
▶かみしほろ起業塾についてはこちらから
・一人ひとりの思いをかたちに―「かみしほろ起業塾」
▶過去に上士幌町内の起業家を紹介した記事はこちらから
・大人も、子どもも「新しい自分が開く場所」をつくりたい〜齊藤 肇さん〜
・「優しさの拠点」となる助産院をつくりたい~渡辺 雅美さん~
ノルディックウォーキング【入門編】を開催しました
まちづくり会社では、2018年度より上士幌町健康ポイント事業を運営しています。
「健康ポイント事業」は、日々の歩数を記録したり、健康診断やがん検診を受診したり、町内で開催される対象イベントに参加することで「健康ポイント」が付与され、そのポイントを上士幌町内で使える商品券と交換できるという取り組みです。
今回は健康ポイント事業の一環として、遊方屋(あそうぼうや)の鞘野紳量(さやのしんりょう)さんを講師としてお招きし、2023年9月2日にノルディックウォーキング【入門編】、9月9日に【応用編】を開催しましたのでその様子をお伝えします。
また、健康ポイント事業の詳細については、こちらもご覧ください。
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INSTRUCTOR
鞘野 紳量
ノルディックウォーキングの指導やレッスンを行うほか、アウトドアガイド事業も行う「十勝ガイドサービス 遊方屋」を2006年に開業。自治体、企業向けのノルディックウォーキング講習会や個人向けのパーソナルレッスンのほか、歩行研究家として歩行に関する相談も受け付けている。
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PHOTOGRAPHER
土門 史幸
フリーカメラマン。2021年6月から上士幌町で地域おこし協力隊としてまちづくり会社で活動中。苫小牧市出身。写真や動画で地域の魅力を伝えたい。空・水中ドローンも扱えます。
ノルディックウォーキング【入門編】の様子
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ノルディックウォーキングについて説明する鞘野さん
初回のノルディックウォーキング入門編では、まずは座学にてノルディックウォーキングの概要を学び、その後、実際にストックを使いながら町内の平坦な道を歩いてみるという内容で実施しました。
ノルディックウォーキングは、年齢・性別・運動経験・体力などにかかわらず、ストックを用いて、誰でも行うことができる歩行運動です。ストックを使用することで自然に歩幅が広がり、歩行速度も速くなるため、通常のウォーキングに比べてエネルギー消費量が約20%上昇するそうです。また、歩行中の姿勢が良くなることで関節の柔軟性が向上し、バランスの保持・転倒予防にも効果があるということを教えていただきました。
町内を歩く
ノルディックウォーキングの概要について学んだ後は、いよいよ実践です。
ノルディックウォーキングの効果を発揮させるためには、道具となるストックを正しく使うことが大切とのことで、まずは鞘野さんが参加者1人ずつのストックの長さを調整してくださいました。
姿勢を正した状態でストックを握り、腕が直角より若干下がる状態になるのが適正な高さなのだそうです。
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ストックの長さを調整中
ストックの調整が完了した後は外に出て、
怪我をしないようにストックを使ったストレッチを行いました。
ストックを使うことにより、体を支えてくれる部分が増え、安全かつ柔軟にストレッチを行うことができるとのことでした。
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歩く前に入念にストレッチをする
ストレッチ終了後は、いよいよ出発です。
参加者の皆さんは、途中途中で鞘野さんから「ひじはなるべく伸ばして、ストックを後ろに押し出すように歩きましょう」「顔を上げると姿勢がよくなりますよ」などのアドバイスをいただきながら、町内を1キロ程度歩かれました。
また、「普段歩くスピードは一番楽なスピードなのでそれよりも少し速めに歩く」「複数で歩く場合は会話をしながら楽しく歩くということが大事」など、身体の動かし方だけでなく、ウォーキングを楽しく継続するための意識の持ち方も教えていただきました。
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鞘野さんのアドバイスを受けながら歩く参加者のみなさん
今回のノルディックウォーキング【入門編】では、「歩くことは唯一会話が伴うフィットネス」という鞘野さんの言葉のとおり、参加者の皆さんが、自然と会話をしながら笑顔で歩かれていたのが印象的でした。
参加者の皆さんに感想を聞いたところ、「ストックを使うと普段の歩行よりもキツイ」「歩幅が広がるので普段使わない筋肉が痛い」「二の腕、股関節、足など全身に効いているのがわかる」などのお声もいただきました。歩く楽しさだけでなく、ノルディックウォーキングの効果も体感されたご様子でした。
次回の記事では、ノルディックウォーキング【応用編】での様子をお伝えします。お楽しみに!
…ノルディックウォーキング【応用編】に続く。